放送大学の講義より

2017年06月12日(月曜日)

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一部、無料で一般公開されている


放送大学の過去の講義の中には、無料で一般公開されているものがあります。私のような学外の人間でも簡単に聴講できるようになっています。

私は最近聴講を始めたのですが、これがなかなか面白く感じました。場面緘黙症と関係がありそうな科目も見つけました。次の2科目です。

認知行動療法


緘黙に有効な治療法の一つと思われる、認知行動療法の科目です。これはテレビ授業科目で、第1回放送分のみ一般公開されています。2014年度に開講されたもので、主任講師は下山晴彦氏(東京大学大学院教授)と神村栄一氏(新潟大学教授)でした。

第1回放送分「認知行動療法とは何か—特徴と、その成り立ち」のみしか見ることができないのが惜しいのですが、認知行動療法のあらましをつかむことはある程度できるかもしれません。講義らしい堅苦しさも薄めなので、聴講しやすいです。ただし、大学の講義なのにいきなりドラマから始まるので、驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。


精神医学特論


これはラジオ授業科目で、全15回が一般公開されています。2016年度に開講されたもので、主任講師は石丸昌彦氏(放送大学教授)と広瀬宏之氏(横須賀市療育相談センター所長)でした。

緘黙と関係があるのは、第9回「発達障害、小児期の心身症と精神疾患」です。この回では、「選択性緘黙」の説明がなされています。33分45秒から34分8秒までの23秒間ほどです。この通り、緘黙については概略をさらりと説明した程度です。この科目全体では、統合失調症のお話が多いです。


聴講方法


一般公開されている講義を見たり聴いたりするには、インターネットに接続できる環境があればよいです。具体的には、次の方法をとります。

○ パソコンの場合、放送大学「オープンコースウェア」ホームページにアクセス

○ 携帯端末の場合、放送大学のアプリをインストール

なお、認知行動療法の講義は見つけにくいです。1回分のみ公開の講義はたくさんあるので。私がインストールした Android 用アプリの場合、「一般の方はこちら」⇒「テレビ」⇒「授業科目一覧(1回分のみ公開)」⇒「066 認知行動療法('14)1528963p」の順で聴講できました。


緘黙が長期化すると、発達課題の達成に支障が出るか


ところで、精神医学特論の中で、石丸教授が「発達課題」のお話を繰り返しされていたのが私には印象に残りました。青年期に発症する統合失調症の患者さんには、その障害ゆえに「発達課題」を達成できない方もいらっしゃるというお話です。

「発達課題」とは何でしょうか。私は専門家ではないので詳しくはなく、説明は下記ページに委ねます。

↓ コトバンクへのリンク。
◇ 発達課題 | ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説 (新しいウィンドウで開く

↓ goo ヘルスケアへのリンク。
◇ 心理学用語「E.H.エリクソンの発達課題」Developmental Task (新しいウィンドウで開く

↓ 「津市まん中こども館」ホームページへのリンク。
◇ 子どもの発達課題に応じた支援 (新しいウィンドウで開く

↓ 文部科学省ホームページへのリンク。ある懇談会の配布資料。
◇ 各発達段階における子どもの成育をめぐる課題等について (新しいウィンドウで開く

このあたり、緘黙についてはどうなのだろうと私は思いました。先日多くのアクセスを集めたアメブロ公式トップブロガー・タマ タマヨさんのお子さんのように、小学1年生のうちに緘黙が克服の方向に向かえばさほど心配はないかもしれません。ですが、長引けば、発達課題の達成に支障が出るようなことはないのでしょうか。特に、対人関係にかかわる課題の達成が難しいのではないかと思います。

ところが、「発達課題」という視点から緘黙について専門家が論じているのを、読んだ覚えがちょっとありません。よく探せばひょっとしたらあるのかもしれませんが、量は少ないだろうと思います。緘黙と発達課題がどうこうというのは、発達心理学等に詳しくない私の考えすぎなのでしょうか。

緘黙というと、ゆっくりでもいいから自分のペースで歩めばよいという論調が強いと感じます。もしかしたら、発達課題がどうこうとは言われないのは、このあたりが関係しているのかもしれないと思います。

蛇足までに私の経験をお話しすると、緘黙の影響で周りの人と同じように発達課題が達成できないと、自信や幸福感の低下につながりました。私の場合、自信や幸福感は、周りの人との比較で決まる部分も大きいです。なお、私は緘黙といっても、このことで医者にかかったことはなく、診断は受けていません。

2005年に、緘黙の講習会があった

2017年06月05日(月曜日)

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緘黙団体も Twitter もない時代に、緘黙の講習会


ちょっと驚きました。2005年8月6日に、場面緘黙症の講習会があったことを知ったのです。当時、跡見学園女子大学の助教授だった古池若葉氏が講師を担当したそうです。

↓ 古池氏が現在所属する、京都女子大学教員情報検索へのリンクです。現在、25番目に緘黙の講習会についての記載があります。
◇ 社会活動 (新しいウィンドウで開く

2005年8月といえば、私が場面緘黙症Journal の元となるブログを始める3ヶ月前です。当時のことは覚えています。

この頃は、緘黙関係の団体やグループが、日本にはまだ存在しませんでした。「かんもくネット」も「信州かんもく相談室」も「日本緘黙研究会」も、影形すらありませんでした。緘黙を主題とした専門的な本も、『場面緘黙児の心理と指導』(1994年)という、当時にして11年も前の本しか出ていない状況でした。

ネット上では、今のように育児サイト等の企業・団体が運営するウェブサイトで緘黙が取り上げられることはほぼありませんでした。Wikipedia にさえ、「場面緘黙症」の項目がなかったほどでした。

ネット上の緘黙情報といえば、経験者ら有志が個人ホームページで発信する情報が中心でした(「ココロのひろば」「浮遊」「ほほえむ」「場面緘黙症専用」ほか)。ここで「個人ホームページ」と書きましたが、当時は Twitter や Fabebook もありませんでした。ブログが広がり始めていた頃です。

そういう時代でしたから、緘黙に関する催し物などは、当時聞いたことがありませんでした。一部の当事者・経験者らが小規模なオフ会を開く程度でした。そんな時期に、緘黙の講習会が行なわれていたとは思いもよりませんでした。


よく考えると、そこまで意外でもないのでは


とはいえ、よくよく考えると、何もこれはそんなに意外極まりない話でもありません。緘黙に関する学術文献は、80年代、90年代、2000年代と時代を下るにつれ、増えていっていました。また、2004年には、書店でも普通に買える教師向けの雑誌『児童心理』で、緘黙を主題とする記事が2回も掲載されていました。これらの事実は、国立情報学研究所の学術情報ナビゲータ CiNii などで確認できます。

案外、この講習会のように、緘黙に関わる人にあまり気付かれることがなかった催し物などが、昔はあったのかもしれません。今でこそ、緘黙の催し物やメディア掲載といった情報を継続的に収集・公開する私のような者がいますが、昔はそんなことをする人はいませんでした。また、Twitter や Facebook といった、情報の拡散に優れたツールも昔はありませんでした。

緘黙関係団体や Twitter が存在しなかったような時代には、緘黙についてはまるで何もなかったという歴史認識?は行き過ぎかもしれません。

今後の予定まとめ

2017年05月27日(土曜日)

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ここのところ、場面緘黙症に関する催し物等のニュースが立て続けに入ります。それらを日時順にまとめてみることにしました。

これからの予定


6月24日:京都西山短大 平成29年度第1回ワークショップ


「平成29年度 緊張や不安の強い子どもへのワークショップ」が、6月24日土曜日から京都西山短期大学で行なわれます。緘黙のワークショップです。

詳しくは、京都西山短大ホームページ「お知らせ」をご覧ください。


7月1日:『場面緘黙支援の最前線』発売


イギリスの本 Tackling selective mutism の翻訳書『場面緘黙支援の最前線-家族と支援者の連携をめざして-』が、7月1日土曜日に発売されます。

場面緘黙支援の最前線:家族と支援者の連携をめざして
ベニータ・レイ・スミス アリス・スルーキン
学苑社

↓ 翻訳者である、かんもくネットのホームページへのリンクです。
◇ 場面緘黙支援の最前線-家族と支援者の連携をめざして- (新しいウィンドウで開く


7月1日:尼崎で研修講座「場面緘黙の理解と支援」開催


日本緘黙研究会主催の研修講座「場面緘黙の理解と支援」が、関西国際大学尼崎キャンパスにて開催されます。日時は7月1日土曜日で、『場面緘黙支援の最前線』の発売日と同じです。

参加申込はお早めに。定員になり次第締め切るそうなので。

↓ 日本緘黙研究会ホームページへのリンクです。
◇ 研修講座「場面緘黙の理解と支援」開催のお知らせ (新しいウィンドウで開く


夏頃:映画『少女邂逅』公開


場面緘黙症を経験したという若手映画監督が指揮する映画『少女邂逅』が、夏に公開される予定です。監督の実体験を元にした作品で、主人公の少女は場面緘黙症という設定です。ただ、緘黙をテーマとしたストーリーではないかもしれません。また、どのように緘黙が描かれるかについては、現時点では分かりません。

↓ クラウドファンディングサイト「Motion Gallery」へのリンクです。ページ中段「本作を製作するにあたって 枝優花より」をご覧ください。緘黙について書かれてあります。携帯端末の方は、「もっと読む」をクリックしてみてください。

※ 弱冠23歳の枝優花監督×音楽・水本夏絵による初長編映画『少女邂逅』保紫萌香とモトーラ世理奈を主演に5月クランクイン!
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2017年5月29日、この映画の情報を追加しました。


10月22日:東京で「かんもくアコースティックライブ」開催


今年も「かんもくアコースティックライブ」が開催されることが発表されました。10月22日の日曜日で、場所は東京。詳細はこれから発表されるそうです。

↓ manana さんのブログへのリンクです。
◇ お知らせ&近況報告!!! (新しいウィンドウで開く


12月9日:名古屋で「かんもくフォーラム」開催


「かんもくフォーラム」も開催されます。今年は名古屋での開催で、日時は12月9日土曜日だそうです。詳細はこれから発表されるものとみられます。

↓ かんもくフォーラムの Facebook ページへのリンクです。Facebook に登録されていない方でもご覧になれます。
◇ かんもくフォーラム - Home | Facebook (新しいウィンドウで開く


今月の動き


場面緘黙症啓発月間


5月は場面緘黙症啓発月間であるとして、様々な動きがあります。例えば、次のようなものです。

○ 緘黙についての理解を促す Twitter 投稿。

○ 「緘黙かるた」。当事者や経験者の経験や考え、緘黙ならではのあるある 、共感できる内容などを、例えば「『あ』って言ってみて」など五十音順にまとめます。かんもくの声さんが提案。

○ 「かんもくん」。緘黙の非公認マスコットキャラクター。オリハラさんが提案し、みこさんがデザイン。


『かんもくって何なの!?』発売


モリナガアメさんの実録漫画『かんもくって何なの!?-しゃべれない日々を抜け出た私-』が、好評発売中です。