シェイピング(行動形成)-場面緘黙症の段階的な克服

2006年09月30日(土曜日)

[いきなりお知らせ]

これまで、更新は毎週土曜日+αとしてきましたが、来週以降は、完全不定期更新といたします。

つまり、土曜日に必ずしも更新しないかもしれないということです。ご了承ください。

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今日も、心理学初学者の富氏が自身の勉強の復習も兼ねてまとめています。

行動療法技法の一つに、オペラント条件づけを応用したシェイピング(行動形成;shaping)というものがありまして、これが場面緘黙症など、発話の問題のある人たちの治療に成果を上げています。

かの場面緘黙症を克服するための実践法を説いた保護者向けの本 Helping Your Child With Selective Mutism も、シェイピングを場面緘黙症の治療に応用したもののようです。

■ シェイピングとは何ぞや

簡単です。要するに、褒めたりごほうびを上げたりしながら、少しずつ発話など目的の行動にたどりつくようにしようということです。このサイトの常連の方には、おなじみの手法です。

少し難しく言えば、次の3つがシェイピングのポイントになります。

○ 目的となる行動の変化を達成するために段階を踏む(漸次的接近;successive approximation)

○ 一つ段階をクリアしたら、ごほうびや報酬などの好子(正の強化子)を即座に与えて(即時強化;immediate reinforcement)、行動を学習させる

○ 次の目標の段階をクリアできないようなら、目標を引き下げるか前の段階に戻ってやり直すかする

なお、行動分析の父・B. F. Skinner による鳩を使ったシェイピングの実験の動画がYouTubeで公開されています。法的に問題がなければいいのですが。動画は英語である上に、行動療法の専門用語が出てくるので、一般の方には聞き取りにくいです。






目次(2006年7-9月分)

2006年09月30日(土曜日)

2006年第3四半期(7-9月)分の目次をお送りします。

もう少しで記事の数が100に到達するぞ、と。

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9/30  シェイピング(行動形成)-場面緘黙症の段階的な克服
9/27  場面緘黙児が自分の不安を把握するために
9/26  コメント欄の使い方
9/23  父の死
9/22  負の強化、罰
9/20  Wikipedia「ニート」に「場面緘黙症」という言葉が…
9/16  ごほうびで行動を変える~正の強化
9/13  場面緘黙症を不安障害として理解するために
9/9  場面緘黙児・富氏といじめ
9/6  場面緘黙児の不安をやわらげる劇薬?内破療法、フラッディング法
9/4  場面緘黙児の不安をやわらげる系統的脱感作法
9/2  場面緘黙症への関心、日本は非常に高い?

8/26  場面緘黙児・富氏の友達M君
8/19  場面緘黙症の日本の専門書、やはり少なすぎる!
8/19  場面緘黙症の洋書(英語、ドイツ語編)
8/16  場面緘黙症の学校向けの資料まとめました!
8/12  世界の場面緘黙症~インターネットから
8/9  場面緘黙症を先生に知っていただこう!
8/8  富氏、場面緘黙症?になる
8/5  私がブログを綴る理由

7/29  富氏、転校する!
7/24  続・トラウマで話せなくなった子は、場面緘黙児ではない!?
7/22  トラウマで話せなくなった子は、場面緘黙児ではない!?
7/15  小学1~3年の頃・緘黙症になる前(2・完)
7/14  場面緘黙症をみんなに知ってもらう最良の方法!
7/14 Selective Mutism - My Memories
7/8  場面緘黙症の治療の目標は、発話ではない!?
7/7  小学1~3年の頃・緘黙症になる前(1)
7/1  場面緘黙症の双子の研究で分かったこと:場面緘黙症は遺伝が関係?


場面緘黙児が自分の不安を把握するために

2006年09月27日(水曜日)

場面緘黙症理解のための資料第5弾「場面緘黙児が自分の不安を把握するために」です!

資料No.5も、エリザ.シポンブラム先生によるものです。

今回は、場面緘黙児が自分自身の不安の程度を把握するのに役立つ、「コミュニケーションにおける安心感尺度調べ」(SM-ICCscale)のお話です。

翻訳は、けいこさんが担当しました。けいこさんは現在、SMartセンター以外の外国サイトの翻訳・当ブログアップも交渉中です。今回、ロンドン在住のみくさんにも翻訳にご協力いただきました。みくさん、ありがとうございました。

■ Knet翻訳チーム メンバー募集!

引き続き、いっしょに翻訳を希望される方を若干名募集します。

Knet翻訳チーム掲示板(リンク切れ)こちらの掲示板にアクセスされた後、ユーザー登録を行い、私にご一報ください。私が指定した登録ユーザーのみ、掲示板の記事を閲覧できるようになっています。登録にはメールアドレスが必要です。

英語が得意な方、得意というほどではないけれど協力したいという方、翻訳の時間はとれないけど誤訳チェックだけならできそうと言う方も、ぜひ声をおかけ下さい!

■ ダウンロード

上の画像をクリック!

[html] [印刷用] のどちらかをクリックしてください。

htmlは、Internet Explorer などブラウザで見ることができます。そのまま印刷することもできます。無料サーバーを使っている関係で、ページの末尾に小さな広告が挿入されています。

印刷用は、リッチテキスト形式です。Windows のワードパッドや、Word、一太郎で閲覧することができます。印刷はこちらをおすすめします。

■ 本文の紹介

場面緘黙児は、自分がなぜある場面で声が出せないのか、自分でもわかりません。そして「話せるかどうか」に注目してしまいます。場面緘黙症は不安障害なので、「話す」ことではなく「不安-安心感」に注目する必要があります。
そこで、この論文で取り上げられているのが、場面緘黙児自身が、いろんな場面での自分の不安を0~5点で得点化する方法です。小さい子には絵にしてもらいます。

安心感レベルの把握の練習は、子ども自身が自分の状態を理解し、感情のコントロール力を身につけるのに役立ちます。サポートする親、先生、専門家はこれを元に環境調整したり目標を設定したりすることができます。

>> 本文を読む

■ この資料の使い方

緘黙児自身が自分の「安心感レベル」を得点化するこの方法は、小学校高学年以上で取り組みやすいように思います。小学校低学年以下の子どもの場合、とまどいを感じる保護者や先生もおられるかもしれません。アメリカと日本では文化の差や、誰がこの方法を緘黙児に提案するかも影響するかと思います。とまどいを感じられる場合は、専門家と相談しながら、子どもの個性や状態にあわせて使われることが望ましいと思われます。

親や先生が、緘黙児の状態を外から見て、子どもの1日の安心感レベルを得点化する方法が 、Mcholm 先生の Helping Your Child With Selective Mutism に載っています。朝起きてから寝るまで、在校中も含めて平均的な1日の出来事を項目としてあげて、親と先生が1週間に1回得点化し記録します。親や先生も「話す」ことに注意が行きがちですので、子どもの状態を全体的に把握するために有効な方法と思われます。