場面緘黙症、治さないといけないの?

2007年01月30日(火曜日)

「場面緘黙症、どうして治さないといけないの?喋れなくたって別にいいじゃん!」

もしあなたのお子さんがこう言い出したら、どう答えます?

* * * * * * * * * *

■ 本当に治さないといけないの?

私は、自分の場面緘黙症は本当に治さなければならないのだろうかと悩んだことが何度もあります。

私の考えはこうでした。別に話せないことが悪いというわけではない。おしゃべりな人、無口な人、世の中いろんな人がいていい。こんな私だから好いてくれている人もたくさんいる。内気な性格を変えるのは、自分らしさの放棄につながる。

話せなくても、周囲の理解があるので学校生活に特に不満はない。将来は不安だが、もしかしたら無口で内向的なままでも、社会に適応し、自己実現をする術があるかもしれない。

もし無口な人が社会でうまくやっていけないのだとしたら、それはその人が悪いわけではなく、社会が悪いのだ。色んな個性の人がいてもいいのに、それを認めない社会は許せない。

[ご注意]

※ 場面緘黙症は、無口なことには違いありませんが、ただの無口とは違います。念のため。(02/01/2007)






ネガティブ思考も捨てたものじゃない?

2007年01月23日(火曜日)

ネガティブだからうまくいく不安は退治されるべき悪であり、ネガティブ思考よりもポジティブ思考の方がいいに決まってる、というのが世間の常識です。

こうした常識に心理学の切り口から挑戦する本を見つけ、むさぼるように読んでいました。The Positive Power of Negative Thinking(邦訳書『ネガティブだからうまくいく』)という本です。

※ 今回は、場面緘黙症と直接関係ない話です。

この本の主張は、ポジティブ思考が全てではなく、人によっては、あるいは状況によっては、不安をうまく生かす "defensive pessimism"(防衛的悲観)というネガティブ思考をとることによって、成功することもできるというものです。

この本が出版されたアメリカはポジティブ思考大国だと私は思っていたのですが、そのアメリカでこのような本が発表されたことに驚きを隠せません。New York TimesWashington Post にも引用されたといいますから、反響は大きかったのかもしれません。

著者の Julie K. Norem 氏は人格心理学の専門家で、同氏のネガティブ思考に関する学術論文は、Journal of personality and social psychology といったトップジャーナルにも掲載されています。この本はどうやらそうした学術雑誌に掲載された論文をもとに、一般向けに編集されたもののようです。怪しげな類の本ではありません(とはいえ、同氏の主張は、心理学の常識からすると少し変わっているのではないかな?とも思います)。防衛的悲観に関する研究は日本の心理学者の間でも行われているようです。

私がどうしてこのような本をむさぼり読んでいたかというと、ほかでもありません。私自身不安が強く、ポジティブ思考よりもネガティブ思考の方が肌が合う人間だからです(元場面緘黙児って、こういう人、多そう)。






[緘黙] 理解ある先生、クラスメイト [ストーリー]

2007年01月19日(金曜日)

色んなことやってたら、あっという間に日が経って、ブログの更新忘れてた!

というわけで、連続ブログ小説・私の緘黙ストーリーをお送りします。前回から、小学5年の頃のお話をしています。

○ 前回の話⇒「こちら」
○ 緘黙ストーリーの目次をご覧になりたい方⇒「こちら」

* * * * * * * * * *

■ 場面緘黙症を知る?担任Y先生

新しい担任Y先生は、学校で黙り込んでいる私に気づき、特別な配慮をしてくださいました。

例えば、私に積極的に声を掛けられたり、私を褒められたり、私が孤立しないように意識的に私のことをクラスで話題にされたりしていました。

話ができない私を責めたり、発声練習をさせたりするようなことは、ありませんでした。

また、Y先生は、いつも私の味方でした。こんなエピソードがあります。理科の授業中に「生体反応なし」という言葉が話題になりました。ある男子児童が「『生体反応なし』って、富条君のことや」と口にし、クラス中が笑いに包まれました。その時、Y先生はすごい剣幕で「富条が『生体反応なし』なんてことはない!富条は喋らないし大人しいが、富条なりに色々考えているんだよ!」と子どもたちを叱ったのです。