[緘黙] 恐怖の合宿 [ストーリー]

2007年10月31日(水曜日)

私の場面緘黙症の思い出話です。現在、小学5~6年生編です。

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○ 緘黙ストーリーのあらすじ⇒「こちら」

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今回のお話のタイトルは「恐怖の合宿」と、なんだかおどろおどろしいです。ですが、私が体験した合宿は、客観的に考えて普通の公立小学校の普通の合宿だったと思います。

ただ、主観的なことを言うと、私は合宿が大嫌いでした。小学5~6年の頃は学校行事で何度も合宿があったのですが、今度また合宿があるという話が出るたびに、私は陰鬱な気分になったものです。

私は本当に合宿が嫌いで、それは中学校に進学しても変わりありませんでした。恥ずかしながら、私はたった1回だけ「怠学」したことがあるのですが、それは中学校3年のときのクラス合宿のときでした。とにかく合宿が嫌だったので、さぼってしまったのです。それに、この合宿は学校の公式行事ではありませんでしたし、当時の私はクラスメイトに顔を合わせればいじめられることが必定だったので、休んでしまったのでした。

では、どうしてそんなに合宿が嫌いだったのか?これはなかなかはっきりとした理由が思い出せないのですが、いくつか理由を挙げてみることにします。

■ 学校では集団活動が大の苦手だったから

私は学校に限っては集団活動がとても苦手だったことが、その理由の一つとして考えられます。

この理由から、私は遠足や体育、家庭などの授業も嫌いでした。ただ、合宿は遠足などとは違い、1泊2日~2泊3日ほど集団活動漬けです。レベルが違います。






重松清『青い鳥』、場面緘黙症の認知度

2007年10月27日(土曜日)

青い鳥最近、日本のブログ、それも場面緘黙症とは全く関係ないブログで、場面緘黙症のことが触れられる回数が少し増えてきました。

それというのも、最近発売された重松清氏の『青い鳥』という本に、場面緘黙症の子を主人公とした短編が収録されているためです(当サイトの書籍コーナーでもご紹介しています)。本を読んだ方がブログで感想を書いている、というわけです。

おそらく『青い鳥』を手に取られた方の多くは、場面緘黙症をご存じないでしょう。この本は、場面緘黙症の認知度に影響を与えていると思います。

よく場面緘黙症の認知度を上げたいという話を聞きますが、認知度を上げるなら、当たり前のことですが、いかに場面緘黙症を知らない人にアピールするかが大事です。

例えば、場面緘黙症Journalのようなサイトで何を言っても、こうしたサイトをご覧になる方は最初から場面緘黙症のことをご存知の方ばかりなので、認知度向上にはつながりにくいです。

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ところで、場面緘黙症の認知度を上げるのは、そうそう簡単な話ではないのではないかと常々思っています。

英米では大手メディアが場面緘黙症を取り上げていますが、英米のウェブサイトを見る限り、これらの国々でも場面緘黙症の認知度は依然低いのではないかと感じます(例の事件で、アメリカではいくぶん認知度は上がったかもしれませんが)。そうでなかったら、認知度向上のためのリストバンドやブレスレットなど作られたりしないでしょう。

日本でも、岩手大学の山本実氏(故人)が読売新聞から2度にわたってインタビューを受けたり、NHKの番組に出演したりしましたが、認知度の低さは皆様ご存知の通りです。もっとも、山本氏がメディアに登場したのは20年近く前なので、無理のないことなのかもしれませんが。

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[関連記事]

◇ 世界のメディアと場面緘黙症
◇ もう一人の緘黙研究者(山本実氏に関する記事です)


場面緘黙症にかかる費用

2007年10月24日(水曜日)

そういえば、私は大学で経済学を専攻していたのでした。そこで、場面緘黙症について経済学の視点から少し書いてみます。[1]

経済学には「医療経済学」という応用分野があります。[2]

イギリスの Martin Knapp 教授(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、ロンドン大学精神医学研究所)も医療経済学者の1人で、メンタルヘルスについて医療経済学の視点から数多くの研究論文を発表しています。

代表的なものは、行為障害を持った子が大人になると、そうでない子に比べてどれだけの費用がかかるかとか(Scott, Knapp, Henderson, and Maughan, 2001)、精神医学的介入がどれだけの費用がかかるかとか(Beecham, Knapp, 1992)、そうした研究です。中には、統合失調症の費用(Knapp, 1997)、自閉症の費用(Jarbrink, Knapp, 2001)、などという研究もあります。[3] ですが、場面緘黙症の費用に関する研究は、やはり見つかりませんでした。

■ 場面緘黙症にかかる費用は?

そこで、考えてみました。場面緘黙症の費用は、一体どのように算出できるのでしょうか。以下では、具体的にどういったものを費用として計上できるかについて、経済学の独特の費用概念に基づいてお話しています。また、場面緘黙症は早期介入を行えば費用を最小限に抑えることができる点も指摘しています。ただし、費用は具体的にいくらと計算しているわけではありません。

なお、私は学士(経済学)ですが、医療経済学は詳しくなく、費用の算出方法も分かりません。医療経済学の教科書を参考に(McPake, Kumaranayake, Normand, 2002/2004)、私なりに考えてみることにします。

■ 経済学の費用の概念

経済学の概念は、世間一般で言う費用の概念とは少し違います。会計学上の費用とも違います。とりあえずは、直接的な費用と間接的な費用に分けて説明します。