日本の緘黙研究、国際的な学術誌に載ってない

2007年11月28日(水曜日)

本当に素朴な疑問なんですが、日本の場面緘黙症の研究が、国際的な学術雑誌(英語圏)に載っていないのはなぜなのでしょう?

ドイツ、ノルウェー、イスラエル、トルコ等の研究が、英語圏の学術雑誌に載ることはあるのに(アメリカ、カナダ等は言うに及びません)。

日本の研究者は、日本国内の学術雑誌ばかりに発表しています。

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このような疑問を感じるのは、私が大学で経済学を専攻したからなのかもしれません。日本の経済学界では、専攻分野にもよりますが、論文を英語で執筆して国際的な学術雑誌(主にアメリカの雑誌)に投稿するということは、わりと行われています。

ただ、日本の医学界も、おそらくその例外ではないのではないかと思うのですが…。

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日本の研究者が、海外の緘黙症の研究文献を引用することはあります。しかし逆に、海外の研究者が、日本の研究を引用することはありません。そもそも、日本の研究が海外に発信されていないのです。

場面緘黙症は日本国内だけの問題ではありません。もっと日本の研究者も世界に研究を発表し、国際的な議論の場に立てばいいのに、と素朴に思います。

ちなみに、日本だけでなく、中国などアジア圏の緘黙症研究も、英語圏の学術雑誌で見かけることはありません。

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場面緘黙症とは何か(第4版)

2007年11月28日(水曜日)

■ 緘黙症って何?

緘黙症(mutism)とは、話す能力があるにもかかわらず、特定の場面で継続的に発語ができない情緒障害です。症状が重篤化すると、話すことができないだけでなく、思うように動くこともできなくなります。

緘黙症は、主に幼稚園児や小学校低学年の児童が発症します。読み方は「かんもくしょう」です。統合失調症やヒステリー失声とは違います。また、発達障害とも通常分けて考えます。

まだまだ研究が進んでおらず、分からないことが多い情緒障害です。

■ 緘黙症の分類

緘黙症は、話すことができない場面をもとに、場面緘黙症(selective mutism)と全緘黙症(total mutism)に分類することができます。

◇ 場面緘黙症

学校など、特定の場面で話すことができません。しかし、家では何の問題もなく話すことができます。特に、幼稚園や小学校への入学をきっかけに問題化します。緘黙症の多くが、この症状だと言われています。

このサイトでは、この場面緘黙症をメインに扱います。なお、「選択性緘黙」「選択的緘黙」「選択緘黙」とも呼ばれています。

◇ 全緘黙症

重度の緘黙症で、あらゆる場面で話すことができません。非常に稀なケースです。

■ 場面緘黙症児の特徴

◇ いつも極端に緊張している

場面緘黙症児の多くは、学校などの特定の場面では、過度に緊張しています。社会不安障害の診断基準に当てはまるという研究結果も(Kristensen, 2000; Dummit et al., 1997; Black and Uhde, 1995)これを裏付けていると見ていいでしょう。

◇ 笑わない

「笑わない」というよりむしろ、「笑えない」と言った方が正確かもしれません。極度の緊張で、話すことだけでなく笑うことすらできなくなります。

◇ 首を使ったコミュニケーション

話せないので、首を使って意思表示をすることがあります。

◇ 自分に自信がない

場面緘黙症児は自分に自信がない傾向があると言われています。この傾向は社会不安障害の人とも重なります。

◇ 不登校はしない

場面緘黙症児は学校に出てくることが多いと昔から指摘されています(河井, 1994; 相場, 1989)。

しかし、近年専門家からは、緘黙症児は登校拒否になる可能性が高いという指摘も出ています(山本, 2005)。ネット上では、不登校の緘黙症児や経験者、その保護者を見かけることがあります。不登校は時代によって変わっており、近年でもかつて指摘されたように緘黙症児が不登校をしないとは限りません。

この問題については、統計的な調査が行われておらず、どの程度の割合の緘黙症児が不登校かは分かりません。






[緘黙] 私の通知表の中身 [ストーリー]

2007年11月21日(水曜日)

私の場面緘黙症人生の軌跡です。現在、小学5~6年生編です。

○ 前回の話⇒「こちら」
○ 緘黙ストーリーの目次⇒「こちら」
○ 緘黙ストーリーのあらすじ⇒「こちら」

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今回は、私の通知表の中身のお話をします。場面緘黙症の私は、担任のY先生からいったいどんな評価を受けていたのでしょうか?

まずは、「行動・性格のようす」からお話します。

■ 行動・性格のようす(先生からいただいたコメント)

[小5・2学期]

毎日、よく努力していると先生は思っています。真面目な態度は、みんなのお手本です。これからも頑張っていこうね。

[小5・3学期]

1年間、真面目によくがんばりました。体育でも、動きが良くなってきました。そろそろ、自分の思っていることをはっきりと言葉にして述べるようにしていこう。6年生になったらがんばろう。

[小6・1学期]

富条君も少しずつ強さが出てきたね。性格だから、急にはなおらないけど、たまにはふざけることもあってもいいよ。いつもいつも緊張していては、キツイから、たまにはどこかで息ぬきをしなくちゃ。

[小6・2学期]

真面目によく頑張りました。これからは、自分の本当の友達を作ることに、自分でも少し努力していこう。性格も、自分の○○(読めません)で、少しずつ○○(読めません)いけるよ。○○(読めません)そうだったんだもの。ものすごく内気で、人と話すことが大嫌いだったんだから。

[小6・3学期]

友だちをいっぱいつくって、楽しい中学生活をおくろうね!

※ Y先生、勝手に公開してすみません。なお、小5・1学期にはコメントがありませんでした。

私は学校ではよく真面目と言われていましたが(「学校に行くと、真面目になった!」参照)、先生も同様の評価をされていたことが分かります。私の緘黙・緘動については、先生は「性格」という表現を用いています。最後の2学期では友だち作りが強調されています。

■ 行動・性格のようす(評価項目別)

次に、具体的にどの項目で高い評価をいただいたかをご紹介します。