読売新聞(地域面)に、少しだけ緘黙のことが

2008年11月26日(水曜日)

11月23日の『読売新聞』地域面(神奈川県)に、場面緘黙症の子どもについて、軽くではありますが、触れている記事を発見しました。

「響き合う心願い込め 個別支援学級生らが あすハンドベル演奏会」という記事で、確認したのは YOMIURI ONLINE(『読売新聞』のウェブサイト)です。

記事へのリンクを貼りたいのですが、それは同サイトのリンクポリシーが認めていないので、リンクは貼れません(ご了承ください)。

場面緘黙症を主題にした記事ではなく、しかも地域限定の記事なのですが、それでも、新聞に「緘黙」の文字が載ることは珍しいのではないかと思います。

なお、『読売新聞』の地域面では、私が確認した限り、2007年5月9日にも「きょういく 小中学校編 支える教室<8>障害児学級の経験伝える」と題する記事の中で、緘黙について軽く触れられています(北海道。これも YOMIURI ONLINE で確認)。

地方紙を細かく探せば、緘黙の子を扱った記事は案外見つかるかもしれません。私の地元の新聞では、小学生がトイレ掃除をしたとか、身近なことに関する記事が、カラー写真付きで大きく載ることが少なくありません。こうした記事は、紙の新聞に掲載されても、ネット上でも配信されるとは限りません。ですから、私のようにネットで検索するだけでは、分からないわけです。もっとも、緘黙の子は目立つことが嫌いですから、あまり新聞で大きく取り上げられると困ってしまうかもしれません。


緘動か「カタトニア」か

2008年11月24日(月曜日)

このブログでは、時々緘黙症の論文を取り上げています。私は専門家ではないのですが、自分自身の勉強も兼ねて。

今回は、2007年12月に発表された、日本の新しい研究です。

◇ 桜井優子, 汐田まどか. (2007). 広汎性発達障害にカタトニアを合併したと考えられた全緘黙の思春期例. 小児の精神と神経, 47(4), 281-286.

■ 概要

初診時15歳の男児で、緘黙を主訴とした症例の事例研究です。全緘黙症で、広汎性発達障害が背景にあり、カタトニア様症状が見られます。

■ 考察

私なりに気づいたこと考えたことをまとめます。

◇ カタトニア

カタトニアについては、以下のリンク先のページに良い説明があります。

○ 「カタトニア」の説明別ウィンドウ
○ 別の「カタトニア」の説明別ウィンドウ

例えば、18段の階段を上るのに3時間かかってしまう子どもの例が報告されているそうです。






坂野雄二『無気力・引っ込み思案・緘黙』

2008年11月18日(火曜日)

本今回は、坂野雄二『無気力・引っ込み思案・緘黙』、黎明書房、1989年についてお話します。私は専門家でも何でもないのですが、私自身の勉強も兼ねて。

この本は、このブログをご覧の皆様の中にも、名前ぐらいは聞いたことがある、読んだことがある、という方がわりと多いのではないかと思います。

というのも、つい最近まで、緘黙症を大きく扱った書籍で入手が容易なものといえば、『場面緘黙児の心理と指導』と、今回の『無気力・引っ込み思案・緘黙』ぐらいしかなかったからです(体験記を除く)。また、自治体の図書館が時々所蔵していることがあり、緘黙症に関心のある方の間では、ある程度手に取られているものと思います。

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この本は182ページからなりますが、そのうち 72-118ページ(第2章)が、緘黙症に関する内容です。

その内容は、主に国内の先行研究をもとにした、緘黙症の概説です。「緘黙の心理」「緘黙の診断」「緘黙の指導」の3つの節から構成されています。

よくまとめられてあるので、緘黙症、特に場面緘黙症が国内で過去にどう研究されていたのかを簡単に知るには、有用だろうと思います。『場面緘黙児の心理と指導』にはないことも書かれてあります。

ただ、どうもこの本は臨床家向けのようです。例えば、緘黙のわが子にどう接すればよいかとか、緘黙を自力で克服するための方法とか、そうしたことは書かれてありません。このため、このブログの多くの読者の方には、あまり向かない本かもしれません。

なお、現在はもっと新しい研究成果に基づいた本や、より詳しい本が出ています。具体的には、『場面緘黙Q&A』『場面緘黙児への支援』、『場面緘黙児の心理と指導』です。私が保護者の方に何か1冊おすすめするとすれば、むしろこれらの本を挙げます。

今回の本では、緘黙以外にも、引っ込み思案や無気力など、目立たなくて見落とされがちな非社会的行動問題が正面から取り上げられており、その点を高く評価したいと思います(偉そうなこと書いて、スミマセン)。現在でも不登校、ひきこもり、ニートといった、目立つものはよく問題視されるのですが、引っ込み思案や緘黙などの目立たない行動問題は、いまだに見落とされがちなのではないでしょうか。

[関連ページ]

◇ 『無気力・引っ込み思案・緘黙』の詳細ページ場面緘黙症Journal 論文情報