情緒障害特別支援学級⇒自閉症・情緒障害特別支援学級

2009年03月30日(月曜日)

場面緘黙症とも関わりのある特別支援学級について、先月、新しい動きがあったようなので(緘黙関係者にとっては、小さな動きではないかと思うのですが)取り上げておきます。

「情緒障害特別支援学級」等の名称が「自閉症・情緒障害特別支援学級」に変わる等々の内容です。

文部科学省ホームページに全てが書かれてありますので、興味のある方は、以下のリンクをご覧下さい。

「情緒障害者」を対象とする特別支援学級の名称について(通知)
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このページに書かれてある「選択性かん黙」は、場面緘黙症と同じです。






「大丈夫!明けない夜はない」と言って良いかどうか

2009年03月24日(火曜日)

場面緘黙症で今悩んでいる子や、その保護者に、「大丈夫!明けない夜はないよ」等々の楽観的な言葉を言っていいものかどうか、最近私は迷うことがあります。

その子の緘黙がいつ治るか、後遺症は残るのか、将来の社会適応に問題がないのかどうか、そんなことは誰にも分かりません。「大丈夫」と言っても、そこには確かな根拠はないのです。根拠もなしに楽観的なことをあれこれ言うのは無責任ではないかと思うことがあります。大丈夫、大丈夫と言っていたのに、万一、その子が緘黙症状を引きずり、大人になっても後遺症で苦しむことになったら、どうしようかと考えてしまいます。

また、あまり緘黙の問題を楽観視してしまうと、悲観的な面に目が向かなくなってしまうのではないかという心配もあります。場面緘黙症は大人になっても必ずしも完治するとは限らず、中には、後遺症でその後も苦しむ人もいます。このように、緘黙とは長い付き合いになるかもしれないという覚悟が必要であることを伝えるのも大事ではないかと思えてきます。

ですが、「大丈夫」という言葉をかけて、安心してもらうとともに、希望を持ってもらうことも大事ではないかと思います。緘黙の子にしろ保護者にしろ、いたずらに不安を煽ると、悪い結果を招いてしまうのではないかとも思います。大人になる頃には既に場面緘黙症は治り、無事に社会生活を営んでいる人もたくさんいることは事実で、あまり悲観的にばかりなることもありません。

結局、「大丈夫」と言って良いかどうか、私にはよく分かりません。今のところは、その時その時で判断しようと思っています。

場面緘黙症の子どもは、一般に将来症状がどの程度改善するか、後遺症が残るのはどの程度の割合か等々のことが分かればいいのですが、その情報が乏しいです。場面緘黙症の予後の研究というのはありますが、これらは専門機関にかかったことのある緘黙症児の予後調査ばかりで、こうした専門家の前に現れることのない緘黙症児のその後についてはよく分かりません。その予後調査も、予後良好という調査結果もあれば、そうでないものもあり、評価は一定しません。本、雑誌、ネット等でも、楽観論と悲観論がない交ぜになっています。


緘黙児の保護者の負担

2009年03月19日(木曜日)

先月、「子どもが緘黙→母、仕事を辞める」という記事を書いたところ、たくさんの拍手をいただきました。

記事の中でお話したように、私には緘黙の子の子育てというものがどれほどの負担になるのか実際よく分からず、手探りの中書いた記事でした。

あれだけ多くの拍手をいただいたということは、もしかするとそれだけ多くの保護者の方が、緘黙の子の子育てを負担に感じていらっしゃるのかもしれないとも思うのですが、定かではありません。私には、いったいどういう方が、どういうお考えで拍手をくださったのか、分からないからです(ブログ拍手はそういう設定です)。

私個人は、緘黙をマイナスとばかり考えたくはありません。ですが、やはり緘黙の子を保護者がしっかり支援しようとすればするほど、それだけ負担は大きくなることは間違いないだろうと思います。また、支援以前に、子どもが場面緘黙症というだけでも、精神的な負担を感じる保護者の方もいらっしゃるだろうと思います。

一方で、保護者が持つ時間、体力、精神力、お金等々には限りがあります。保護者には、緘黙の子の支援以外にも、しなければならないことは山ほどあります。こうした中、保護者はいかに子育ての負担と向き合っていくのか、気になる問題です。

※ 「負担」という言葉にはネガティブな響きがあり、負担を負担と感じない元気な保護者の方がもしいらっしゃれば、そうした方には馴染まない言葉かもしれません。

■ 障害児の母親の負担に関する研究

緘黙の子が「障害(障碍)児」なのかどうかは別として、世の中には、障害を持った子どもの支援をしている保護者がたくさんいいます。こうした保護者が、子育ての負担にどう向き合っているのか知ると、何かヒントが得られるかもしれません。

例えば、須田真侑子、坂田周一両氏が著した論文「障害児の母親に対する支援」は、養護学校に通っている障害児の母親を対象にした研究ですが、緘黙の子を持つ母親の負担を考える上でも示唆するところがあると思います(須田, 坂田 2006)。

緘黙の子を持つ母親の負担についても、このような研究が行われないものだろうか、と思います。

「障害児の母親に対する支援」(PDFファイル、立教大学ウェブサイトです)
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↑ いきなり英文の Abstract なるものがありますが、本文は日本語で書かれてあります。論文ですので少し難しいですが、興味深い内容だと思います。

[文献]

◇ 須田真侑子, 坂田周一. (2006). 障害児の母親に対する支援. 立教大学コミュニティ福祉学部紀要, 8, 101-108.