日本の緘黙支援団体の活動成果が、雑誌に引用

2010年10月24日(日曜日)

児童心理 2010年 11月号 [雑誌]金子書房から出ている雑誌『児童心理』2010年11月号に、緘黙のことが書かれてあります。

大手門学院大学の中村このゆ教授による、「場面緘黙の子への援助」(91-95ページ)です。

その内容ですが、自己効力感という観点で書かれている点が特徴です。これは、今月号の『児童心理』が「自己効力感を育てる」をテーマに特集を組んでいる関係からでしょう。

私が特に興味深いと感じたのは、かんもくネットやかんもくの会といった、日本の緘黙支援団体の活動成果が、この小論の中に何度も引用されていることです。具体的には、『場面緘黙Q&A』やかんもくネットホームページ、さらには邦訳された『場面緘黙児への支援』や、緘黙シンポジウムの報告まで引用文献として挙げられています。全引用文献7件のうち4件は、緘黙支援団体関係のものです。

これらの多くは、過去にも専門家向け雑誌や学術雑誌で引用されたことはあります。しかし、これだけまとまって引用された例は、少なくとも私は見たことがありません。特に、緘黙シンポジウムの報告の引用は、少なくとも私は始めて見ました。

このほかにも、「選択性緘黙」ではなく「場面緘黙」という用語を採用するなど、緘黙支援団体の活動が反映されています。

『児童心理』は、大きめの書店であれば店頭に置いてある場合があります。中には、バックナンバーを置いてある書店もあります。また、インターネットででも購入できます。

この雑誌は、緘黙をたまに取り上げることがあり、私は少し注目しています。2004年7月には、『場面緘黙児の心理と指導』でお馴染みの河井英子武蔵丘短期大学教授が「言葉を出しにくい子--吃音・緘黙など」と題し、緘黙について数ページでまとめています。


子どもから直接話を聞きたいことがある

2010年10月19日(火曜日)

場面緘黙症についての個人ブログやコミュニティサイト等での投稿は、(元)当事者によるものと、その保護者によるものに大きく分けられます。

このうち(元)当事者の投稿には、私は、身につまされる思いで読むことが多いです。ですがその一方で、保護者の投稿については、それに比べるとやや感情移入できない悪い傾向が私にはあります。私はかつて緘黙とよく似た問題で悩まされましたが(診断は受けていないので、場面緘黙症かどうかは不明)、子育ての経験はないからかもしれません。

ですが、保護者の方のお話も、もちろん大事に拝読しています。自ら積極的に読むことも少なくありません。

ただ、私は、保護者のお話を拝読すればするほど、この方のお子さんはいったいどういう子だろうかと関心がわいてきます。そして、時には、直接お子さんからお話を聞きたいと思うことがあります。というのも、私は本人から直接話を聞いているわけではなく、保護者の方から間接的にお子さんの状況を伺っているに過ぎず、このあたりにじれったさを感じるからです(もちろん、保護者の視点からのお話もまた、大事です)。

直接お子さんがインターネット上に書き込みをしてくれると嬉しいのにな、などとつい考えてしまうことがあります。ですが、お子さんがある程度の年齢でない限り、もちろんそのようなことは難しいです。私も本気でこうしたことを期待しているわけではありません。ただ、漠然とこう夢想することがあるということです。これというのも、私が緘黙?の経験者だからなのかもしれません。


市町村児童家庭相談援助指針、児童相談所運営指針に緘黙が

2010年10月12日(火曜日)

子ども・家族の相談援助をするために―市町村児童家庭相談援助指針・児童相談所運営指針市町村は、児童及び妊産婦の福祉に関し、家庭その他からの相談に応じることとされています(児童福祉法第10条第3項)。

市町村が応じる具体的な相談の種類は「市町村児童家庭相談援助指針」で定められているのですが、この中には「緘黙」も含まれています。


↓ 厚生労働省HPへのリンクです。

「市町村児童家庭相談援助指針について」別添3をご覧ください。
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相談の種類は、養護相談、保健相談、障害相談、非行相談、育成相談に大きく分けられるのですが、そのうち育成相談の中の、性格行動相談の一つに、緘黙が挙げられています。

そういえば、最近の国内の緘黙関係文献に、地域の教育相談室で緘黙が主訴の事例があったと書かれているのを見たことがあります。よく分からないのですが、関係があるのでしょうか。※

また、児童相談所の運営指針にも同様の記載があります。

↓ 厚生労働省HPへのリンクです。

「児童相談所の運営指針について:図表」表-2をご覧ください。
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こうした公的機関が、緘黙の子どもの相談に対してどのように対応しているのか、今のところ私には分かりません。利用価値はどれほどあるのか気になります。いずれにせよ、厚生労働省の指針により、市町村や児童相談所は緘黙の相談を受け付けることとされているというお話でした。

※ ただし、佐川(2006)によると、各区市町村の教育委員会にある教育相談室では「『学校で話をしない』といった訴えから始まる相談」はほとんどなく、「たいてい、『学校を渋る』『友達とうまく遊べない』というような相談に付随して『おとなしい』『自己主張ができない』といったかたちで語られることが多い」のだそうです。