口の筋肉、表情筋を鍛える(緘黙をある程度克服できたら)

2011年09月27日(火曜日)

ある程度緘黙を克服した段階で問題になってくるのではないかと思うのが、顔の筋肉です。

話をするにも、口の筋肉を使います。この筋肉が十分に発達していないと、はっきり言葉を発音しにくくなります。ところが話をしないことが長年習慣になっていたら、口の筋肉の発達にも影響が出るのではないかと私などは思います。こうなると、やっと人前で声を出すことができるようになっても、口周りの筋肉が鍛えられていないため、言葉を話しても聞き取りにくいものになってしまいそうに思えます。

顔の表情にしてもそうです。場面緘黙症だと、人前で豊かな表情を作ることができない子もいます(ただし、そうでない子もいます)。こうした表情に乏しい顔で一日の長時間を過ごす生活を長年続けていると、表情筋の発達に影響が出てくるのではないかと私などは思います。こうなると、緘黙をある程度克服して、ようやく家の外で人とある程度会話をすることができるようになっても、豊かな表情を作ることができず、コミュニケーションに影響が出てくるのではないかと思えます。

こうした問題は、ある程度緘黙を克服した人にとって、人と話をする中で自然と解決できれば、それはそれでいいことだろうと思います。

ただ、そうはいかない場合、もしくはもっとてっとり早くなんとかしたい場合は、意識して顔の筋肉を鍛えるとよさそうです。口や舌の筋肉を鍛えたり、表情筋トレーニングをしたりといったことは、緘黙経験者でなくてもやっている人がいて(特に、美容の意識が高い女性がやっていそう)、専門の本も数多く出ていますし、インターネット上でも情報がたくさんあります。こうした情報が活用できそうです。かく言う私は、こうしたトレーニングは実践していません。面倒くさがりなもので、こんなことではいけません。まずは簡単なトレーニングからした方が続きやすそうで、それから初めてみてはどうかと考えているところです。


英議会で何度か緘黙が話題に

2011年09月20日(火曜日)

先月、「国会や地方議会で、緘黙が話題になったことがあるか」という記事を書きました。そこで、海外の議会ではどうかと思い、英語圏のいくつかの国の議会の議事録をインターネットで調べてみました。ですが、なかなか見つかりませんでした。緘黙が話題になっていないということかもしれませんが、単に私はものを調べるのが得意ではないということかもしれません。

ただ、イギリス議会に関してはいくつか見つかりました。面白いと思ったものを取り上げます。

■ 場面緘黙症に関する動議

調べたところ、イギリスの下院(庶民院)では、場面緘黙症に関する Early Day Motion(EDM)というものが、2008年に2回上程されています。

EDM は、早朝動議、時期尚早動議、緊急動議などと訳されるものです。審議される見込みはごく薄いものの、特定のテーマについて議員の見解を示すなどの目的で下院に出される動議のことだそうです。

2度上程された動議のいずれも、場面緘黙症の子どもが直面する困難を認めるとともに、緘黙の早期発見の重要性を認め、イギリスで展開された緘黙の啓発週間を歓迎する等々といったことが内容です。上程者は Mark Williams 議員(自民党;保守、労働のイギリス二大政党ではなく第三党)らです。動議に署名した議員の数は最初の動議が41名、二度目の動議が29名で、議員の所属政党は労働党、自民党、保守党ほかさまざまです。

もっとも、EDM は2007~2008年では、年に2,000以上も出ており、緘黙に関するものはそのうちの一つにすぎません。また、当時の下院は650議席ほどあったようで、その中で動議に署名した議員の割合は1割以下です(もっとも、他の EDM もだいたいこのぐらいしか署名は集まらないようです)。ただ、それでも緘黙に関するこうした動議が国会で出たことは画期的だろうと思います。また、超党派で支持が集まったことにも意義を感じます。

■ 場面緘黙症に関する質問

それから、2006年の6~7月には、当時下院議員だった Peter Soulsby 氏(労働党)が、教育技能大臣(Secretary of State for Education and Skills)に、場面緘黙症に関する質問を2回行っています。これも大きなことだろうと思います。


改正障害者基本法で発達障害が明記。緘黙は?

2011年09月13日(火曜日)

今年(平成23年、2011年)の8月5日に、改正障害者基本法が公布・施行(一部を除く)されました。

改正のポイントの一つは、この法律の対象に、発達障害が含まれることが明記されたことです。

[改正後の第二条]

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。
二 社会的障壁 障害がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。

[改正前の第二条]

(定義)
第二条 この法律において「障害者」とは、身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。

■ 場面緘黙症は、ここで言う「発達障害」に含まれるか、私には分からない

さて、ここで言う「発達障害」に、場面緘黙症は含まれるのでしょうか。

どうしてこのような問いを出すのかというと、場面緘黙症は、発達障害者支援法では、「発達障害」に含まれたからです(「緘黙は、発達障害者支援法の対象だった」参照)。また、障害者自立支援法でも、同様でした(「緘黙が、障害者自立支援法の対象に(18歳以上)」参照)。医学的には、緘黙は発達障害とは別物ではないかと私は思うのですが、法律上はこういう扱いです。

それで、今回の改正障害者基本法の発達障害に緘黙が含まれるかどうかですが、条文を読む限りはよく分かりません(私が法律に弱いだけかも知れませんが……)。そのほか色々と調べたのですが、やはり分からずじまいでした。かなり大事なことだろうと思うのですが、分からず、我ながら困ったものです。

[関連ページ]

◇ 障害者基本法の改正について(平成23年8月)
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