「教職員のための子どもの健康相談及び保健指導の手引」

2011年10月25日(火曜日)

2011年(平成23年)8月、つまり今年の8月に、文部科学省が「教職員のための子どもの健康相談及び保健指導の手引」というものを出しました。この手引の、保健室登校・不登校の解説の中で、場面緘黙症のことが触れられています。

↓ 文科省ホームページへのリンクです。111ページ(最後の方)に、緘黙について言及があります。PDFファイル(1.34MB)。PDFを閲覧するにはAcrobat Readerが必要です。Acrobat Readerはこちら(新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

教職員のための子どもの健康相談及び保健指導の手引
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↓ こちらは、文科省ホームページ、手引についての案内ページです。手引作成の背景や目次等がまとめられています。

教職員のための子どもの健康相談及び保健指導の手引
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これより2年半ほど前の2009(平成21)年3月にも、「教職員のための子どもの健康観察の方法と問題への対応」という似たような手引が文科省から出ているのですが、その全85ページの中で、緘黙について2ページほど割かれて解説されていました。今回は全112ページ中で1~3行程度と、以前のものに比べるとかなり控えめです。

不登校との関連が指摘されているのは、前回と同様です。この2つの手引を見ると、緘黙を背景とした不登校が、かなり意識されていると感じます。もちろんそれも大事ですが、不登校にならない緘黙にも注意が向けられて欲しいと思います。

[関連記事]

↓ 2009(平成21)年3月に出た「教職員のための子どもの健康観察の方法と問題への対応」などについて書いています。

◇ 文科省作成の教職員用資料に、緘黙が
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オバマ政権に嘆願

2011年10月18日(火曜日)

米ホワイトハウスのウェブサイトに "We The People" という嘆願ページがあるのですが、そこには、場面緘黙症についての嘆願もあります。2011年10月18日現在で400近くの署名が集まっています。

"We The People" は、オバマ政権が立ち上げた嘆願運動です。このウェブサイトを通じて、一定期間内に一定数の署名が集まると、政府はその嘆願を検討した上で、政府内のしかるべき政策立案者に嘆願を送り、公式な回答を返すことになっています。米国政府に嘆願を行う権利は、米国憲法修正第1条により保証されているそうです。

場面緘黙症についての署名ページへのリンクは以下のとおりです。

ホワイトハウス・場面緘黙症についての署名ページ
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嘆願のタイトルは "Fund research / make mandatory, training of ALL elementary school personnel on selective mutism.LET ALL KIDS BE HEARD!" というものです。

私は日ごろ英語を勉強しているくせに、このタイトルの意味がよく分からないのですが(お恥ずかしいです)、おそらく(1)場面緘黙症の研究に資金援助せよ、(2)全ての小学校教職員に場面緘黙症に関する必修の研修を受けさせよ、ということではないかなと思います。最後の一文 "LET ALL KIDS BE HEARD!" は、易しい英文ですが、情けないことに意味が分かりません。

この嘆願ページは2011年9月26日に開設されました。1ヵ月以内に5,000以上の署名を集める必要があるそうですが、冒頭でお話しした通り、現在の署名数は400近くです。緘黙という認知度の低いテーマで、5,000以上の署名を集めるのはなかなか大変そうです。

[追記]

9月26日から1ヵ月が過ぎ、現在のところ、上記署名ページがアクセスできない状態です。署名募集が打ち切られたものと見られます。(2011年10月28日)


10月は、場面緘黙症の啓発月間(海外ニュース)

2011年10月11日(火曜日)

"October is Selective Mutism Awareness Month"
(10月は、場面緘黙症の啓発月間です)

という一文を、英語圏の緘黙関係ウェブサイトで、見かけるようになりました。

この10月に、英語圏では、緘黙の経験者などが YouTobe や Facebook、Twitter といったツールを活用して、草の根で認知度を高めるための試みを行っています。また、Selective Mutism Network という支援団体は、緘黙啓発のグッズを50%オフで販売するなどの取り組みを行っています。

なぜ10月が緘黙の啓発月間なのか、それは誰が決めたのか、いつからそうなったのか、はっきりしたことは私は知りません。私がインターネットで見つけた啓発月間に関する最も古い情報は2009年のもので、少なくともその年には始まっていたようです。なお、似たような動きで、場面緘黙症啓発週間(Selective Mutism Awareness Week)という啓発運動が2008年の10月に行われていましたが、これとの関係も、私には分かりません。

アメリカ、イギリス、カナダでは、9月から学校が始まることが多いそうです。そうだとしたら、10月に緘黙の啓発月間を行うのは、よいタイミングではないかと思います。緘黙は様々なきっかけで起こりますが、学校など、新しい環境に入った場合に問題化することは多いです。緘黙の啓発活動を行うとすれば、このタイミングだろうと思います。早期発見、早期発見が重要ですから。とは言え、学校が始まる9月に啓発活動を行うのは、少し早すぎるだろうと思います。学校に入学して間もない頃、例えば入学当日やその翌日に話せなかった子に緘黙を疑うのは、早とちりのもとでしょう。アメリカ精神医学会の診断基準DSM-IV-TRでは、1ヵ月を目安にしています。ですから、学校が始まって1か月が経った10月に啓発発動を行うのが最適のように思えます。

そうすると、日本で啓発月間をやるとしたら、5月でしょうか。日本では4月入学ですから、その1か月後の5月が適しているように思えます。