ドイツの緘黙専門雑誌

2011年11月24日(木曜日)

ドイツには、緘黙症専門の雑誌があります。

↓ 注意:ドイツ語です。
雑誌のウェブサイトへのリンク新しいウィンドウで開く

雑誌のタイトルは、Mutismus.de -Fachzeitschrift für Mutismus-Therapie, Mutismus-Forschung und Selbsthilfe- と言います。日本語に訳すと(自信がないのですが)、Mutismus.de -緘黙の治療研究、セルフヘルプの雑誌-といったところでしょうか。

ドイツには Mutismus Selbsthilfe Deutschland e.V. という緘黙の支援団体があるのですが、その団体が発行しています。Mutismus.de という雑誌名も、同団体のウェブサイトのURLからとったものと見られます。また雑誌には、赤い楕円を背景に、人がMの字を引き裂いているようなイラストがありますが、これも支援団体のシンボルマークと同じものです。

発行頻度は年2回で、毎年4月と10月です(ひょっとしたら、多少ずれがあるかもしれません)。第1号は2009年4月のものです。最新号は第6号です。

同誌は、ドイツ語圏、ヨーロッパでは初の緘黙雑誌であると銘打っています。ですが、少なくとも私は、ヨーロッパ以外でも緘黙専門の雑誌が発行されたという話は聞いたことがありません(ニュースレター、メールマガジンの類は除く)。

この雑誌は、先の緘黙支援団体の会員でなくても購入できるようなのですが、残念ながら日本への発送は行っていません。

私も中身を読んだことがない雑誌ですが、上記ウェブサイトから窺うに、記事の執筆者には Boris Hartmann 氏のような専門家や緘黙児の保護者、経験者など、緘黙症に関係する様々な人が名前を連ねているようです。

ドイツは緘黙の大きな支援団体があったり、専門家がいたり、本が何冊も出版されたり、メディアでも結構大きく取り上げられたりと、緘黙児・者支援が充実している国の一つです。


米国の Section 504 に基づく緘黙児の教育支援

2011年11月17日(木曜日)

アメリカの場面緘黙症についての情報を集めていると、ときどき IDEA とか Section 504 といった言葉にぶつかります。IDEA とか Section 504 のどちらに基づいた教育支援を受けるのがよいかといったことが、アメリカの緘黙に関するいくつかのウェブサイトなどで解説されています。

そこで、このブログでは IDEA と Section 504 について、緘黙児支援の視点から簡単にまとめてみます。といっても私は専門家ではありませんが、私自身の勉強も兼ねて。

前回は IDEA について書いたので、今回は、いわゆる Section 504 についてです。IDEA との比較も行います。

■ Section 504 とは何か

Section 504とは、1973年のリハビリテーション法(Rehabilitation Act)504条のことです。連邦政府の資金を受けるプログラム等(公立学校含む)について、障害(障碍)者の差別を禁止する内容です。

↓ リハビリテーション法504条の条文。米国労働省へのリンクです。英語ページ。
Section 504, Rehabilitation Act of 1973
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■ 504プラン

Section 504 と言えば、特に話題になるのが、504プラン という教育計画です。504プランとは、Section 504 に基づき、障害を持った児童生徒に対して、個別のニーズに応じた教育を行う計画のことです。特別支援教育ではなく、通常の教育課程で行われます。これについては既に専門家が詳しく解説したページがあるので、詳しいお話はそちらに譲ります。

↓ 詳しい解説。
シカゴ在住のスクールサイコロジスによる、「学校教育相談室」
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■ 緘黙の子・人も、504プランの対象となる場合がある

緘黙の子・人も、Section 504 に基づく教育支援の対象となる場合があります。Section 504 で言うところの「障害」(disability)とは、「一つ以上の主たる生活活動を大幅に制限する、身体障害または精神障害」(a physical or mental impairment that substantially limits one or more major life activities)のことを意味しており、これに緘黙も該当する場合があると解釈されているようです。






米国の障害者教育法に基づく緘黙児の教育支援

2011年11月09日(水曜日)

アメリカの場面緘黙症についての情報を集めていると、ときどき IDEA とか Section 504 といった言葉にぶつかります。どうやら、アメリカの学校教育での緘黙児支援に関わる用語のようです。IDEA とか Section 504 のどちらに基づいた教育支援を受けるのがよいかとか、教育計画の作成にはどう臨めばよいかといったことが、アメリカの緘黙に関するいくつかのウェブサイトなどで解説されています。

そこで、このブログでは IDEA と Section 504 について、緘黙児支援の視点から簡単にまとめてみることにしました。といっても私は専門家ではありませんし、私たちに直接関係ない他国の教育制度の話をしてもどれだけ「拍手」をいただけるか疑問なのですが、私自身の勉強も兼ねて。

今回は、IDEA について書きます。

■ IDEA とは何か

IDEA は、Individuals with Disabilities Education Act の略で、障害(障碍)者教育法、個別障害者教育法などと訳されます。アメリカでは特別支援教育の柱となっている連邦法です。この法律に基づき、3~21歳の全ての障害児は、無償で適切な公教育を受けることができます。

IDEA については、既に分かりやすく簡単に解説したウェブページがあります。私があれこれ説明するよりこの弁護士による解説をご紹介した方がよほどいいと思うので、そうすることにします。

MtBook USリーガルサービス・教育法のページ
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↑ ページ前半「特殊教育のための特殊規定」が、IDEA の解説です。ページ後半「差別のない学校へ」は関係ありません。

■ 場面緘黙症は IDEA に基づく教育支援の対象になる場合がある

場面緘黙症は IDEA に基づく教育支援の対象になる場合があり、実際にこの教育サービスを受けている子どもたちがアメリカにはいます。IDEA は障害者教育の法律であり、場面緘黙症を「障害」とすることに納得がいかないという方もいらっしゃるかもしれませんが、この法律についてはこう解釈されるのが実際です。

実は IDEA が定める「障害」には、場面緘黙症は明記されていません。IDEA が列挙した障害は、精神遅滞、聴覚障害(難聴)、発語または言語の障害、視覚障害(失明含む)、重度の情緒障害、整形外科的障害、自閉症、外傷性脳損傷、その他の健康障害、特定学習障害、盲ろう、重複障害です。

ですが、緘黙児によっては、これらのどれかに該当するとみなされる場合があります。アメリカの場面緘黙症支援団体 SMG~CAN は、緘黙を「その他の健康障害」に分類されるという解釈をすすめています。また、SMG~CAN によると、「重度の情緒障害」や、「発語または言語の障害」に、緘黙児が該当するとされる場合があるそうです。