オックスフォード大出版局2冊目の緘黙の洋書

2013年01月29日(火曜日)

Treatment for Children With Selective Mutism: An Integrative Behavioral Approach (Programs That Work)以前お話しした、オックスフォード大学出版局から出た新しい緘黙の本(英語)を読んだ感想のようなものを書こうと思います。読み終えましたので。

本の題名は、 Treatment for Children With Selective Mutism: An Integrative Behavioral Approach です。訳すと、『場面緘黙児の治療:統合的行動療法的アプローチ』といったところでしょうか。

今年2013年に米国から出版されました。著者は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で Associate Clinical Professor(臨床助教?臨床准教授?)などを務める R. Lindsey Bergman という方です。緘黙の研究でも実績のある方です。

内容は、行動療法により緘黙児に介入を行うためのマニュアルです。対象とする緘黙児は主に4~8歳です。治療専門家向けに書かれてあります。行動療法の中身は、保護者や教師の協力を得て段階的に発話を促すもので、類書と比べて原理的なところは変わらないのではないかと思います。ただ、細かい手法や、何より治療専門家の視点から書かれている点に違いがあります。

実際に治療専門家がこれを読み活用してどう感じるかは、私の知る由もありません。ですが、分かりやすく、また使いやすく工夫されているのではないかと思います。例えば、セッションは全部で20回、各60分で、何回目のセッションで何をするべきかといったことかが具体的にまとめられてあります。また、支援の中で必要となる書類が予め多数用意され、読者はこれをコピーしさえすればよいようにされています。英文も平易で、内容もさほど読解が難しいことは書かれておらず、私のような非専門家が読んでも、いちおう書いてあることは理解できる程度です(以前お話しした t検定とか、そういうことが書いてあるのは最初だけです)。

この本で紹介されている方法を日本でそのまま行うことは必ずしもできないかもしれませんが、参考にはなるだろうとは思います。

[関連リンク]

↓ Google ブックスで、本の中身を一部読むことができます。
その中身新しいウィンドウで開く


緘黙は社会不安障害の特定用語になる?

2013年01月15日(火曜日)

2013年5月に予定されている米国精神医学会による精神疾患の診断基準の改訂により、場面緘黙症は、社交恐怖(社会不安障害)の特定用語に位置づけられる可能性があります。

※ 結局、特定用語にはなりませんでした。(2014年2月13日追記)

■ DSM について

米国精神医学会による精神疾患の診断・統計マニュアル DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)は、現在 DSM-IV-TR こと第4版改訂版が出ています。私は専門家ではないのでよく分からないのですが、日本でもよく引き合いに出されるもので、大きな影響力を持っているようです。

もちろん、緘黙の説明でもよく引用されていて、例えば、かんもくの会や、かんもくネットといった国内の代表的な緘黙支援団体のウェブサイトでも紹介されています。

■ DSM が今年改訂され、緘黙の位置づけが変わる?

この DSM の第5版 DSM-V が、2013年5月に公式発表される予定です。緘黙に関する記述もこれにあわせて書き換えられるものとみられています。

大きな変更点は、緘黙の位置づけです。DSM-IV-TR では、選択性緘黙(医学書院から出ている邦訳では場面緘黙症はこう訳されています)は「幼児期、小児期、または青年期の他の障害」に分類されています (American Psychiatric Association, 2000)。これが、社交恐怖(社会不安障害)の特定用語という位置づけに変更されると言われています。

まだ公表されていないものをどうして私がこう言えるのかというと、まず、DSM-V の公式サイトには、その草案が以前から載っていたからです(APA DSM-5)。また、ジョンズ・ホプキンス大学の assistant professor(助教?准教授?)の Courtney Keeton 氏は、2012年12月に開かれたウェビナーの中で、"In the coming year we have a revision of the DSM coming out. And this is where selective mutism is going to be reclassified and considered as a specifier of social anxiety disorder." などと述べています(Keeton, C)。ですが、慎重な性格の私はこれでも確証が持てないので、ここでは「可能性があります」という表現にとどめています。

ところで、特定用語とは何なのでしょうか。実は私にもよく分からないのですが、DSM-IV-TR の邦訳版では、「特定用語は、1つの疾患の中である病像を共有し、より均一性のある下位グループの者を定義する機会を与えるものである」などと書かれてあります。例えば、DSM-IV-TR で「社交恐怖(社会不安障害)」の項を見てみると、最後の方に「該当すれば特定せよ」という指示があり、さらにその下に「全般性 恐怖がほとんどの社会的状況に関連している場合」云々と記述されています (American Psychiatric Association, 2000)。緘黙もこういう扱いになるらしいです。おおざっぱにいうと、私は、緘黙は社交恐怖の下位グループになると解釈していますが、間違っているかもしれません。

■ 緘黙の概念については、これまでも議論があった






緘黙・新春インタビュー2013

2013年01月01日(火曜日)

お多福場面緘黙症Journal(SMJ)読者の皆様、明けましておめでとうございます!竜田竜子改め、蛇田蛇子です。お馴染み、場面緘黙症Journal の富条さんへのインタビューからです。富条さん、よろしくお願いします。


若侍よろしくお願いします。旧年中もなんとかSMJを続けて新年を迎えることができました。最近、いつまで続けられるか不安に思うことがあるのです。


お多福えっ、ネタが思いつかないということですか?



若侍それもありますが、加齢のためです。近頃めっきり齢をとったと感じてるんです。頭に白髪が増え、演歌に興味を持つようになってきました。


お多福それって、富条さんが子どもの頃からじゃありません?(ジジくさい子どもだった)その若さで、変なこと言いますね。


■ お便りコーナー!

お多福さて、今年は読者の皆様からお便りをいただいていますので、ご紹介したいと思います。


若侍えっ、お便り?把握していません。私の知らないところで何やってるんですか蛇子さん?


■ Twitter と Facebook のボタン

お多福まずは、山口県にお住いの児玉五郎右衛門さんからのお便りです。「富条さん、蛇田さん、新年おめでとうございます。質問があります。ブログの記事の最後にある『ツイート』とか『いいね!』のボタンが前から気になっていたのですが、使っていいんですか?」


若侍「ツイート」は Twitter、「いいね!」は Facebook のユーザーのために用意したものです。このボタンを利用されている方、あまりいないのでためらわれるかもしれませんが、どんどん使ってください。なお、「ツイート」ボタンは、私もよく利用しています。便利なので。