スクールソーシャルワーカーと緘黙児

2013年03月13日(水曜日)

以下の報告に、スクールソーシャルワーカーが関わった「中高以降期における場面緘黙児への支援」の事例が紹介されています。福島大学レポジトリへのリンクを貼ってあり、PDF 形式で報告を無料で読むことができます。

鈴木庸裕、土屋佳子(2013)「スクールソーシャルワーカー緊急派遣事業における実践と課題」『福島大学総合教育研究センター紀要』14,、23-32。http://ir.lib.fukushima-u.ac.jp/dspace/handle/10270/3742
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SSW については、下記のページの説明が分かりやすいです。福島県庁県南教育事務所のページへのリンクです。PDFファイル(188KB)。

スクールソーシャルワーカー (SSW)緊急派遣事業の状況
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上記報告は、スクールソーシャルワーカー(SSW)が緘黙の生徒への支援を行った事例を示し、考察した珍しいもので、SSW が緘黙児支援に果たす役割を考える上で勉強になりました。SSW の導入は比較的新たな施策で、緘黙児支援の活動事例の報告はまだほとんどないのではないかと思います(といっても、私は SSW については馴染みが薄く、よく分からないのですが……)。

「場面緘黙は SC の領域であり」(SC は、スクールカウンセラーのことです)と述べられていますが、緘黙の児童生徒への支援には学校、保護者、関係機関の連携が必要になってくる場面はあるでしょうし、特に中学や高校だと、緘黙の生徒と接する教師の数は学級担任に加えて教科担任まで数多くなりますから、報告のように、こうした面で SSW が果たす役割があるかもしれないと思います。

そのほか、興味深いと感じたことです。

○ 「担任に対しては、場面緘黙の当事者団体が発行する小冊子を渡し、関係する教職員と一緒に読んでもらうことにした」(16ページ)

かんもくネットの資料のことと思われます。どの程度かは分かりませんが、教育現場で実際に読まれているようです。

○ 「場面緘黙があると、単位取得に響き、途中で通信制等に進路を変更することも少なくないとのことで」(19ページ)

高校のことですが、このようなことが書かれてあります。確かに「緘黙 通信制 高校」などとネット検索すると、けっこうヒットはします。


場面緘黙症Tシャツ、ネックレス、キーホルダーほか(海外)

2013年03月05日(火曜日)

irregular(イレギュラー) Tシャツ I LOVE 栃木こういうのを「I LOVE Tシャツ」というのでしょうか。

「I (ハートマーク) 栃木」とか「I (ハートマーク)拉麺」とか「I (ハートマーク)ME」といった文字がプリントされたTシャツを着る人を、夏になると見かけることがあります。

Tシャツにプリントされた文字や文章は様々です。私が好きなある歌謡番組の公開放送では、若手女性演歌歌手の名前をプリントした 「○○○○ LOVE」という文字の入ったTシャツを着た客が画面に映り、熱心なファンだなと感じ入ったことがあります。

もともとこうした文字の入った各種Tシャツが販売されているほか、好きな文字を入れたオリジナルTシャツを作るサービスを行う業者があるようです。

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海外では、selective mutism(場面緘黙症の英語名)の文字が入ったTシャツが販売されています。

プリントされた文字は、"I support Selective Mutism Awareness" "Selective Mutism Awareness Break the Silence"といった、緘黙の認知度向上を訴えるものや、"I love someone who has Selective Mutism" なんて文字の入ったものまであります。

この種の商品は、Google ショッピングで "selective mutism" と検索すれば、Tシャツのほか、キーホルダー、マウスパッド、メモ帳、バッグ、ペンダントほか、ゴロゴロ出てきます。様々な文字の入った各種商品を取り扱っている業者がどうやらあるようです。単に "selective mutism" の文字を入れてみただけではないかと思われる商品もないではありません。

Google ショッピング "selective mutism" の検索結果
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日本では、「緘黙」の文字が入ったこの種の商品の存在は聞いたことがありません。ですが、オリジナルTシャツやキーホルダーなどを作るサービスを行っている業者があるので、例えば、「緘黙を知ってください」とプリントされたオリジナルTシャツを作るといったことならできるだろうと思います。もっとも、私にはそこまでする度胸は今のところありませんが……。

[関連リンク]

◇ smjournal.com の I LOVE Tシャツ
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5月の場面緘黙症啓発月間は中止

2013年03月02日(土曜日)

5月に予定していました場面緘黙症啓発月間は、中止することにしました。当面、米国精神医学会による DSM-V の改訂をめぐる動向を見守り、場合によっては10月に啓発月間を変更したいと思います。

協力を考えてくださっていた方、申し訳ありません!(いらっしゃったのか分かりませんが……)「いや、私は何がなんでも5月にする」という方がいらしたら、私は止めません。(いらっしゃるか分かりませんが……)

場面緘黙症啓発月間は、英語圏でネット上で行われている Selective Mutism Awareness Month に影響を受けて私が勝手に言い出したものです。

英語圏では10月が啓発月間なのですが、私は日本の事情を考慮して、昨年は5月に開催しました。日本では4月に新学期が始まりますが、緘黙はこの時期に問題化することが多いからです。ですが、4月に啓発月間を開くのは早すぎると考え、その1か月後の5月としてきました。米国精神医学会による DSM-IV-TR (Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders の第4版改訂版)では、選択性緘黙の診断基準の要件の一つに、症状が1か月以上持続することを挙げていたからです。

ところが、今年5月に DSM の改訂版 DSM-V が公式発表される予定です。この改定により、選択性緘黙の定義が変わり、診断基準の一つである症状の持続期間が6か月以上になるかもしれないと言われています。そこで、今年は DSM 改訂をめぐる動向を見守ることにします。

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