今年5月の、場面緘黙症啓発月間

更新日:2017年11月08日(投稿日:2014年03月12日)
アイキャッチ画像。春の麗かな日差しを受ける白梅。写真素材サイトPAKUTASOより。

場面緘黙症啓発月間


今年の5月は場面緘黙症啓発月間と銘打って、場面緘黙症Journal として緘黙の啓発活動を行おうと考えています。

場面緘黙症啓発月間は、海外の一部緘黙関係者の間で行われている Selective Mutism Awareness Month にならって、私が一昨年に言い出したものです。まだ定着はしていません。

海外では啓発月間は10月に設定されているのですが、私は5月としています。その理由は、日本では4月に新学期が始まることを考慮したからです。緘黙は入学や進級に問題化しやすいので。ただ、4月に啓発活動を行うと、単に新しい環境に慣れていなくて話せないだけの児童生徒が緘黙と混同される恐れがあるので、5月に設定しました。

ただ、本当に5月でよいのか、私自身迷いもあります。もう少し待った方がよいのではないかとか、海外で10月が International Selective Mutism Awareness Month と呼び掛けられているので、これに呼応して10月にした方がよいのではないかとか、今でも考えることがあります。だいたい、5月上旬には大型連休があるのでタイミングもあまりよくありません。

いずれにせよ、大事なことは、戦略的に啓発活動を行うことだろうと思います。5月以外の月の方がよいとか、啓発月間よりも啓発デーの方がよいということになれば、こだわりません。ですが、今のところは5月開催の方針で考えています。

ポッドキャストに挑戦?


今年は啓発月間に合わせて、ポッドキャストに挑戦してみようかと考えているところです。ポッドキャストは、インターネットで聴けるラジオ番組のようなものです。目立つことをして啓発月間を訴えるとともに、緘黙に関心の薄い姉妹ブログ(緘黙以外をテーマにしたブログ)の閲覧者の注意を引こうという狙いです。

ポッドキャストを思い立ったのは、昨年、「Okinawa 緘黙当事者の会 ninny」の方がインターネットにてラジオ放送をされたことによります。

↓ ラジオ放送された、ゆかおる。さんのブログです。
緘黙なのに、ラジオ始めます!
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計画では、私が制作したポッドキャストの mp3 ファイルを、場面緘黙症Journal や iTunes ストアなどで公開したり、場合によっては動画化して YouTube などで公開したりすることを考えています。ポッドキャストは啓発月間の期間中、数回にわたって更新を行います。ポッドキャストはパソコンはもちろん、スマートフォンやタブレット端末などでもオンデマンドで聴くことができます。

今日までにポッドキャストのテスト収録と、音声ファイルの編集作業を行ったところです。内容の水準はともかく、ポッドキャストのための音声ファイルを作ることは、今の私でも技術的になんとか可能だということを確認しました。

ポッドキャストは緘黙についての内容にするつもりですが、それにしても私のようなおっさんの話し声なんか流して、何になるのかという思いもあります……。5月までにはまだ時間がありますし、ポッドキャスト計画は変更する可能性もなきにしもあらずです!

緘黙症用語集、大幅加筆中!

更新日:2017年11月08日(投稿日:2014年03月08日)
アイキャッチ画像。中学生。

用語集コーナー独立


「緘黙基礎知識」内のコーナー「用語集」を独立しました。PC、スマホ用ページでお馴染み、緑のナビゲーションバー(ページ上部の「ブログ 掲示板 基礎知識……」と並んでるもの)に、「用語集」を加えています。

◇ 用語集トップ
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ナビゲーションバーにあった「リンク」のコーナーは、「その他」コーナーに移しました。リンク集が目立たないところに移動してしまったので、その一部は、ブログ(パソコン版)のサイドバーに移し、少しでも目につくようにしました。

各用語の詳細ページを作っています


また、各用語に詳細ページを設け、より詳しい説明を読むことができるようにしているところです。現在のところ、「あ行」と「か行」の用語に詳細ページを用意しています。

◇ 例。「緘黙症」の詳細ページ
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詳細ページは、各用語の説明の最後にある "⇒「○○○」の詳細を読む" のリンクをクリックすると読むことができます。主な内容は私の「コメント」で、ひょっとしたら何かのお役に立てるかもしれない追加情報が書かれてある場合もあれば、とるに足りない私の主観のようなものが書かれてある場合もあります。

お断り


用語集では、団体名や個人名などを勝手に載せている場合があるのですが、関係する方にご迷惑だったとしたら申し訳ない思いです。問題があれば削除いたします。

ただし、個人名については、説明文の中では載せていますが、独立した項目にはしないことにしています。例えば「かんもくネット」の項目はあっても、「角田圭子」といった個人名の項目は作ってはいません。

なお、これらは、現在のところ、パソコン、スマートフォンでご覧になれます。携帯電話については、従来通りです。フィーチャーフォンユーザーの方、ごめんなさい。

緘黙児への短期集中型行動療法(後編)

更新日:2019年09月02日(投稿日:2014年03月05日)
アイキャッチ画像。写真素材サイト PAKUTASO より。
緘黙児への短期集中型行動療法(前編)」の続きの記事です。

おさらい


Brave Buddies は、米国の民間機関 Child Mind Institute による、場面緘黙症の集中プログラムです。

緘黙児を多数集め、緘黙児にとって安全な環境の模擬教室を設定し、そこで発話を促します。 定員は12人で、1対1でカウンセラーがつきます。 1週間のプログラムと1日のプログラムがあります。

Brave Buddies の効果は


Brave Buddies が緘黙児の発話にどれほど効果があるのかは、確かな報告を読んだことがないので私には分かりません。

Edson ら(2012)は、Brave Buddies については現在のところランダム化比較試験が行われておらず、研究結果についての報告はないとしています。

Kotrba(2010)は、ニュースレターの中で、認知行動療法と Brave Buddies の両方の治療を受けた緘黙児のグループは、認知行動療法のみのグループに比べて6か月後の予後が有意に良かったとしています。ですが、この研究の引用元や詳細が示されておらず、一次情報がつかめない私にはもうひとつ判断ができません。

Barlow ら(2014)は、Brave Buddies とよく似たボストン大学の Brave Buddies Camp(後述)では、参加した緘黙児15人のうち80%が、2年後のフォローアップで、発話を始めたり、speech productivity(どう訳せばよいかよく分かりません)を維持したりするのに成功したとする研究結果を引用しています。ですが、これもまた一次情報がつかめない私にはもうひとつ判断ができません。

広がる Brave Buddies


この Brave Buddies に影響を受けた支援者がいて、オークブルック(シカゴ郊外)やボストン、アナーバー(ミシガン州)でも、Child Mind Institute とは別に、これとよく似た、緘黙児への短期集中型集団プログラムが行われています。このうちボストンは、米国の名門大学のひとつボストン大学によるものです。

オークブルック(Selective Mutism Adventure Camp)
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ボストン(BU Brave Buddies Camp)
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アナーバー(Confident Kids Camp)
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