アイキャッチ画像1周年

2014年06月29日(日曜日)

アイキャッチ画像。
日本の緘黙サイトの歴史が始まって15年ほどが経ちますが、トップページに人物写真を大きく載せたサイトは、ここ以外にあまりないのではないかと思います。場面緘黙症Journal はトップページを立ち上げた2006年当初から、長らく親子の人物写真を使っていました(だからといって、別にすごいわけではないのですが……)。

そのトップページは昨年リニューアルしましたが、人物写真を使うという伝統?は発展させ、新たにスライダー(画像のスライドショー)を導入しています。

その後まもなく、トップページのスライダー画像をブログのアイキャッチ画像としても使うことにしました。アイキャッチ画像とは、例えばこの記事の場合、セーラー服の高校生女子が、口に手を当てて笑みを浮かべている冒頭の画像のことです。ただし、従来型携帯電話の方は、「画像」とだけしか表示されません。

このアイキャッチ画像の本格的な導入により、様々な人物写真がブログ上にも載るようになりましたが(時々、風景写真などが載ることもあります)、それから近く丸1年になります。

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アイキャッチ画像は、私が独自に購入した写真素材集や、インターネット上の写真素材サイトから選んでいます。写真素材サイトでは、特に PAKUTASO というサイトによくお世話になっています。

その中でも、記事のイメージに近いものや、季節に合ったものの中から採用しています。少女や女性の写真を使うことがやはり多いです。

中高校生の写真素材を使うことがあるのが、場面緘黙症Journal ならではの特徴です。緘黙は小学生ぐらいの子どもだけの問題ではないという問題意識によります。海外の緘黙サイトでは人物写真を使うところを見かけることもあるのですが、中高生の人物写真は珍しいです。

私が画像を使う上で気にしているのが、ファイルサイズです。ファイルサイズが大きい画像の方が綺麗なのですが、反面、読み込みが遅くなってしまいます。特に最近はスマートフォンでご覧になる方が多く、3G回線での閲覧を考えると、あまり重過ぎる画像は使いづらいです。私がアイキャッチで使う画像のファイルサイズは、30KB 前後にしているのですが、この大きさでよいのか、今でも悩んでいます。

パソコン版ブログ右サイドバー「最近の記事」のアイキャッチ画像については、広告の画像が紛れ込むことがあります。これは稀にしか起きない現象で、広告を見た方はラッキーかもしれません(?)。

写真素材、特に人物写真の活用は場面緘黙症Journal の特色であり、また伝統でもあるので、これからも何らかのかたちで続けていく方針です。


緘黙の海外絵本 Sophie's Story

2014年06月27日(金曜日)

アイキャッチ画像。写真素材サイト「モデルピース」より。モデルは藤浦真菜さん。
今回は Sophie's Story: A Guide to Selective Mutism という、場面緘黙症の絵本(洋書)についてです。関連書籍コーナーで紹介している本ですので、ここで少し詳しくお話したいと思います。

※ 関連書籍・Kindle編 PC版新しいウィンドウで開く
※ 関連書籍・Kindle編 スマートフォン版新しいウィンドウで開く

この本は、発行地の米国でもあまり知られていないようです。2007年から発売を行っていた Amazon.com では、いまだに誰もレビューをしていません。こうした本には、私はかえって惹かれます。

基本情報


作者は Vera Joff 氏という方で、博士号を持つ米国の認定心理学者です。緘黙についても詳しく、米国最大の緘黙支援団体 Selective Mutism Group のメンバーでもあります。このほか、Monica Iachan 氏という方が編集を、Margaret Scott 氏という方がイラストを担当しています。

※ Vera Joff 氏公式サイト新しいウィンドウで開く

ページ数はペーパーバック版だと24ページだそうで、絵本とあってそう長くはありません。

本書はもともと2007年に米国でペーパーバックが発売されたのですが、日本では扱われていない本でした。2014年5月に Kindle 化(電子書籍化)したことに伴い、初めて日本の書籍サイトから購入できるようになりました。現在のところ、Amazon.co.jp がこれを扱っています。

内容


絵本のストーリーは、緘黙少女 Sophie の視点から描かれたもので、緘黙児がどういうことを経験しているのか、どういうことに困っているのか、どういう思いをしているのかといったことが分かる内容です。専門家が、当事者の視点からフィクションのストーリーを書くのは興味深いです。

緘黙への理解を促す内容ですが、易しく、米国だと子どもから大人まで読めそうです(作者によると、子ども、親、教師を対象とした本だそうです)。日本人なら、高校卒業レベルの英文読解力があれば、読むことができるかもしれません。

巻末に、親と教師向けを対象に、緘黙児を支援する方法が少々(ペーパーバック版だと数ページほど?)まとめられています。

本書では、緘黙は社会的コミュニケーション不安障害(Social Communication Anxiety Disorder)と位置づけられ、緘黙児は単に学校で話すことに困難を抱えるだけでなく、家庭以外の場面で不安を抱えるとされていますが、これは、米国の有名な緘黙専門家 Elisa Shipon-Blum 氏と同じ考え方です。

感想


Sophie's Story: A Guide to Selective Mutismあまり知られていない本ですが、類書と比べてそれほど悪い本とは思えません。英語圏で緘黙を知らない人(特に子ども)に、緘黙のことを知ってもらうのに役立つ本の一つかもしれません。

緘黙を理解してもらうために「緘黙は、特定場面で長期間にわたって声が出ないもので……」と一般的な説明をするのも必要なことですが、このようにフィクション、ノンフィクション問わず、緘黙児・者の経験を伝えたり、実例を交えて伝えたりするのも分かりやすい方法だろうと思います。絵本といえば、日本にも『なっちゃんの声』があります。

私も、5月の場面緘黙症啓発月間では、自分が学校で話せなかった頃のことを適度な短さにまとめて、それを読んでもらうことにより緘黙の理解を促そうと考えたことがあります。ですが、私は緘黙の診断を受けていない「緘黙?」にすぎないので、やめておきました。

[関連ページ]

↓ 今回のアイキャッチ画像の女性、藤浦真菜さんのブログ。とても綺麗な方です。

◇ 藤浦真菜のManamanasブログ【モデル・藤浦真菜】新しいウィンドウで開く

藤浦さんの写真素材をこのブログで使うのはもう3度目です。「特選記事」でも1度使ったことがあります。偶然とか、流れとか、色々なことが重なって、気がつくと何度も使っていました。ここまでくると、「このモデルさん、もうすっかりお馴染みやわ~」と思われるぐらい繰り返し使ってみたくなってきます。

緘黙児は何人いるのか

2014年06月22日(日曜日)

アイキャッチ画像。

18歳未満で緘黙の人は何人


緘黙症の人口は日本に24万人、世界に1200万人!
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↑ かんもくの会代表・弥生桜さんのブログ「ほんとうは暖かい光が好き ~場面緘黙症との闘い」へのリンクです。

この24万人や1,200万人という数字は、緘黙は1,000人中2人ぐらいに発症すると仮定し、人口をもとに単純計算したものです。現当事者だけでなく、元当事者も含めている点に注意が必要です。

では、緘黙の現当事者は全国にどれぐらいいるのでしょうか。私なりの方法で、大雑把にですが推計してみたいと思います。といっても、その方法は弥生桜さんのものを踏襲し、緘黙の発症率と人口を手掛かりにします。ただし、今回はとある理由で(後述)18歳未満に絞って推計しています。

緘黙の発症率は?


緘黙はどれほどの割合で発症するのかについては、様々な調査があります。その中でも特に有力そうなものとして、厚生労働省が全国の18歳未満の児童のいる世帯を抽出して行った「全国家庭児童調査」を挙げたいと思います。この調査では、 1994年の調査で0.4%、1989年で0.2%の割合で緘黙が確認されています。20年以上前の少し古い調査結果ですが、もっと新しくて有力そうなものを聞いたことがないので、仕方がありません。

なお、『場面緘黙Q&A』には「日本のこれまでの調査では 0.2~0.5%くらい」と書かれており、この数字は今日よく引用されています。また、『場面緘黙児の心理と指導』では、1959~1980年までの国内の研究が総括され、 緘黙の発生率は「子ども1,000人に対して2、3人の割合で存在」という一つの答えが見出されています。「全国家庭児童調査」の0.2%や0.4%という数字はこれに近く、推計として使うには無難そうでもあります。

18歳未満人口は?


私は緘黙は大人にもあると思うのですが、とりあえずは18歳未満の緘黙児をざっと推計してみることにします。なぜ18歳未満に絞るのかというと、ここでは緘黙人口を「全国家庭児童調査」をもとに推計したいと思うのですが、この調査は18歳未満を対象としているからです。

総務省「人口推計」によると、2013年10月1日現在の18歳未満人口(0~2歳は除く)は、16,816千人です。

18歳未満だけでも、緘黙はざっと3~7万人?


「全国家庭児童調査」より緘黙の発症率が0.2~0.4%、18歳未満人口(0~2歳は除く)は16,816千人とすると、単純計算で、18歳未満の緘黙児は33~67千人です。かなり大雑把に言うと、ざっと3万人から7万人といったところでしょうか。

私の実感よりも多い、埋もれている緘黙児が多いから?


大雑把な数字とはいえ、18歳未満だけでも万単位の緘黙児がいるという結果は、ネット上で緘黙に関する活動を行っている私の実感よりも多いです。

もちろん、全ての緘黙当事者やその保護者が、こまめにネットで緘黙の情報を収集したり発信したりといったことをすることはないでしょう。そうだとしても、緘黙関係サイトにももう少しアクセス数が多くてもいいような気もしますし、ブログや Twitter、SNS などで、緘黙に関するやり取りがもう少し活発であってもいいような気もします。

それだけ緘黙が認知されず、埋もれている緘黙児が多いのだろうかとも思うのですが、定かではありません。

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