緘黙の歌を収録したアルバムが、全国発売

2015年02月26日(木曜日)

アイキャッチ画像。写真素材サイト photo AC より。
場面緘黙症を経験した manana(マナナ)さんというシンガー・ソング・ライターがいらっしゃるのですが、この manana さんのアルバムが、今年1月に全国の流通に乗って発売されていたことを知りました。アルバムの中には、緘黙だった頃のことを振り返った歌も収録されています。

「自分の音楽の原点は、子供の頃のかんもく症」


manana さんは、アコースティックギター弾き語りの女性シンガーソングライターです(冒頭の画像は manana さんと無関係です)。「自分の音楽の原点は、子供の頃のかんもく症にあります」と、公式サイトのプロフィールページには書かれてあります。

※ manana さん公式サイト
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1st アルバム『FLY TO YOU』と2nd ミニアルバム『SANCTUARY』


FLY TO YOUmanana さんは2013年に完全自主制作の 1st アルバム『FLY TO YOU』を、翌2014年には 2nd ミニアルバム『SANCTUARY』をインディーズでリリースされたのですが、今年2015年に入って、この2枚のアルバムが全国の流通網に乗ることになりました。今年1月に、タワーレコードの関東の一部実店舗や タワーレコードオンライン、Amazon.co.jp 、iTunes でアルバムや楽曲の販売がスタートしたそうです(iTunes だと、1曲単位での購入も可能)。

この2枚のアルバムは、音楽情報誌『CD Journal』3月号(最新号)で紹介されました(128ページ左上)。小さいスペースでのレビューですが、この中では manana さんが緘黙だったことについても触れられています。音楽情報誌に「緘黙症」の文字が載ったわけですが、これは極めて珍しいことではないかと思います。少なくとも私は聞いたことがありません。

2枚のアルバムのうち、1st アルバム『FLY TO YOU』には、manana さんが緘黙だった頃のことを振り返った歌 "When I was a child" が収録されています。この歌については、manana さんのブログに詳しく書かれてあります。

↓ manana さんのブログへのリンクです。
※ #07 When I was a child - セルフライナーノーツ
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SANCTUARYmanana さんは、最近のブログ記事の中でも緘黙について書かれています。2nd ミニアルバム『SANCTUARY』収録の「ノアの方舟」という歌も、緘黙経験と関係があるそうです。

※ 「ノアの方舟」セルフライナーノーツ♪
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manana さんの歌声はネットでも聴けます


manana さんのアルバムに収録された歌は、Amazon.co.jp ほかオンラインショップで試聴ができます。また、manana さんは YouTube にご自身の歌の動画を多数公開されています。

↓ Amazon.co.jp アソシエイトリンクです。リンク先ページでは試聴ができます。
※ 1st アルバム『FLY TO YOU』 (新しいウィンドウで開く
※ 2nd ミニアルバム『SANCTUARY』 (新しいウィンドウで開く

↓ YouTube へのリンクです。
※ manana さんの動画ページ (新しいウィンドウで開く

manana さんは川崎市など関東中心でライブを行なっています。私は遠方に住んでいるためライブには行けませんが、遠くからエールをお送りしたいです。

緘黙の、様々な分類

2015年02月24日(火曜日)

アイキャッチ画像。

マギー・ジョンソン氏によるという五分類


1 場面かんもく傾向
2 純粋な場面かんもく
3 言葉に苦手がある場面かんもく
4 複合的場面かんもく(発達的問題や心理的問題の合併)
5 遅発発症の場面かんもく(学校での孤立やいじめによる発症が多い)

らせんゆむ著、かんもくネット解説(2015)『私はかんもくガール - しゃべりたいのにしゃべれない場面緘黙症のなんかおかしな日常 - 』合同出版、55ページより。

この分類は、英国で緘黙支援の第一人者とされる、スピーチセラピストのマギー・ジョンソン(Maggie Johnson)氏によるものだそうです。

この分類、最近ときどき目にします。昨年12月に開かれた緘黙支援団体「かんもくネット」主催の場面緘黙シンポジウムで配布された資料の中でも、この分類が紹介されたそうです。

↓ 「チョコぶろぐ ☆場面緘黙sun日記☆」へのリンクです。
※  場面緘黙シンポジウムに参加しました
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私は英語圏の緘黙の情報を普段から集めているのですが、不勉強ゆえか、このマギー・ジョンソン氏の分類を直接確認したことがありません。引用というかたちで紹介されたものは日本の読み物で何度も見ているのですが、単に「マギー・ジョンソンさんの分類」などとして引用されたものしか見たことがなく、この分類の詳しい出所さえ今のところ分かりません。

※ 誰か、詳しい出所を示して引用して欲しいです……。どこどこの本や雑誌やウェブサイトに書いてあったとか。こういう専門的なもので、出所不詳の情報が出回るのはよくありません。それとも、出版物やウェブ媒体には載っておらず、ワークショップなどで示された分類?

ですから、別にこの分類を疑うわけではないのですが、一体全体どういう分類なのだろう、どうやってこういう分類に至ったのだろう、謎だと思っているところです。

とはいえ、興味深い分類ではあります。緘黙とは診断されないグループも分類に含まれています。日本では緘黙と広汎性発達障害を併せ持つ場合が多いのではないかという声があったので(角田、2009)、それなら、発達的問題も含めたこの分類が日本で引用されるのは分かるような気もします。

英国の緘黙支援マニュアルによる三分類


マギー・ジョンソン氏と言えば、別の方との共著の中で、次の三分類が示されたことがあります。この三分類なら、直接確認しています。

1 「純粋」な場面緘黙症('pure' selective mutism)
2 発話、言語障害がある場面緘黙症(selective mutism with speech and language impairment)
3 「複合的な」場面緘黙症('complex' selective mutism)

Johnson, M. and Wintgens, A. (2001). The Selective Mutism Resource Manual. Milton Keynes: Speechmark Publishing, 195-196ページより。

この分類は、英国では緘黙支援のバイブルとされる治療専門家向けマニュアルの中で示されたものです。このマニュアルによると、緘黙児のタイプによって支援の道筋が違い、その道筋は主に上記の3つに分かれるとのことです。

著者の臨床経験をもとにした、緘黙児支援の観点からの分類と思われます。私などは、これは緘黙児の分類ではなく、緘黙児支援の方法の分類と解釈しています。

この三分類は、冒頭で取り上げた緘黙の五分類とよく似ています。この三分類に「場面かんもく傾向」と「遅発発症の場面かんもく」を加えたら、冒頭の五分類になるようにも思えます。

なお、最近英国で Tackling Selective Mutism という、緘黙を扱った本格的な本が出版されたのですが、この本では上記の三分類の方が引用されています。

米国の三分類


英語圏で見かける緘黙の分類と言えば、米国の研究者らによる次の分類も挙げられます。





富山の新聞テレビ欄に、緘黙

2015年02月18日(水曜日)

アイキャッチ画像。写真素材サイト Photo AC より。
NHK 富山放送局による夕方6時台の TV 番組「ニュース 富山人」で、場面緘黙症のリポートがなされたそうです。本日2月18日(水)のことです。緘黙支援団体「かんもくネット」などが伝えています。

なお、私はこの番組を見ておらず、番組内容も知りません。

※ かんもくネット Facebook ページへのリンク
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※ Yahoo! TV による番組情報
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この緘黙のリポートについては、地元新聞の番組表に紹介文(といえばいいのかな?)が載りました。『富山新聞』朝刊で確認したところ、「ニュース 富山人」は、番組表では4行にわたって紹介スペースが設けられていて、そのうち後半2行に「人の前で話せない!"場面かん黙"知って」と書かれてありました(「情報筋」による)。おそらく他ではまだ伝えられていない情報ではないかと思うので、ここで書いておきます。

富山県にはほかにも『北日本新聞』(こちらの方が部数が多い)などがあるのですが、他紙については今のところ分かりません。情報が入り次第、追記いたします。

[追記(2015年2月19日)]

『北日本新聞』でも確認しました(「情報筋」による)。


番組で取り上げられたかんもくネット会員さんについては、人づてにお話を窺ったことがあります。素晴らしい特技をお持ちだそうです。緘黙関連のイベントに参加されたこともあるそうなので、会ったことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

緘黙については、地域によってある程度メディアで取り上げられたり、イベントが開かれたりするところもあれば、そうしたことが全くない地域もあります。富山県では最近でも『北日本新聞』で「場面緘黙について考える会 富山」について何度も取り上げられており、メディアでは扱われている方だろうと思います。ですが、そうしたことに恵まれない地域もあります。先日、私が「緘黙マップ」というページを作ったのも、そうした地域差に気付いたことがきっかけです。

[関連ページ]

◇ 緘黙マップ (新しいウィンドウで開く