『先生とできる場面緘黙の子どもの支援』4月20日頃発売

2015年03月26日(木曜日)

アイキャッチ画像。
場面緘黙症に関する新しい本が、4月20日頃に発売される予定です。

その本は、『先生とできる場面緘黙の子どもの支援』という翻訳書です。行動理論に基づいた緘黙児への支援法を示した本とみられますが、類書とは違いもあるようです。

著者は、ネバダ大学ラスベガス校の心理学教授、クリストファー・A・カーニー(Christopher A. Kearney, Ph.D.)氏です。監訳には大石幸二氏(立教大学現代心理学部教授)があたり、翻訳は複数の人が分担して行なっているようです。

出版社は、『場面緘黙Q&A』や『どうして声が出ないの?』など、緘黙に関する本を出版してきたことでもお馴染みの、学苑社です。各種オンライン書店のページには4月20日という日付が出ていて、これが発売日かもしれませんが、こうしたページに載っている発売日の情報は実際とは異なることもあり、私には確かなことが分かりません。

今回の翻訳書の原書は、オックスフォード大学出版局から2010年に出た米国の本 Helping Children with Selective Mutism and Their Parents - A Guide for School-Based Professionals - です。原書の題名をそのまま訳すと『場面緘黙児と親への支援-学校に基礎を置く専門家向けガイド-』ですが、翻訳書の題名は、これとはかなり違ったものです。

この本の出版は、2014年に刊行された『親子でできる引っ込み思案な子どもの支援』という本の中で、既に予告されていました。『親子でできる~』も出版社は学苑社、著者はカーニー氏、監訳に大石氏、原書の出版社はオックスフォード大学出版局、加えて、本の題名と表紙のデザインまで両者は似ていて、共通点が多いです。二つの本は姉妹書のような位置づけかもしれません。

先生とできる場面緘黙の子どもの支援私は原書は既に読んだのですが、4月20日?発売予定のこの翻訳書は、もちろんまだです。翻訳書が出版され、私がそれを読み次第、またこのブログで取り上げるかもしれません。

↓ 学苑社ホームページへのリンクです。
◇ 『先生とできる場面緘黙の子どもの支援』 (新しいウィンドウで開く


衆議院で、緘黙が再び議題に上がる

2015年03月25日(水曜日)

アイキャッチ画像。この女の人、何歳に見えますか?分かりにくいかも知れませんが、中学生の写真素材としてCD-ROMに収録されていました

角田議員が、今度は厚生労働委員会で質問


本日3月25日(水)に開かれた衆議院厚生労働委員会において、場面緘黙症についての質疑が行なわれました。

質問を行なった議員は、角田秀穂(つのだひでお)衆議院議員です。対して、答弁を行なったのは、厚生労働省の藤井康弘障害保健福祉部長です。

↓ 下記リンク「ビデオライブラリ」より、質疑の模様を見ることができます。3月25日の厚生労働委員会、角田秀穂(公明党)の箇所です。FlashPlayer だと、7:31:10あたりから7:38:10あたりまでのおよそ7分間です。Windows Media Player だと、06:00あたりから13:00あたりまでです。スマートフォンでの閲覧は、ちょっと分かりません。

※ 衆議院インターネット審議中継新しいウィンドウで開く

緘黙が国会で単独の議題に上がったのは2度目


緘黙が国会で話題になることは滅多にありません。単独の議題に上がったのも、確認できる限り、今年3月10日(火)の衆議院予算委員会第四分科会が初めてで、それ以来のことです。

前回3月10日(火)に議題に上げたのも角田議員でした。このとき答弁を行なったのは文部科学省の小松親次郎初等中等教育局長です。今回のこともあわせると、厚労省と文科省の幹部がともに、今国会で緘黙について答弁を行なったことになります。

↓ その時の記事です。
※ 衆議院で、緘黙が議題に上がる (新しいウィンドウで開く

厚労省側の答弁


今回の角田議員の質問に対する藤井障害保健福祉部長の答弁は、以下の通りでした。今度こそ国が緘黙対策に動くのか、注目したいと思います。

○ (厚労省は緘黙児の実態を把握しているかとの質問に対して)厚労省として把握していない。今後、どのような手法であれば実態把握が可能なのかという点も含めて研究をしていきたい。

○ 支援者の認識を高めることは大変重要な課題。現在考えているのは、巡回支援専門員を対象とした研修。国として国立障害者リハビリテーションセンターにおいて研修を実施しているが、これまで緘黙児をテーマとした講義は実施してこなかった。来年度から緘黙を研修のテーマに取り入れて理解が広がるよう努めたい(これは角田議員の提案に応えたもの)。

[追記(2015年3月26日)]

角田議員が所属する公明党の機関紙『公明新聞』に、
今回のことが掲載されたようです。
船橋のみちさんという方が、Twitter でそうおっしゃっています。

※ https://twitter.com/meikapiyoko (新しいウィンドウで開く


[関連リンク]

↓ 今回の質疑を文字に起こしたものが、しばらくすると、このサイトで読むことができるようになると思います。前回3月10日(火)の質疑がまだ載っておらず、掲載に時間がかかっているようです。
※ 国会会議録検索システム新しいウィンドウで開く

話せるようになろうという意欲に乏しい人もいる

2015年03月24日(火曜日)

アイキャッチ画像。写真素材サイト PAKUTASO より。
なんとか話せるようになりたいーー

場面緘黙症の当事者の多くは、こうした強い思いを持っているというのが私の実感です。

ところが、中にはそうでない当事者がいるとも感じています。実際、そうした子を持つ親御さんや、当事者からコメントやメッセージをいただいたことがあります。

話せるようになろうという意欲に乏しい当事者


米国の緘黙支援団体 Selective Mutism Group の前会長で、認定臨床心理学者の Aimee Kotrba 氏も、治療専門家等を対象とした著書の中で、そうした緘黙児・者の存在について述べています(Kotrba, 2015)。年齢の低い緘黙児よりも、年齢が高い緘黙児・者に見られるのだそうです。

Kotrba 氏はこうした緘黙児・者を3パターンに分け、それぞれのパターンへの対応方法を示しています。

1 自分は話せるようになれないと感じているパターン。
2 自分には話せるようになるための方法が分からないというパターン。
3 話せるようになることに利益を見出せないというパターン。


Kotrba 氏によると、1と2のパターンへの対応はたやすいのだそうです。私の本をここまで読んでくれた読者のみなさんなら、ちゃんと効果のある支援法があることが分かりますよね、ということです。

3のパターンに対しては、「動機づけ面接」という方法が紹介されています。

ここで、Kotrba 氏の見解について、思うところを書こうと思います。