新しい本『学校における場面緘黙への対応』が出ます

2017年01月25日(水曜日)


専門家による新しい場面緘黙症の本が刊行されることが明らかになりました。Amazon.co.jp に書籍情報があります。

↓ 予約注文できます。Amazon.co.jp アソシエイトリンクです。
◇ 高木潤野『学校における場面緘黙への対応-合理的配慮から支援計画作成まで』学苑社 (新しいウィンドウで開く

発売予定日ですが、Amazon.co.jp には2017年3月1日とあります。

[追記(2017年2月25日)]

Amazon.co.jp によると、発売日が3月2日に延期されました。


著者の高木潤野氏は、長野大学准教授です。緘黙に関しては、信州かんもく相談室代表、日本緘黙研究会事務局長を務めています。緘黙の講演などでよく講師をされているので、この先生のお話を聞いたことがあるという方もいらっしゃるだろうと思います。高木氏は数多くの緘黙事例に関わってきたほか、緘黙に関する研究発表も行っています。

学苑社は、特別支援教育、社会福祉、心理などの本を出版している会社です。緘黙関係の本も多数出版してきました。『場面緘黙Q&A』『なっちゃんの声』『どうして声が出ないの?マンガでわかる場面緘黙』『先生とできる場面緘黙の子どもの支援』『親子でできる引っ込み思案な子どもの支援』は、学苑社によるものです。

近年、緘黙を主題とした和書が毎年のように出版されてきました。ですが、それらは、経験者や保護者が主要な著者だったり、海外の専門家が書いた本の翻訳書だったりしたものが中心でした。日本の専門家のみの手による本は、1994年に出版された『場面緘黙児の心理と指導』以来、20年以上にわたって出ていませんでした。しかも、『心理と指導』は実質1989年に書かれたもので(著者死去のため出版が遅れた)、30年近く前の本とも言えます。今回は、その『心理と指導』以来の、専門家の和書となります。

なお、今年中には、モリナガアメさんの緘黙実録漫画も書籍化される予定だそうです。こちらの出版社は、『私はかんもくガール』の合同出版です。




英国で緘黙児が殺害される

2017年01月21日(土曜日)


7歳の少女


イギリスのヨークという都市の公園で1月9日、7歳の少女ケイティー・ラフ(Katie Rough)さんが殺害される事件が起きました。

逮捕されたのは15歳の少女でした。犯行の動機はまだ明らかになっていません。

事件はメディアで大きく取り上げられています。BBC News によると、特に大衆紙 The SunDaily Mail はこのニュースをトップで伝えたそうです。国会でも話題になり、メイ首相とコービン労働党党首が、哀悼の意を表する場面もありました。

↓ BBC NEWS へのリンク。
◇ Girl, seven, found dead on York path named Katie Rough (新しいウィンドウで開く

↓ BBC NEWS へのリンク。
◇ Newspaper headlines: Corbyn v the 'fat cats' and 'mother's cry' as girl found dead (新しいウィンドウで開く

↓ Daily Mirror へのリンク。
◇ Prime Minister Theresa May pays condolences to family of Katie Rough, 7, found fatally injured in field (新しいウィンドウで開く

この事件は、日本でもネットでニュースになっています。

↓ エキサイトニュースへのリンク。犯行についての生々しい描写があるので、ご注意。
◇ 事件についてのニュース (新しいウィンドウで開く


少女は場面緘黙症だった


この亡くなったケイティー・ラフさんですが、実は場面緘黙症でした(メディアは報じていません)。イギリスの緘黙支援団体 SMIRA との関わりもありました。彼女の母親や SMIRA 役員の Facebook 投稿から明らかになっています。

↓ Facebook へのリンク。英語。Facebook に登録されていない方でもご覧になれます。
◇ 母親の Facebook 投稿 (新しいウィンドウで開く

↓ Facebook へのリンク。英語。Facebook に登録されていない方でもご覧になれます。
◇ SMIRA 役員の Facebook 投稿の転載 (新しいウィンドウで開く

事件に巻き込まれたのがたまたま緘黙児だったということなのか、それとも、緘黙だったから被害に遭ったのか(大人しそうだから狙われたとか、助けの声を上げられなかったとか)、そこのところは今のところ分かりません。


支援の動き広がる


ケイティー・ラフさんを偲ぶとともに、遺族を支援する動きが、イギリスを中心とする海外の緘黙関係者の間で小さな広がりを見せています(もちろん、緘黙と関係ない方の間でも広がっています)。

SMIRA は、ケイティー・ラフさんを偲ぶ Twitter 投稿を行ないました。

↓ Twitter へのリンク。英語。Twitter に登録されていない方でもご覧になれます。
◇ SMIRA の Twitter 投稿 (新しいウィンドウで開く

また、3月に行なわれる SMIRA の年次総会の最後に、ケイティー・ラフさんを偲んで鳩を放とうという企画が出ています。そのための資金がクラウドファンディングで集まっています。

↓ クラウドファンディングサイト GoFundMe へのリンク。英語。
◇ To Release Doves In Memory of Katie (新しいウィンドウで開く

それから、ケイティー・ラフさんの母親が、娘の苗字ラフ(Rough)をできるだけ多くの人に見てもらえるように #teamrough というハッシュタグを SNS でシェアして欲しいと呼び掛けていらっしゃるのですが、それを受けて、自分たちもシェアしようという動きがあります。ラフさんを忘れないということなのでしょう。その一部をご紹介します。

↓ Facebook へのリンク。英語。Facebook に登録されていない方でもご覧になれます。
◇ オーストラリアの緘黙Facebook ページ の投稿 (新しいウィンドウで開く

↓ Facebook へのリンク。英語。Facebook に登録されていない方でもご覧になれます。
◇ ニュージーランドの緘黙支援団体VOICE の Facebook 投稿 (新しいウィンドウで開く

私も学校で話せない経験をした者として、今回のことには強い衝撃を受けました。ご遺族のお気持ちは計り知れません。この場で哀悼の意を表するとともに、日本で緘黙に関心がある方にもケイティー・ラフさんのことを知って欲しいと思い、今回の記事を書いています。



「花が咲かない時は、環境を変える」

2017年01月15日(日曜日)


When a flower doesn't bloom, you fix the environment in which it grows, not the flower.

--Alexander den Heijer

花が咲かない時には、花を変えるのではなく、環境を変えるという言葉です。

言葉に困難を持つ子どもや若者のためのイギリスの支援団体 Afasic が昨年11月、Twitter でこの言葉を紹介しました。それが結構反響がありました。イギリスの場面緘黙症支援団体 SMIRA の役員 Lindsay Whittington さんもシェアしていました。

日本の緘黙支援では WHOの国際生活機能分類 (ICF) というものを取り入れる方法が影響を与えていて、「環境因子」という用語を目にする機会が増えています。そうした中、環境調整の大切さを説くこの一文を、日本の緘黙に関心がある方に紹介したら受け入れられそうだと思い、私も Twitter でこの言葉を紹介してみました。で、反響はどうだったかというと、さっぱりでした。なぜ……。

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ところでこの一文ですが、英語圏では多少知られた言葉のようで、検索すると結構ヒットします。

海外で名文を残した人というと、Winston Churchill(ウィンストン・チャーチル)など昔の人も連想しますが、この名文を生み出した Alexander den Heijer さんは現代の方です。Facebook や Twitter もやってます。

この方はオランダの「インスピレーショナル・スピーカー」で、企業研修に携わったり、ライターをしたりされているそうです。この一文も、もともとはリーダーの人材活用術を解いたものです。