鬱もACもPTSDも緘黙も、みんな「根性」の問題とな?

2006年01月14日(土曜日)

某所で知り合ったお人がよく言っていたのは、「気分の波が激しい」ということでした。ときどき不意にひどく落ち込み、全く何もする気がなくなることがあるというのです。それでも「せめて歯ぐらいは磨かないと」と頑張って洗面所に向かうとか、色々話を聞きました。

話を聞いて、私は「この人はうつ病なのではないか」と思いました。

よくネット上などで、冗談半分に、例えば「ドラクエやろうとカセット刺しこんだら、いきなり変な音楽が流れてきて、冒険の書が消えていた。鬱だ。」などと言ったりしますが(最近のドラクエはカセット刺しこんだりしませんよね、歳がバレる)、本当の鬱というのは、ドラクエをやろうという気さえ起きない、本当にひどい気分の落ち込みを伴うものだそうです。

ところでそのお人がもう一つ、よく訴えていたのが「親が私の病気のことを分かってくれない」ということでした。気分の落ち込みを「そんなの、気の持ちようだ」などと言われてしまう、というのです。

「気の持ちよう」とは、どういう意味なのでしょう。私はそのお人に詳しく突っ込んで聞いたわけではないので、ここでは勝手に推測することにします。

まず、「病は気から」という言葉が思い浮かびます。日ごろマイナス思考で物事を後ろ向きに考えてばかりいるからうつ病なんかにかかるわけで、プラス思考を心がけ、何事も前向きに捉え、いつも笑顔を絶やさず、脳内モルヒネを出しまくれば、うつ病になんてならない。もしかかったとしても治ってしまうという意味なのかもしれません。

あるいは、「気合」という言葉も思い浮かびます。「根性」と言ってもいいです。例えうつ病にかかったとしても、気合と根性を出して、常に自分に「頑張れ」と励まし続ければ、うつ病なんて吹き飛んでしまうという意味なのかもしれません。

しかし、くだんのお人は「気の持ちよう」の問題とは考えておらず、親御さんと強く反発しているとのことでした。

[ 参考 ]

Google 検索「うつ病 気の持ちよう」
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「根性」という言葉は、私の親が殊に最近よく好んでよく用いる言葉です。

「最近の若者は根性が足らん。日本人力士が朝青龍や琴欧州に勝てないのは、根性のある若者が日本にいなくなったからだ」などとよく言っています。

私などは根性がひねくれていますから、「最近の若者に根性がないのだとしたら、イチローとか谷亮子とか、北島康介とか宮里藍とか、世界のトップレベルで活躍する日本人プレーヤーはいったい何なんだろう」だとか、「昔の日本人は根性があったのだから、昔の日本のプロ野球やサッカーのレベルというのは、さぞや高かったんだろうな」などと考えてしまいます。

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それから、私の親に言わせれば、うつ病とか、AC(アダルトチルドレン)、PTSD(心的外傷後ストレス傷害)なども「根性」の問題なんだそうです。メンタルヘルスの問題で苦しんでいる人たちを「軟弱な連中」とバッサリ切り捨てています。

ACについては、特に辛らつです。「私たちが子供の頃は親が厳しく、悪いことをしたりすると、今で言えば『虐待』のようなことをするのは珍しくなかった。それでも、みんなちゃんと育ってきた。近頃の若者はそのあたり甘やかされている。親に虐待を受けたから苦しいとか、そんなのは甘えに過ぎない。いい年こいて、親のせいなんかにするな!」と手厳しいです。

以前にもお話しましたが、我が家は母子家庭ですので、私の親=私の母親ということになります。私の母親は女手一つで「根性」で頑張ってきたという自負があり、こういうことを言うのでしょう。

こうなると、私の場面緘黙症のことを親に言い出しても、理解を得られるとは思えません。緘黙の問題を根性論で片付けられそうです。

私の親に限らず、緘黙児を「喋れないなんて、ただの甘え」だとか「こいつはやる気がないんだ」などと言う人を、たまに見かけます。

それにしても、私の親といい、冒頭のお人の親御さんといい、ご年配の方々は根性論がお好きですね。


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注. この記事は、2005年12月29日にニートひきこもりJournal に掲載した記事を一部編集したものです。