Twitter 緘黙投稿の、歴史と現在

2016年02月11日(木曜日)

アイキャッチ画像。
場面緘黙症に関する情報のネット上での発信手段といえば、7~8年ぐらい前まではブログが主流でした。ですが、今ではブログよりも圧倒的に Twitter でしょう。過去30日間で「緘黙」の文字を含む Twitter への投稿(ツイート、つぶやき)数を調べたところ、多い日には1日85件(2月4日)、少ない日でも1日23件(1月18日)に上っています(「Yahoo!リアルタイム検索」による)。

[追記(2016年2月13日)]

この記事を公開した2月11日には、107件を記録しました。過去30日間では、2月4日の85件を上回り最多です。


Twitter での緘黙の投稿には、経験者や当事者、保護者らの意見や経験談はもちろん、緘黙のメディア掲載情報や、イベント情報、創作作品で緘黙が扱われるといった重要情報が流れることもあります(盛田隆二さん『二人静』日生マユさん『放課後カルテ』もそうでした)。Twitter で緘黙について投稿や「リツイート」(他の人の投稿を共有すること)した方には、盛田隆二さんや及川眠子さん(作詞家)、西村ちなみさん(声優)、虚構新聞社社主UKさんといった有名な方もいらっしゃいます。

このように、Twitter での緘黙に関する投稿は、ネットでの緘黙情報の中では大きな位置を占めています。ですが、場面緘黙症Journal ではこれについてまとめたことがありませんでした。そこで、かなり大雑把ではありますが、今回記事にしてみることにしました。Twitter での緘黙に関する投稿の、歴史と現在が今回のテーマです。

※ Facebook や line でも情報の発信などが行なわれているようですが、ほとんど把握していません……。

歴史(最初期)


確認できる緘黙についての最古の投稿は、2009年3月2日


精度は分からないのですが、Twitter には日付検索というものがあります。これを使って Twitter の過去の投稿を「ライブ」で調べてみました(パソコンでの調査です。Android 用アプリでの検索も試したのですが、精度が悪いのか、あまり検索結果が出ませんでした)。

すると、確認できる最も古い緘黙に関する投稿は、2009年3月2日のものでした。

2009年10月より、緘黙についての投稿が本格的になされるようになる


この方法で「緘黙」とさらに検索したところ、2009年3月から8月にかけてヒットした投稿は、月1~2件程度でした。9月にはヒット数が6件に増加。

そして10月になると、これが73件にまで急増します。10月13日より、緘黙について継続的に関心を持つ方が投稿を始めたためです。以後、投稿数は堅調に推移します。なお、平仮名で「かんもく」と検索しても、ほぼ同じ傾向です。

こうして見ると、Twitter で緘黙についての投稿が本格的に行なわれるようになったのは、2009年10月からと言えそうです。

とはいえ、この頃は緘黙について投稿する方はごく限られていました。日付検索で確認できる範囲で言うと、継続的に緘黙について投稿する方は2~3名程度で、このごく少数の方の投稿が、緘黙についての投稿のほとんどを占めていました。

なお、私が Twitter に登録したのは2010年1月8日でした。1月に入ると、緘黙について投稿する方はもう少し増え、投稿数もさらに伸びます。

※ Twitter 「緘黙」日付検索結果2010年1月分 (新しいウィンドウで開く

歴史(その後)


Twitter での緘黙投稿の歴史というより、私が気付いた事実の羅列になってしまうのですが、2010年以降の主な出来事を並べてみます。

2010年6月には、「かんもくネット」が Twitter に登録し、多くのフォロワー数がつくようになります。緘黙に関する国内の支援団体・グループが Twitter に登録したのはこれが初めてです。確認できる最も古い投稿は、同年10月19日です。

2010年には、Twitter で緘黙について投稿する人は結構いたようです。2010年末に公開した場面緘黙症Journal ブログの記事では、この年の緘黙に関する十大ニュースのうち第3位に Twitter の流行を挙げています。⇒2010年12月7日の記事「緘黙・今年の十大ニュース」 (新しいウィンドウで開く」)

2013年2月13日には、日本テレビ「ザ!世界仰天ニュース」が、緘黙の少女を取り上げました。この時、Twitter では緘黙に関する投稿が急増しました。Twitter の日付検索で確認できるだけでも、この放送のあった夜、ざっと700~800件の投稿があります(リツイートを除く)。

※ Twitter 「緘黙」、その日の検索結果 (新しいウィンドウで開く

2014年には、現在1,200近いフォロワーを集める「かんもくの声」が Twitter に投稿を始めます。確認できる最も古い投稿は、同年2月20日です。

2014年5月には、かんもくネットが Twitter で行なった緘黙の啓発投稿に、当時の記録で5,000件を超えるリツイートがありました。Yahoo!リアルタイム検索によると、当時、緘黙に関する Twitter 投稿は、普通の日は多くても数十件程度でしたが、このかんもくネットの啓発投稿を行なった前後の日は、1,230件⇒901件⇒227件(6月2日から4日にかけての3日間)と推移しています。⇒その投稿に関して書いています。「場面緘黙症啓発月間2014を振り返る(2)」 (新しいウィンドウで開く」)

2015年1月には、教育現場など子どもたちと関わる仕事に従事する人たちに、緘黙への正しい知識の習得を促すための署名を募る動きが Twitter を通じて広まりました。署名の数は目標の100名を達し、文部科学省に提出されています。

また、2015年3月には、この署名活動に関わった方が、やはり Twitter を通じ、緘黙に関心を持つ角田秀穂衆議院議員にメールを送るよう呼びかける動きがありました。角田議員はこの後まもなく国会答弁の中で「私のもとにも、場面緘黙症で悩み苦しんでいる方からたくさん声が寄せられており、この問題で苦しんでいる方はかなり多いのではないだろうかという印象を抱いています」と発言しており(第189回国会衆議院予算委員会第四分科会1号平成27年03月10日)、Twitter での呼びかけが国会答弁で反映された可能性があります。

2015年5月28日には、NHK Eテレ「ハートネットTV」で緘黙が扱われ、Twitter で緘黙に関する投稿が急増しました。その投稿数はTwitter の日付検索でざっと確認した限りでは、700~800件ほどではないかと思います(リツイートを除く)。

※ Twitter 「緘黙」、その日の検索結果 (新しいウィンドウで開く

↓ togetter へのリンク。これによると、一部の投稿はテレビ画面に表示されたようです。
※ 2015年5月28日(木)にNHKハートネットTVで放送された緘黙症についてのツイートまとめ (新しいウィンドウで開く

現在


冒頭でもお話した通り、過去30日間で「緘黙」の文字を含む Twitter への投稿を調べたところ、多い日には1日85件(2月5日)、少ない日でも1日23件(1月19日)を記録しています(「Yahoo!リアルタイム検索」による)。これが現在の投稿数です。Twitter での緘黙の投稿数の推移は正確には分からないのですが、長期的にはゆるやかな増加傾向にある印象を受けます。先ほどお話した通り、2014年5月現在では、 緘黙に関する投稿は多くても1日数十件ほどでした。

緘黙に特別な関心を払う Twitter ユーザーの数は、これもはっきり分からないのですが、少なく見積もっても400人~500人、多く見積もると1,000人以上はいるのではないかと思います。これは、緘黙専用アカウントではフォロワー数が最多級の「かんもくの声」や「かんもくネット」のフォロワー数が1,000人前後であること(ただし、このフォロワーの中には、緘黙以外の問題により強い関心を持つ方も少なくありません)などから、大雑把に推測した数字です。

なお、mixi で最も盛んな緘黙コミュニティのメンバー数は現在800人以上であることから、Twitter ユーザーで緘黙に特別な関心を払う人が仮に1,000人以上いても、それほど不思議ではないのではないかと思います。

最近の動きですが、緘黙の経験者や当事者へのアンケートが時々行なわれるようになりました。これは2015年10月より Twitter に実装されたアンケート機能を用いたものです。数十人が回答する規模のアンケートが多いようですが、中には100人を超える人が回答したアンケートもあります。

また、「緘黙あるある」が小さなブームになっています。「こんなことあるよね」という緘黙の経験談を「#緘黙あるある」というハッシュタグとともに投稿するというものです。