「かんもくちゃん」「緘黙児」…様々な呼び方

2016年02月22日(月曜日)

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「緘黙の子」「緘黙症患者」「SM児」「かんもくっ子」…


「かんもくちゃん」

という表現に最近出くわし、驚きました。この表現を使った方は、私が見た限りどの方も緘黙に理解のある女性でした。なお、漢字版の「緘黙ちゃん」というのもあります。

よく「緘黙児」という言い方をしますが、このように、TPOによって言い方は様々です。そのうち私が気付いたものを挙げてみました。

● 緘黙児:ポピュラーな言い方。やや堅い。
● 緘黙(の)児童:教育者視点寄り。「緘黙(の)生徒」などもあり。
● 緘黙の子:ポピュラーな言い方。「緘黙の子ども」もあり。
● 緘黙の娘:保護者視点の言い方。「緘黙の息子」もあり。
● 緘黙(の)当事者:保護者などと区別する場合に用いられることが目立ちます。
● 緘黙患者:医療視点の稀な言い方。「緘黙症患者」の方が多そう。
● 緘黙(の)女児:専門的な文献で稀に見かけます。「緘黙(の)男児」もあり。
● SM児:英語名 Selective Mutism より。専門的な文献などで稀に見かけます。
● 緘黙っ子:インフォーマルな稀な言い方。「かんもくっ子」の方が多そう。
● 緘黙ちゃん/かんもくちゃん:インフォーマルな言い方。稀に見かけます。
● 緘黙さん/かんもくさん:インフォーマルな言い方。稀に見かけます。
● かんもくガール:コミックエッセイの題名より。

なお、それぞれの言い方の前には「場面」がつくことがあります。例えば、「緘黙児」ではなく「場面緘黙児」など。また、「緘黙」ではなく「緘黙症」となることもあります。

緘黙と子どもを分けた「緘黙がある子」


最近、これは面白い言い方だなと感じたのは、「緘黙がある子」「緘黙のある子」です。金原洋治氏が雑誌『児童心理』2016年2月号に寄稿した記事が「場面緘黙がある子」でした。また、発達協会の今年の春のセミナーには、「場面緘黙のある子への理解と支援」(講師:高木潤野氏)という題名のものがあります。

この言い方の何が面白いと思ったかというと、緘黙とその子が分けられているからです。ある子どもがいて、その子には緘黙症状がある。そうした語感があります。「かんもくちゃん」「かんもくさん」あたりは、これとは対照的だろうと思います。

年齢が高い当事者を含めて「緘黙者」


あと、私は一時期「緘黙児・者」という呼び方を使っていました。現在はより短く「緘黙者」を使うことが増えています。これは、緘黙は子どもだけの問題ではないという考えによります。

それほどポピュラーではありませんが、ある程度一般に使われています。

どういう呼び方がTPOによって適当か


このように、どういう呼び方がその時々によって適当なのか、考えることが最近私には増えてきました。この種の表現に神経質になりすぎるのもよくないかもしれませんが、ブログや Twitter でいちおう文章を書いている者としては考えてしまいます。

障害名に直接敬称をつける「かんもくちゃん」「かんもくさん」は私のセンスには合いません。私のようなおっさんが「かんもくちゃん」と言ったら気持ち悪いというのもあります。「緘黙がある子」や、子ども以外を視野に入れた「緘黙のある人」を気に入り始めているのですが、語呂が悪いため使いにくいのが難点です。

関連リンク


↓ 2007年にあった mixi での議論。「アスペちゃん」「自閉ちゃん」「ダウンちゃん」……。その呼び方の是非について様々な意見があります。mixi に登録していない方でもある程度ご覧になれます。
◇ 障害名を略したり、愛称として使うことについて (新しいウィンドウで開く