トーキングマップ-話せない場所、人の一覧

2016年10月01日(土曜日)


話せない場所、人の一覧表


トーキングマップの一例。
場面緘黙症に関する英語圏の情報を読んでいると、上のような表を目にすることがあります(もちろん、現物は英語で書かれてあります)。表の縦の項目は人、横の項目は場所です。

これは、緘黙がある人がどの場面(場所、人)で話せないかを表にしたものです。緘黙のアセスメントなどに使われるようです。上の表はあくまで一例で、例えば学校場面を、より具体的な状況に分けることもあります。

表の中にどの程度話せないかを書き込んで使います。例えば、普通に話せる場合は○、少し話せる場合は△、全く話せない場合は×、該当するものがない場合(例えば親戚は学校に普通来ない)は-などでもよいでしょう。

アメリカで緘黙支援を行う機関としては近年有力な Child Mind Institute は、この表を Talking Map としてワークショップでよく紹介しています。一方、2004年出版の緘黙の専門書 Selective Mutism in Children 第2版(Tony Cline、Sylvia Baldwin 著)は、Summary Grid などと表現しています。訳すとすれば「要約の格子」でしょうか。いい訳が思いつかなくて、すみません。

日本ではお馴染みのカナダの本の邦訳『場面緘黙児への支援』では、「発話達成進歩記録」として登場します(153-155ページ)。

この記事の題名では、分かりやすく「トーキングマップ」としました。以下は、そのトーキングマップの例です。

↓ アメリカ・Child Mind Institute ホームページ内のPDFファイルへのリンク。トーキングマップがある26ページから始まります。2.70MB。
◇ A Team Approach: Collaboration and Coordination with Schools (新しいウィンドウで開く

↓ こちらの方が分かりやすいかも。イギリス・アバディーンシャー(地方)議会ホームページ内のPDFファイルへのリンク。19ページから始まります。1.65MB。
◇ Supporting Children with Selective Mutism - Practice Guidelines (新しいウィンドウで開く

※ なお、PDFを閲覧するには Acrobat Readerが必要です。Acrobat Readerはこちら (新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。


地図のトーキングマップ


なお、同じ Talking Map という名前ながら、これとは違うものもあります。 イギリスで有名な緘黙支援マニュアル The Selective Mutism Resource Manual に登場するものです。

これは、自宅を中心とした生活圏の簡単な地図を描き、その中に話せる人の絵を入れていくというものです。例えば、家で家族としか話せないという場合、地図の家の中にだけ家族の絵(+自分の絵)を描きます。ですが、友達とも話せるようになったという場合、友達の絵を加えます。近所の施設や学校についても、段階的に地図を描いていきます。

子どもの状態を記録、把握したり、子どもと緘黙について話し合ったりするのに役立つそうです。

なお、これは The Selective Mutism Resource Manual の初版のお話です。このマニュアルの第2版が10月31日に出る予定です。ただ、第2版は発売延期が続いており、本当に10月31日になるかは分かりません。