大人の緘黙当事者が主人公の短編映画(米)

2016年10月11日(火曜日)


Stuck In Mute - 緘黙の女性が主人公の短編映画


場面緘黙症の少女が登場する映画『校庭に東風吹いて』が上映中です。

映画といえば、アメリカには場面緘黙症の20歳女性が主人公の短編映画があります。Stuck In Mute という作品です。

製作者は Paper Universe Films という短編映画製作会社です。2015年にアメリカで製作され、2016年にかけて数々の映画祭で上映されています。このうちミネソタ州ロチェスターで開かれた Apex Film Festival では、Best Film に選ばれています。

↓ 2015年に公開された予告編。YouTube へのリンク。
◇ Stuck In Mute (official trailer #1)  (新しいウィンドウで開く

↓ 映画に使われている曲 Kat Perkins さんの "Fearless"。「何ものも恐れない」という意味の曲名です。YouTube へのリンク。
◇ Kat Perkins "Fearless" MUSIC VIDEO (新しいウィンドウで開く

↓ 公式 Facebook ページ。Facebook に登録されていない方でも、ご覧になれます。
◇ Stuck In Mute - Short Film (新しいウィンドウで開く

↓ 脚本家兼監督と、主演女優へのインタビュー。イギリス発の緘黙のウェブ雑誌 Finding Our Voices 第5号より。PDF(624KB)。
◇ Stuck In Mute - A Short Film (新しいウィンドウで開く

※ PDFを閲覧するには Acrobat Readerが必要です。Acrobat Readerはこちら (新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

この作品には、専門家が監修にあたっています。緘黙児への集中プログラムを実施した実績のある Advanced Therapeutic Solutions という施設の Carmen Lynas 博士が監修されています。

Stuck In Mute の製作にあたっては、クラウドファンディングサイト Seed and Spark で協力の呼び掛けがありました。これにより、9,088ドル(約94万円)の資金が集まったそうです。このページには、緘黙の理解を広めることが映画の目的ともとれることが書かれてあります。

↓ Seed and Spark へのリンク。
◇ Stuck In Mute (新しいウィンドウで開く


Stuck In Mute がインターネットで視聴可能に(有料)


この Stuck In Mute ですが、海外で行なわれている場面緘黙症啓発月間(10月)というキャンペーンに合わせて、現地時間10月10日に、インターネットで購入し視聴することができるようになりました。

↓ 視聴できるサイト。購入は、皆様のご判断でお願いします。
◇ Stuck In Mute (新しいウィンドウで開く

日本在住の私も Rent(レンタル)として税込み2.7ドルで購入し、視聴しました。私の環境は Windows 7 で、ストリーミング形式?で難なく観ることができました。12分10秒の内容ですが、エンドロールを除いた本編は10分44秒でした。私の英語力では聴き取れない会話や理解できない内容もありましたが、映像と先ほどの Finding Our Voices のインタビュー記事などで、ある程度概要はつかめました。

主人公は緘黙の女性ですが、他に緘黙の少年が登場し、二人の関係が話の軸です。劇中に selective mutism(場面緘黙症)という言葉がはっきり出てきますが、押し付けがましくない形で緘黙の存在を伝えています。緘黙の描写もまずまずで、面白かったです。何より、特に認知が進まない成人当事者を主人公にもってきたことに感心しました。


Hush という短編映画もある


大人の緘黙当事者が主人公の短編映画は、実は他にもアメリカにあります。エマーソン大学(タレント・関根麻里さんの母校)の映画専攻の学部のプログラム?として作られた Hush という作品です。Stuck In Mute とほぼ同時期の2015年に製作されました。製作にあたっては、クラウドファンディングサイト Kickstarter で6,090ドル(約63万円)の資金を集めています。

この短編映画は、インターネット上で無料公開されています。

↓ 動画サイト Vimeo へのリンク。
◇ Hush (新しいウィンドウで開く

私としては、緘黙の描写に多少の違和感を覚えないまでもないのですが、主人公が内面に深い問題を抱えている様子が伝わってきました。


なお、私はこうやって海外の映画は観ているのに、日本の『校庭に東風吹いて』は今のところ観ていません。私が住んでいる地域だと、最寄の映画館まで万単位の交通費を出して長時間かけて移動しないと観に行けない現状があります。ですが、これは仕方ありません。地方で暮らすというのはこういうことです。地元で上映予定がないためまだ観ていないという方、私も同じです。