緘黙児は、挨拶言葉が特に苦手?

2016年11月06日(日曜日)


電子書籍の可能性を感じさせます。Kindle の「ポピュラー・ハイライト」という機能のことです。他の読者が、その本のどの箇所に多くマーカー(線)を引いたかが分かる機能です。

場面緘黙症の電子書籍についても、どの箇所に読者が多くマーカーを引いたかが分かります。私が持っている電子書籍だと、マーカーを引いた読者が際立って多い本が Aimee Kotrba 著 Selective Mutism: An Assessment and Intervention Guide for Therapists, Educators and Parents です。2014年に発売された洋書で、著者はアメリカ最大の緘黙支援団体 Selective Mutism Association (Selective Mutism Group から改称)の会長を務めたことのある認定臨床心理学者です。

※ 緘黙の和書では、電子書籍はほとんどありません。

その本の中でも、最も多くマーカーが引かれた箇所の一つが、気になりました。

緘黙児は、挨拶言葉が特に苦手?


興味深いことに、丁寧な言葉はしばしば、緘黙児が口に出すのに最も難しい言葉です。そして、このことは親の困惑を大きくします。

Interestingly, polite words are often the hardest words for children with SM to say, and this adds to the embarrassment of parents.

その「丁寧な言葉」(polite words)とは何かというと、続く文で例が挙げられています。Hi, Goodbye, Sorry, Please, Thank you, Excuse me がそうだというのです。どうやら、挨拶言葉のことらしいです。マーカーが引かれた件数が多いことから(現在21件)、読者の注目が集まっているようです。

緘黙児と挨拶については、イギリス在住の MIKU さん(元緘黙児の母、かんもくネット事務局員)も似たことをおっしゃっています。

↓ MIKU さんのブログへのリンクです。
◇ 「ごめんなさい」がいえなくて (新しいウィンドウで開く


私にとっては意外な指摘、理由も分からない


この指摘は、私にとって意外でした。私も学校で話せない経験をした者ですが、挨拶言葉が特に苦手という意識はなかったと思うからです。確かに、緘黙だと挨拶ができないという話はよく聞きますが、私としては、それは声が出ないからと解釈していて、挨拶言葉そのものが口に出しにくいとは思いもよりませんでした。それとも、これは海外での話であって、日本では事情が違うのでしょうか。

緘黙児が挨拶言葉が苦手だとしたら、その理由は何なのでしょう。 Aimee Kotrba 氏はその理由については触れず、「興味深いことに」(Interestingly)として取り上げているだけです。同氏にも確たる理由は分からないのでしょう。もちろん、私にも分かりません。もしかしたら、挨拶をする時には多少の感情がこもってしまうので、感情を出すことの抵抗感もあいまってそうなってしまうのだろうかとも思うのですが、この説には自信がありません。

とにかく、もしこれが事実だとしたら、緘黙支援で挨拶ができるようにするのを小目標にするのは、緘黙症状がそれなりに改善してからでないと難しいのかもしれません。 Aimee Kotrba 氏も同じことを述べていて、その箇所にもマーカーを引く読者が多いです。