「緘黙を教師に受け入れてもらえたことが、変化のスタート」

2016年12月18日(日曜日)


イギリスの高級紙 The Guradian に16日、場面緘黙症を主題とする記事が掲載されました(電子版で確認)。ライターの Phoebe-Jane Boyd さんという方が、ご自身の緘黙経験を書いたものです。

大手新聞社のウェブサイトに掲載された記事とあってか、多数のコメントが寄せられています。その数は100件を超えます。

↓ The Guradian ホームページへのリンクです。
◇ A moment that changed me: a teacher’s acceptance of my silence (新しいウィンドウで開く

Boyd さんが緘黙を発症したのは80年代のことで、緘黙は25年ほど続いたそうです。認知が進んでいない成人期の緘黙経験者の記事が、高級紙 The Guradianに掲載された意義は大きいです。

記事では緘黙の解説を iSpeak のホームページから引いています。iSpeak は、大人や10代の緘黙者、その家族のためのイギリスの支援グループです。iSpeak の緘黙の説明には、緘黙が成人期にまで至る場合があることが書かれてあります。

イギリスの新聞記事で緘黙を主題としたものといえば、だいたい内容は決まっています。実例を挙げながら緘黙や支援法について専門家の意見を交えつつ、一般的な解説をするといったかたちがよくとられます。ところが今回の記事は経験者が書いたものゆえか、全く違った書き方になっています。Boyd さんご自身の緘黙経験談が、その内容のほとんどを占めています。

Boyd さんは緘黙のことで長年苦しみました。ところが17歳の時、ある英語教師から "It’s not a problem."(話せないことは問題ではない)などと言われ、それを受け入れてもらいました。これが、Boyd さんが声を出せるようになるスタートだった……というところで、この方の緘黙経験談は終わっています。

緘黙が受け入れられたことが、声が出るようになることへの転機になったという話は、よくよく考えると逆説的で興味深いです。ここからどのようにして Boyd さんが声が出るようになったかは書かれていないので、色々と想像してしまいます。

どちらにしろ、Boyd さんは話せないことで自分を責めたり、周囲の人(教師とか)が無理解だったりといったことが長く続いたようです。それだけに、話せないことを受け入れてもらえたことは、どんなにありがたいことだったろうと思います。