場面緘黙児が自分の不安を把握するために

2006年09月27日(水曜日)

場面緘黙症理解のための資料第5弾「場面緘黙児が自分の不安を把握するために」です!

資料No.5も、エリザ.シポンブラム先生によるものです。

今回は、場面緘黙児が自分自身の不安の程度を把握するのに役立つ、「コミュニケーションにおける安心感尺度調べ」(SM-ICCscale)のお話です。

翻訳は、けいこさんが担当しました。けいこさんは現在、SMartセンター以外の外国サイトの翻訳・当ブログアップも交渉中です。今回、ロンドン在住のみくさんにも翻訳にご協力いただきました。みくさん、ありがとうございました。

■ Knet翻訳チーム メンバー募集!

引き続き、いっしょに翻訳を希望される方を若干名募集します。

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■ ダウンロード

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htmlは、Internet Explorer などブラウザで見ることができます。そのまま印刷することもできます。無料サーバーを使っている関係で、ページの末尾に小さな広告が挿入されています。

印刷用は、リッチテキスト形式です。Windows のワードパッドや、Word、一太郎で閲覧することができます。印刷はこちらをおすすめします。

■ 本文の紹介

場面緘黙児は、自分がなぜある場面で声が出せないのか、自分でもわかりません。そして「話せるかどうか」に注目してしまいます。場面緘黙症は不安障害なので、「話す」ことではなく「不安-安心感」に注目する必要があります。
そこで、この論文で取り上げられているのが、場面緘黙児自身が、いろんな場面での自分の不安を0~5点で得点化する方法です。小さい子には絵にしてもらいます。

安心感レベルの把握の練習は、子ども自身が自分の状態を理解し、感情のコントロール力を身につけるのに役立ちます。サポートする親、先生、専門家はこれを元に環境調整したり目標を設定したりすることができます。

>> 本文を読む

■ この資料の使い方

緘黙児自身が自分の「安心感レベル」を得点化するこの方法は、小学校高学年以上で取り組みやすいように思います。小学校低学年以下の子どもの場合、とまどいを感じる保護者や先生もおられるかもしれません。アメリカと日本では文化の差や、誰がこの方法を緘黙児に提案するかも影響するかと思います。とまどいを感じられる場合は、専門家と相談しながら、子どもの個性や状態にあわせて使われることが望ましいと思われます。

親や先生が、緘黙児の状態を外から見て、子どもの1日の安心感レベルを得点化する方法が 、Mcholm 先生の Helping Your Child With Selective Mutism に載っています。朝起きてから寝るまで、在校中も含めて平均的な1日の出来事を項目としてあげて、親と先生が1週間に1回得点化し記録します。親や先生も「話す」ことに注意が行きがちですので、子どもの状態を全体的に把握するために有効な方法と思われます。
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■ 著者

エリザ.シポンブラム博士 著
場面緘黙症不安研究治療センター(SMartセンター)代表・所長
場面緘黙症グループ小児期不安ネットワーク
(SMG~CAN)最高責任者・医学管理責任者
フィラデルフィア オステパシー医療大学 家庭医学・心理学 臨床助教授

[著書]

★ Ideal Classroom Setting for the Selectively Mute Child
★ Easing School Jitters for the Selectively Child
★ Understanding Katie
★ Supplement Treatment Guide to Understanding Katie

アメリカで場面緘黙症の研究というと、この方でしょう! TimeNew York Times、ABC newsなど、アメリカの大手メディアが場面緘黙症を取り上げるときは、必ずと言っていいほど彼女が取材されます。

シポンブラム先生の姿が見たい方はこちらのABCニュースのビデオをクリックすると、今年5月27日放映のABCニュースが見られます。(1分48秒に出てくる女性です!)
http://abcnews.go.com/GMA/Americanfamily/story?id=1770308&page=1

先生はオステパシーのDO (整骨医学外科学博士)なのですが、お子さんのソフィアちゃんが場面緘黙児だったことから人生が変わります。あちこちの専門家から誤った診断を受け、よい治療法が示されなかったことから、仕事を辞めて母親として子どもさんのために場面緘黙症の情報収集を始め、それから「場面緘黙症」の研究と治療に取り組まれることになります。お若いときの先生とソフィアちゃんを見たい方はこちらをクリック。
http://selectivemutismcenter.org/personalstory.htm

■ この資料について

この資料は、場面緘黙症不安研究治療センター(SMartセンター) サイト内にある Handouts! を翻訳したものです(部分掲載)。英語版も、見た人がプリントアウトして、誰かに情報を広める形式になっています。同センター(SMartセンター)はシポンブラム博士が設立したもので、場面緘黙症で悩む子どもたちの診察や研究、場面緘黙症の認知向上のための活動等に取り組んでいます。この9月から、ネット上で場面緘黙症についての講義を受けることができるネットセミナーが開講されています。

翻訳の掲載の許可については、けいこさんが、シポンブラム博士にメールを通して直接許可をとりました。場面緘黙症Journalについても、シポンブラム博士にご紹介しました。

翻訳した資料はSMartセンターにお送りしています。今後も、翻訳チームで少しずつ資料を翻訳し、拙ブログに掲載していければと考えています。なおチームで目を通しましたが、誤訳や誤字脱字が見つかりましたら、ぜひお知らせ下さい。その都度検討し、更新いたします。

場面緘黙症について口頭で説明して理解を得るのはうまくいかないこともあるかもしれません。この資料がお役に立つことができれば幸いです。

(今回の記事は、けいこさんと相談の上まとめました)