[緘黙] 2度目の転校 [ストーリー]

2006年10月14日(土曜日)

連続ブログ小説・私の緘黙ストーリーです。

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■ 父亡き後、どうする

前回、(たぶん)場面緘黙児の富氏の父親が亡くなりました。

残された母子は、今後どうしていけばよいのでしょうか。今後について、母と親戚の間で相談がなされました。

私は、また関西に戻るのだろうと思っていました。

私たち家族は関西に住んでいたのでした。しかし、父の転院にともない、両親の実家のある他県に引っ越し、父方の親戚の家で一時的にご厄介になっていたのでした。父の病気が治った後は、また関西に戻るはずでした。

実際は父が亡くなるという想定外の事態になりましたが、私はまた関西に戻るのだろう、そう思っていました。しかし、母と親戚の間で決まった結論は違うものでした。

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■ 2度目の引越し!

母の話によると、親戚との話し合いの結果、次のように決まりました。

  • いつまでも親戚の家にご厄介になることはできないから、新たな家に引越す。
  • 引越し先は親戚のご好意に甘えて、親戚の家の近くにする。これで、何かあったときに親戚の方のお力をお借りすることができる。関西には戻らない。
  • 引越し先は、現在富氏が通っているα小学校の校区外とする。これは、富氏が現在の学校でうまくいっていないため。
  • 母はパートとして働く。これで、仕事と子育てを両立できる。

こうして、私は関西には戻らないことになりました。

私はこのことについては、複雑な思いでした。

私は関西にいた頃は、普通に学校でおしゃべりができたので、また関西に戻って普通の子どもに戻りたいという思いがありました。その一方、もし関西に戻っても、いまのように学校で話せないままだとしたら、どうしようかとも思っていました。昔のクラスメイトに、変わり果てた自分の姿を見られるのは、たまらなく嫌です。

■ お隣のγ(ガンマ)小学校へ

引越し先は、現在通っているα小学校のお隣にある、γ小学校の校区内になりました。γ小学校は、亡き父の母校です。もちろん、転校することになります。

正直なところ、この転校は嬉しかったです。いじめられている今の学校から去ることができるわけですから。また、転校により、また学校で話せるようになるチャンスがもらえたことも私にとってはありがたいことでした。

しかし、次の学校でも、またいじめられるのではないかという不安もありました。小学校入学以来、私はどの学級でもいじめを受けていたからです。それから、γ小学校もα小学校と同じ中学校の校区内というのが気持ち悪かったです。転校しても、中学校でまたいじめっ子と再会することになるからです。

[参考]

この付近の公立小学校と中学校
  • α小学校:現在、富氏が通っている学校。
  • β小学校:友達M君が転校していった学校。
  • γ小学校:富氏の次の転校先。
  • δ中学校:上記3つの小学校の卒業生は、ほとんどこの中学校に進学する。

■ α小学校をあとに

12月には引越しを済ませ、2学期いっぱいで現在のα小学校をお別れすることになりました。この学校にとどまった期間はわずか8ヶ月です。

N先生は、子ども思いの先生だったと思います。転校生の富氏に特別不利な扱いをするようなことはなく、クラスの一員としてちゃんと扱ってくださいました。父亡き後、私が先生に提出した日記には、

「お母さんはこのごろずっと家にいるんですか。お母さんのことも日記に書いてください。」
「お母さんはお仕事をするのですか。」


と、我が家の経済状況を気遣うともとれるコメントを残されています。

ただ、当時の私は、この先生のいじめに対する対応が気に入らず、大嫌いでした。先生がいじめられっ子の私を叱ったのは、私のことを思ってのことだろうと思うのですが、正しい対応だったのかどうかについては議論の分かれるところでしょう。

■ 新しい学校へ!

冬休みが終わり、小学4年の生活も3学期に入りました。この新学期から、γ小学校での新生活が始まりました。

この新しい学校で、前の学校のように話せなくなるということになってはなりません。

期待と不安が入り混じる中、γ小学校の門をくぐりました。

(つづく)

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◇ 2度目の転校で緘黙症状が悪化