場面緘黙症の発症率は?(2)

2006年02月25日(土曜日)

場面緘黙症の発症率の報告には、0.18%とか2%以上とか、最近10年でもかなりのバラつきが見られます。

↓ 前回の、場面緘黙症の発症率に関する記事
「場面緘黙症の発症率は?(1)」

こうなると、何でこんなに数字がまちまちなのか、本当は何パーセントなんだよ!などと言いたくなります。

[今回の目次]

■ なぜ数字がまちまちなのか?
(1)計算方法が違う
(2)場面緘黙症になりやすい国がある
■ どの研究結果にも共通すること:女緘黙児>男緘黙児
■ 実感としては、何%?

* * * * * * * * * *

■ なぜ数字がまちまちなのか?

(1)計算方法が違う

前回ご紹介した説のうち、例えば0.18%説、0.7%説は、DSM-Ⅳ(アメリカ精神医学会によるDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders 『精神障害の診断と統計の手引き』の第4版)が定めた場面緘黙症の診断基準に基づいたものです。一方の2%以上説は、DSM-IIIRの基準に基づいたものです。こうした診断基準が違えば、数字が違ってくるのは当然です(両者の診断基準の違いについては、補論でお話しています)。

その他、対象を幼稚園~小学1、2年生にしたとか、小学2年生だけに限ったとかいうところで、こういったところも数字が違うもとになっていると考えられます。

(2)場面緘黙症になりやすい国がある

前回お話した場面緘黙症の研究は、スウェーデン、スイス・ドイツ、アメリカ、フィンランドと、様々な国でなされたものですが、国によって緘黙児をとりまく環境は違います。

場面緘黙症は、様々な要因が絡み合って発症するとされていますが、外部の環境が影響を与える可能性が指摘されています。

例えば、先日ご紹介した洋書には、地理的に孤立した家庭の子供は緘黙児になる危険が高いと指摘されてあります(30ページ)。

* 以下引用 *

Families who are socially or geographically isolated may be more at risk of having a child with selective mutism.

* 引用終わり *

こういう、地理的に孤立しやすい状況がよくあるような国では、緘黙児の割合が高くなるかもしれません。

■ どの研究結果にも共通すること:女緘黙児>男緘黙児

しかし、こうも数字がまちまちなのに、不思議なことにどの研究結果にも共通することがあります。それは、緘黙児は女児の方が男児よりも多いということです。

■ 実感としては、何%?

私たちの実感としては、何%ぐらいなのでしょうか。

自分が緘黙児だったことを最近ネットで初めて知ったという日本人は多いですが、こういう人たちはときどき、「緘黙症のことを知るまで、自分のような人間は世界に1人しかいないと思っていた」などということを言ったりします。そうかと思えば、いや、緘黙児は実は結構たくさんいるんじゃないかと言う人もいて、いまいちよく分かりません。

私の記憶をたどってみようとしても、緘黙児が多いとされる幼稚園~小学校低学年の頃の記憶があまりなく、思い出せません。単に無口な女の子なら、クラスに数人はいたような、かすかな記憶があります。

小学校高学年以上の頃の記憶ならある程度残っているのですが、私のような緘黙児は見たことがありません。

(つづく)


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