資料No.6を加筆・修正しました!

2006年12月13日(水曜日)

資料No.6は、アメリカの場面緘黙症不安研究治療センター(スマート・センター)のE.シポンブラム博士の資料等をもとに、SMJ翻訳チームが、場面緘黙児の保護者、場面緘黙経験者と協力して、2006年10月に作成しました。

このたび、この資料を、場面緘黙症グループ小児期不安ネットワーク(SMG~CAN)の最高責任者であるロリ・ダブニー先生が書かれた新しい論文「小学校中学年以上や中高生の場面緘黙児について」”The Older Child or Teen with Selective Mutism”をもとに、加筆・修正しました。

資料No.6「中高生用 場面緘黙症を理解するために(第2版)」です。

この資料は、中学生以上の場面緘黙児が、自分の状態を理解するのに役立つ内容になっています。また、大人が子どもとコミュニケーションをとっていくための素材として使う形式になっています。大人が緘黙児に読んであげるのもよいでしょう。

この資料を使われる前に、まわりの大人達、保護者や先生や専門家は、子どものつらさを十分に理解している必要があります。また、それが子どもに伝わっていなくてはなりません。ぜひ「かんもくネット」の資料をお読み下さい。この資料は、場面緘黙症を十分理解している専門家(治療者)や先生と相談の上、お使い下さい。

論文「小学校中学年以上や中高生の場面緘黙児について」では、8~9才を過ぎると、高校くらいまで進展はとてもゆっくりな場合が多く、この年令での「小さな進展は大きな成果」と受け取るべきであるとあります。

小学校中学年で、場面緘黙児は、学校で普通に要求されることがいつも自分はできていないことを感じ、自分は人と異なるのだと、よりはっきり意識し始めます。そのため、子どもは、自己評価が低くなり、社会的に孤立しがちです。うつ状態や不登校に陥らないよう十分学校環境を整備することが必要です。つまり、「不安を軽減する配慮」だけでなく「学習面での配慮」「友達関係のサポート」などが、とても大切なのです。

そしてまた、緘黙児自身が自分の不安障害を理解するための支援がぜひ必要です。この難しい時期をどう乗り切ったかで大きく予後が違ってくるのです。

大きな修正は、後半の項目の順番を並び替え、次の「8.学校環境を整えてもらいましょう」を加筆したことです。
※ 資料No.3(1)と(2)も書き換え、第2版とする予定です。

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8.学校環境を整えてもらいましょう

 まず、学校で声が出ないために受ける様々な不利益を、出来るだけカバーしてもらえるよう、学校環境を整えてもらうことが大切です。日本ではまだ生徒一人一人の個性に合わせた教育に目が向けられるようになったばかりですので、学校はすぐには対応してくれないかもしれませんが、保護者や専門家は、根気強く学校に働きかけ続ける必要があります。あなたは、保護者と少しずつ話し合って、自分がいいなと思う方法を探していきましょう。

 学校ではリラックスできることが大切です。一緒にいて安心できそうな友達と、同じクラス、同じグループになれたり、教室の席が近くだったりすると安心する場合は、保護者から先生にぜひ伝えてもらいましょう。教室の席は、部屋の後ろ半分にある方が落ち着くかもしれません。何か希望はありませんか? 友達のことでいやなことがあった時は、なるべく早く保護者や先生に相談し、味方になってもらいましょう。今、あなたはこのことに関心があるでしょうか?(  )

 提出課題や連絡事項については聞きもらす場合があるので、メモ書きで知らせてもらうといいでしょう。大きな行事や予定は前もって知らせてもらい、どのように取り組みたいか保護者と先生と話し合っておくのはどうでしょうか? 発表などは、家で書いた物を先生に読んでもらったり、声が出ない時は5秒待って次に行くなど前もって打ち合わせをしておいたりする方法もあります。先生には、目立たない方法をクラス全体でとってもらうよう、保護者と相談してもらいましょう。不安のために参加できない行事は、他の形を検討してもらう方法もあります。言葉を使わず、活躍できる活動を行っていきます。今、あなたはこのことに関心があるでしょうか?(  )

 保護者を通して、質問や言いたいことを先生に伝えましょう。学校で、困った時のためにメモを用意しておいて先生に渡す、カードで意思表示する、メモを書いて渡す、といった方法もあります。いきなりそうするのが難しいなら、保護者に手伝ってもらって練習してみましょう。言葉を使わずに出来るコミュニケーションやクラスの係の仕事やクラブ活動をやっていくのもいいでしょう。今、あなたはこのことに関心があるでしょうか?(  )

 成績の面で不利益にならないよう、話す代わりに別のやり方で成績の評価をするよう考えてもらいましょう。場合によっては、自宅でテープやビデオテープを録画した物を利用したり、コンピュータを使用したり、グループ参加が難しいときは個別参加の形を検討してもらうのはどうでしょうか? また、レポートや美術の作品などの提出期限を延ばしてもらったり、学校でできなかった分は、家庭に持ち帰って遅れを取り戻したりできるよう配慮してもらいましょう。今、あなたはこのことに関心があるでしょうか?(  )

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なお、ロリ・ダブニー先生の論文はSMG~CAN有料サイト内のものですが、翻訳とSMJ掲載の許可がおりました。翻訳チームで今後翻訳を検討していく予定です。また、本資料作成に、SMJ掲示板の皆様にご協力いただきました。ありがとうございました。
(今回の記事は、けいこさんと相談の上まとめました)

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◇ 中高生用の場面緘黙症説明文を作りました!(資料No.6の初版に関する記事です)