場面緘黙症を取り上げた戦前の翻訳書

2007年06月17日(日曜日)

昨日公開した記事「日本初の緘黙研究?「口をきかない子供」(1951)・前編」ですが、少し書き直しました。

しっかり調べて書いたつもりだったのに、調べ漏れがあったことに気づいたからでした。

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ついでに、上の記事でも取り上げたロバン氏の『異常児』という本についてお話します。

高木氏の「口をきかない子」のさらに11年前、1940年(昭和15年)に、ジルベール・ロバン著、吉倉範光訳『異常児』という本が出版されました。

旧仮名遣いと旧字体が満載の相当古い本ですが、この本の中で、緘黙に関する記述があります。

↓ 旧仮名遣いと旧字体は現代風に変えています。

わたしの同僚がある日、十歳の児童を恐らく緘黙症であろうからと廻してきた。成程、訊いても答えない。幾度か尋ねても、たまに単語を答える程度である。家庭では口をきくし、両親の話によると、可成りに陽気であるらしい。学校でも友達とは口をきく、それもたった一人の友達とだけである。[注]

ただし、事例として軽く取り上げられているだけです。

私が見た限りでは、国内初の緘黙研究文献は高木氏の「口をきかない子」(1951)です。しかし、それより以前にも、翻訳書というかたちで緘黙が日本で紹介されていたようです。

ロバン氏の邦訳書よりも古いもので、緘黙を取り上げた日本の学術文献は今のところ知りません。そういうわけで、「緘黙年表」にロバン氏の『異常児』を加えておきました。

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◇ 「日本初の緘黙研究?「口をきかない子供」(1951)・前編」

[注] ジルベール・ロバン著、吉倉範光訳『異常児』、白水社、1940年、378ページ。