
ずいぶん前に、ある方から、場面緘黙症の子どもの写真ドキュメントがあるという情報をいただきました。
かつて小学校教諭だった鹿島和夫氏が書いた『ひびきあうこどもたち〈1〉りかちゃんがわらった』という本です。
その本を今日、図書館で読んできました。感想を書きたいと思います。
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この本では、小学校1年の「学校緘黙児」、りかちゃんの場面緘黙症が治るまでが書かれています。
しかし、遊戯療法や行動療法に通じた専門家が話の中で登場するわけではありません。また、『
場面緘黙Q&A』や『
場面緘黙児への支援』のような本を熟読し、スモールステップで場面緘黙症を治そうとするお母さんが出てくるわけでもありません。
りかちゃんの場面緘黙症を治したのは、りかちゃんのクラスメイトたちでした。学校で話をしない、牛乳も飲もうとしないりかちゃんが、みんなと同じように学校でのびのびと過ごせるようになるにはどうすればよいか話し合い、りかちゃんに色々と手助けをしたのです。そうした経過の中で、りかちゃんの場面緘黙症が少しずつ治っていったのでした。
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小学校は勉強の場です。国語、算数、生活などの教科の勉強はもちろんですが、学校生活の経験一つ一つが勉強でもあります。場面緘黙症の子との出会いと関わりも、児童たちにとっては一つの勉強なのだと考えさせられました。こうしたことを考えさせられたのは、この本が児童精神医学や教育心理学の専門家ではなく、教育者の視点から書かれたものだったからでしょう。
クラスメイトたちがりかちゃんの問題を自分たちで考え、りかちゃんを手助けし、場面緘黙症を治したのは、一つの美談と言えます。
ただ、場面緘黙症はやはり、クラスの子どもたちに考えさせるだけではなく、教師や保護者が関わったり、専門家に相談したり、治療を受けさせたりするのが望ましいのではないかと思います。子どもたちに考えさせるとしても、それを見守る教師が場面緘黙症について正しい知識を持っていることが大前提でしょう。物語では書かれていませんが、おそらくりかちゃんの担任の先生(著者)も、陰で場面緘黙症のことを勉強していたでしょうし、もしかしたら専門家に何らかの相談をしていたのかもしれません。
なお、この写真ドキュメントは、小学生向けで、子どもでも読むことができます。子どもに読んで聞かせるのもよいと思います。
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