[緘黙] 家に先生が来た! [ストーリー]

2008年06月03日(火曜日)

緘黙ストーリー、中学生編の第6回です。通算第33話をお届けします。今回は、家庭のことを書こうと思います。

■ 家庭訪問

学校では緘黙してしまうけれども、家ではリラックスして声を出すことができた私でした。それでは、家に学校の先生が訪れた場合、私はどうなってしまったのでしょうか?

そう、あの「家庭訪問」の日が、やってきたのです!家という私にとっての安全地帯に先生が来られるわけですから、その日が来る前から気が気でありませんでした。

家庭訪問当日、先生がいらっしゃる時間帯には、家には私を除いて誰もいませんでした。母親も仕事で不在でした。私は先生が来られる前に、家の中(特に自分の部屋)をきれいに掃除、整理整とんし、わざとらしく勉強しながら先生を待っていました。

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◇ 先生が来たら、緘黙してしまった

しばらく待っていると、先生がいらっしゃいました。私は玄関を開けたのですが、このとき既に私は緘黙してしまっていました。いつもは家にいるとおしゃべりができるのに、先生が来られるとそうでなくなってしまったのです。

このとき、もし一緒に母親もいたとしたら、もう少しリラックスできたのかもしれません。

◇ 自分の趣味を知られることが、恥ずかしくて耐えられない!

その後、たしか私の部屋に先生をお招きして、そこで先生と簡単な話し合いをしました。といっても、声を出していたのは先生だけで、私はうなずいたり首を振ったりしていただけなのですが。

そのとき、先生はたまたま、私の部屋にあるプテラノドン型のプラモデルを発見しました。

「あれ、恐竜のプラモデル?富条君って、恐竜が好きなんだ!」

なんだか先生は妙に嬉しそうにされていたのをよく覚えています。おそらく先生は、学校ではいつも無口、無表情で、何を考えているのかよく分からない私の思わぬ一面を発見して、嬉しく思われたのではないかと思います。

しかし、私としては、かなりまずいものを先生に見られてしまった、恥ずかしい!という思いでいっぱいでした。私は極度の恥ずかしがり屋で、自分は家ではどういう趣味を持っているとか、そういうことをクラスメイトや学校の先生に知られることすら、とても嫌っていたのです(そんなに見られたくないものなら隠しておけばよかったのですが、詰めが甘かった…)。

ちなみに、先生がおっしゃった「恐竜のプラモデル」は、何年か前に買ってもらった「ゾイド(ZOIDS)」という架空の戦闘機械獣のおもちゃでした。

■ 普段の家での私

以上は家庭訪問という非常時の私の姿でしたが、普段の私は家ではリラックスして家族とおしゃべりしていました。

日中は外に出ず、家の中で過ごすことが多かったです。習い事には通わせてもらえませんでした。

家では勉強はしていましたが、なんとなくテレビを見て過ごす時間も多かったです(もったいない…)。また、この頃、母親がシャープの専用ワープロ「書院」を買ってきたのですが、これでよく遊んでいました。おかげで、ブラインドタッチを覚えてしまいました。

それから、親の方針で定期購読していた『中一なんとか』という雑誌もよく読んでいました。なお、『中一なんとか』の「なんとか」の部分には、「コース」「時代」の好きな方を入れてください。私は「コース」派と「時代」派の争いには巻き込まれたくありません。

とにかく、インドアな私でした。

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◇ 目立たない女子とかかわる