仮想現実の体験で場面緘黙症を治す

2008年09月18日(木曜日)

フロリダ中央大学のニュースです(すみません英語です、新しいウィンドウは開きません)。場面緘黙症についても最後の方に少し書かれてあります。

Virtual Reality Helps UCF Clinic Treat With Anxiety Disorders (With Video)

バーチャル・リアリティーの世界の体験を通して不安障害や場面緘黙症を治す(「VRエクスポージャー」などと呼ばれます)というと、なんだかとても新しい試みのように思えます。

ただ、その治療の原理は、不安な状況に身をさらすことによって不安を克服するという、伝統的なものです。この原理を用いた場面緘黙症の治療事例は、日本では古くはおよそ50年も前に報告されています(「内山喜久雄の緘黙症研究(2)」参照)。また、2007年に日本で翻訳版が出版された『場面緘黙児への支援』も、同じ原理を採用しています。英語圏では、こうした治療法(行動療法)が場面緘黙症の治療によく導入されています。

行動療法では、子どもが発語ができない場面(例。学校)で段階的に発語練習をしますが、必ずしもそうした場面で練習の機会を得ることはできないかもしれません。しかし、そうした場面をバーチャル・リアリティーの世界で簡単に設定できれば、便利です。ただ、どこまでリアルな状況を設定できるかが気になります。

バーチャル・リアリティを活用したこうした治療法については、高所恐怖症、飛行恐怖症ほか、既に様々な恐怖症に導入され、治療研究の蓄積もあります(宮野, 2004)。この治療法に大きな効果が認められ、費用もそれほどかからず、効果的なPRが行われれば、普及してもおかしくありません。実際には、どこまで普及しているのでしょうか。

※ ごく一部を書き直しました(9/19/2008)。
※ ブログ拍手は、[文献] の下です。いつも拍手ありがとうございます。

[文献]

◇ 宮野秀市. (2004). Specific Phobia の改善に向けた簡易型VRエクスポージャーの開発. Retrieved September 18, 2008, from
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/463/3/Honbun-3683.pdf