[緘黙] 緘黙の男の子は、カワイイ? [ストーリー]

2008年10月07日(火曜日)

緘黙ストーリー、中学生編の第10回です。通算第37話をお届けします。

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中学2年の新しいクラスでは私は友達を作らなかったものの、一部の女子に「カワイイ」と言われ(私は男です)、異常にかわいがられてしまいました。

真面目な話ですが、私がこれだけ女子に気に入られたのは、私が場面緘黙症だったことと無関係ではなかったのではないかと思うのです。

■ 女子のガキ大将?Nさんに、異常に気に入られてしまう

事の始まりは、新クラスが始まって早々に行われた席替えで、Nさんという女子生徒の隣の席になったことでした。Nさんは「やんちゃ」な人で、クラスの中心グループの中でも、リーダー格にあたる人でした。このNさんが、女友達2~3人とともに、私のことを「カワイイ」と言い出し、やたらと私にベタベタ接してきたのでした。彼女たちは、馴れ馴れしくも、私のことを「ヒロシ」と下の名前で呼び捨てにしていました(※ 「富条洋」はハンドルネームです)。

クラスの中心グループの女子が、私をかわいがるものですから、私はすっかり目立つ存在になってしまいました。クラスでも最も無口で大人しい私が、実に妙なものです。

■ 「カワイイ」と言われたのは、これが最初で最後ではない

実は私が同年代の女子から「カワイイ」と言われたのは、これが初めてではありません。第22話「富条のことが好きな女の子?」でお話したように、既に小6の頃、ほかのクラスの知らない女子から何度も「カワイイ」と言われています。高校に入っても、新しく知り合った複数の女子生徒から、やはり「カワイイ」と言われ続けます。

私を見た当時の同年代の女子の、ある程度共通した感想が、「カワイイ」だったのです。

■ 私のどこがカワイイのか!?

私のことを「カワイイ」と言う、彼女たちの真意が私には分かりませんでした(今でも分かりません)。むしろ私は、自分は内向的で運動音痴で、異性からは好かれないタイプだろうと思っていました。

こんな私の、どこがかわいかったのか。私が推測するに、おそらく「箸が転んでもおかしい年頃」の彼女たちにとって、学校で何も話さない異性は、面白くて不思議で仕方がなかったのではないかと思うのです。それを言葉で表せば、「カワイイ」がぴったりきたということなのでしょう。

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このようなことを以前にもこのブログで書いたことがあるのですが、「いや、それは、富条さんの外見がかわいかったからですよ」というご意見をいくつかいただきました。しかし、そうとも思えません。外見がかわいい男子は学校にはたくさんいましたが、私のように、ここまで極端にベタベタされた男子は他に見たことがありません。だいいち、私が他の男子と違っていた特異な特徴と言えば、外見よりもむしろ緘黙行動でした。

しかし、私以外の場面緘黙症を経験した男性で、異性に「カワイイ」と言われ続けた人の話を、私は聞いたことがありません。私が女子にあのように言われたのは、場面緘黙症以外にも何か理由があったのでしょう。

なお、私のことを恥ずかしげもなく「カワイイ」と言う女子に限って、私のことは恋愛対象とは見ていない様子でした。

落書き

↑ Nさんが私の教科書(地理)の背表紙に残した落書き。「Love Love(ハートマーク)」と書かれてあります。

■ ちょっとしたショックだった

中2当時の私は、彼女たちに戸惑いながらも、素直に喜んでいました。異性にちやほやされたのですから、無理もありません(いま思うと、なんだか馬鹿にされたようで、ちょっと腹も立つのですが…)。

加えて、ちょっとしたショックも感じていました。当時の私は、自分は価値がない人間だとか、多くの人が自分のことを嫌っているとか、とても暗いことを考える少年でした。そんな中、彼女たちと出会い、「自分と一緒にいて、楽しいと思う人が世の中にいるんだ」と気づいたことは、私の自尊心に影響を与えました。

このクラスで私のことを「カワイイ」と言った女子は、みなやんちゃな人たちでしたが、私に対しては好意的でした。そうした彼女たちとの触れあいについて、この後の緘黙ストーリーで1~2回ほど書いていく予定です(あくまで「予定」です)。

※ ブログ拍手は、この下です。いつも拍手ありがとうございます。

※ 文中に意味が通らない箇所があったので、一行ほど書き足しました(10/08/2008)。ドジだー。(>_<)

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◇ どうして彼女は、僕のためにここまで

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