専門雑誌に載った場面緘黙症(日本)

2008年12月18日(木曜日)

一部の職業の人の間で読まれている専門雑誌で、場面緘黙症が紹介されたことがあります。今回は、私が知っている中でも比較的最近のものを取り上げ、これらを読んで感じたことや考えたことをまとめます。

■ 『月刊地域保健』2008年8月号

『月刊地域保健』という、どうやら保健師を主な読者層とする雑誌があるのですが、この2008年8月号に

「言葉と発達 いまどき子育てアドバイス 連載・131 場面緘黙(選択性緘黙)について」

と題する、場面緘黙症の紹介記事が掲載されました。著者は言語聴覚士の方で、ページ数は5ページです。

吃音の話が続いたついでに、緘黙(かんもく)についてお話しします。

という出だしから始まります。緘黙は吃音のついでなのかと思ってしまうのですが、過去にも、『こころの科学』2006年11月号で、緘黙が吃音とセットで解説されたことがあります。場面緘黙症はマイナーなので単独では記事にしづらいということなのでしょうか。

※ 余談ですが、吃音の教師を主人公とした重松清原作の短編小説「青い鳥」が映画化されたそうですね(主演・阿部寛)。「青い鳥」を収めた同タイトルの本の中には、場面緘黙症の子どもの話「ハンカチ」も収められています。

"選択性"と聞くと、子どもが「自分で場面を選択して話さない」かのような印象ですが、実際には「外では話せない」状態です。誤解を避けるため、ここでは「場面緘黙」という用語を使ってお話ししていきます。

どこかで聞いたことがある話だなと思いつつ読み進めたら、『場面緘黙Q&A』や、同書を手がけた緘黙支援団体ウェブサイトの紹介が。日本でも緘黙支援団体が、こうした専門雑誌で紹介されるようになったということで、なかなか興味深いです。

場面緘黙症について、分かりやすくまとめられてあると感心しました。

■ 『教育ジャーナル』2008年1月号

『教育ジャーナル』2008年1月号に、「『場面緘黙症』の子どもの気持ちを知ってください」という記事が掲載されました。これについては既にお話しました。興味のある方は、以下の記事をご覧下さい。

「緘黙の子の気持ち、知って」
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■ 『日本医事新報』2007年4月21日号

『日本医事新報』という雑誌の2007年4月21日号(No. 4330)に、

「こどものこころの症状に気づいたら 第6回 家の外では話をしない-選択性緘黙」

と題する記事が3ページにわたって掲載されています。著者は、子どもを対象にした心療内科の方です。

最近の英語圏の研究動向をも参照し、場面緘黙症について簡潔に、しかし実に的確にまとめています。

医師が場面緘黙症を解説したものはこれまでにもいくつか読んだことがあるのですが、いずれもよくまとめられてあり、さすがは専門家、緘黙についてよく理解していると頼もしく思えました。しかし、ネット上では、医師に緘黙について診てもらったところ不満を感じたという人の声をちらほら聞くこともあります。このギャップは、いったい何なのだろうと不思議に思います。