15日の、米英の緘黙関連記事

2009年01月16日(金曜日)

アメリカとイギリスのニュースサイトに、場面緘黙症に関する記事が出たので(現地時間15日)、読んだ感想を書きます。

■ 寄付金85ドル

一つ目は、The Fulton County News という、アメリカ・ペンシルベニアの新聞のウェブサイトに公開された記事 "Community Aids In Battle Against Selective Mutism" です。

場面緘黙症の男の子を持った家族が、緘黙の認知度を上げる目的で25セントの whistle(笛?)等を販売したところ、85ドルものお金が集まったとのことです。

緘黙の子どものために家族はよくこれだけのことをするなと感心しますが、笛を買った大勢のコミュニティの人たちの善意にも驚かされます。緘黙というと、周囲の無理解に苦しめられたという経験者の話をよく聞きますが、このような話もあり、分からないものです。

■ 「チャリティ・ショップ」に仕事を得た17歳の緘黙経験者

もう一つは、イギリスのウェールズ地方を対象にした情報サイト WalesOnline.co.uk の "Rhys overcomes problems with some expert support" という記事です。

ある場面緘黙症の17歳男性が、ウェールズ政府が支援する Skill Build というプログラム(職業訓練か)を活用して、「チャリティ・ショップ」に仕事を得て、うまくやっているという内容です。

つい先日も、このブログで緘黙経験者の社会適応に関する論文について取り上げたばかりだけに、興味深く読みました。

私としては、職業訓練所では当初何も話せず、孤立していた彼がお店で適応するに至るまでの過程を、できればもっと詳しく知りたいと思いました。職業訓練所では、彼が場面緘黙症に立ち向かい、自信をつけるのに手助けをした職員がいたそうですが、例えばこの方は具体的にどのような支援を行ったのか。

今回はあくまでイギリスの例ですが、10代後半で場面緘黙症の人であっても、訓練を受け、伴走者に恵まれれば社会に十分適応し得るということで、勇気付けられます。ただ、仕事を得たところが慈善団体関係なのが気になります。慈善団体関係だから、緘黙経験者でも特別理解して雇ってくれたとか、そうした事情がないかどうか(それもそれで、悪いことではないと思うのですが)。また、チャリティショップの店員に収入はあるのかどうか(全く社会参加できないよりは、ずっと良いとは思うのですが)。

[追記]

「チャリティ・ショップ」とは、Wikipedia(最終アクセス2008年1月16日)によると、「資金集めの目的で慈善団体により運営される小売店(a retail establishment operated by a charitable organization for the purpose of fundraising)」のことです。
Charity shop
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