効果的な治療法の研究に、11億ドル(米)

2009年02月19日(木曜日)

アメリカのオバマ大統領が17日、7,870億ドル(約73兆円)の景気対策法案に署名し、同法案が成立したというニュースは日本でも報道されました。

実はその7,870億ドルのうち、11億ドル(約1,060億円)は、病気の様々な治療法のうち、どれが効果的か、費用対効果が高いかの研究に配分されています。

この事実は、おそらく日本のメディアはほとんど報じていないのではないかと思うのですが(他国の細かいニュースですから)、アメリカのメディアは報じています。

Google ニュース検索 "comparative effectiveness research"
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The New Yort Times の記事 "U.S. to Compare Medical Treatments"
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場面緘黙症の治療法を例に解説しましょう。場面緘黙症の治療法には、遊戯療法、箱庭療法、行動療法、認知療法、薬物療法ほか様々な治療法がありますが、このうちどれが最も効果があるか、費用対効果が高いかを研究するということです。もっともこれはたとえ話で、11億ドルの予算が、実際に場面緘黙症の治療法の研究にも回されるかどうかは私には分かりません。

リンク先の一つに挙げたNYTの記事は、このような予算が組まれた背景の一つに、アメリカで膨張するヘルスケア支出の問題を挙げています。今より効果的な治療法や費用対効果の高い治療法がとられるようになると、ヘルスケア支出が抑制できるのではないかということです。

病気や症状の治療には、公的支出が関係している場合が多いです。効果の薄い治療法、費用対効果の悪い治療法を続けることは、その病気の治療を望む患者にとって好ましくないだけでなく、公的支出が過剰に膨らむという問題もあるわけです。

※ 私がこの点をつい強調してしまうのは、大学の専攻が経済学だったからだと思います。希少な資源(人的資源なども含む、広い意味での資源)を効率的に配分するにはどうするべきか、これは経済学の重要なテーマです。

場面緘黙症についても、どの治療法が効果的か、費用対効果が高いかがより明らかにされ、その情報が、専門家のみならず、当事者やその保護者の間でも共有されようになることを願っています。そうなれば、治療を望む緘黙の子やその保護者がより救われるようになるのはもちろん、人、物、お金、etc.も、もっと有効に活用されるようになるでしょう。