日本の多くの文献にも、早期発見・早期治療が必要と書いてある

2009年07月21日(火曜日)

先日、場面緘黙症Journal 論文情報で、緘黙の早期発見・早期治療の必要性を指摘した国内文献をまとめました。

緘黙症の早期発見・早期治療の必要性を指摘した国内文献
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■ 多くの文献で指摘

早期発見・早期治療の必要性は、日本でも古くから、多くの文献で指摘されてきました。

一方、治療は遅くなってもよいとか、そのままにしておけばよいなどとした文献は見つかりませんでした。もっとも、そう考える専門家は、緘黙症に関する研究を著すことはないのかもしれませんが。

■ 早期発見・早期治療が必要な理由は?

では、なぜ、緘黙症は早期に発見・治療されなければならないのでしょうか。上に挙げた文献の中には、その理由を示していないものもありますが、理由を示した文献の中からまとめてみます。

◇ 早めの方が治療効果が高い

最も多かったのが、早めの方が緘黙症の治療効果が高い、ないし、長期化した緘黙症は治療効果が上がりにくいという理由です(角田, 2008; 椎名ら, 1998; 河井, 1994; 牧野, 1987; 大井ら, 1982; 大井ら, 1979; 畠瀬, 1978)。実際に早期治療の方が効果が出ています。

◇ 社会性の獲得の面で問題

次に多いのが、緘黙の期間が長引くと、社会性の獲得の面で問題であるという理由です(角田, 2008; 大村, 2006; 木場, 1987; 堀内, 1974)。

◇ その他の理由

一般向けに書かれた『場面緘黙Q&A』は、数ある文献の中でも、特に早期発見・早期対応の重要性について詳しくまとめており、緘黙の期間が長引くことにより生じる様々な問題を挙げています(角田, 2008)。

◇ 後遺症は?

なお、緘黙は治った後も様々な問題が残る、いわゆる「後遺症」の問題について指摘した文献はほとんどありませんでした。『場面緘黙Q&A』ぐらいのものです(角田, 2008)。

■ むすび

緘黙症の早期発見・早期治療の必要性は、日本でも古くより多くの文献で指摘されてきました。

早期発見・早期治療が必要な理由としては、早めに対応した方が治療効果が高いこと、緘黙の期間が長引くと社会性の獲得の面で問題があること等が挙げられています。