[緘黙] 今年の入試は厳しくなりそう [ストーリー]

2009年10月01日(木曜日)

このブログでは、私が緘黙だった頃のことを連載形式で書き続けています。今回は中学生編の第24回です。通算第51話をお届けします。

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今回は、中3の2学期の出来事を、ざっとお話したいと思います。

■ 学校行事

2学期には、運動会に遠足、そして文化祭ほか学校行事が目白押しでした。

運動会では、私は応援委員という仕事をしました。しかし、極端に引っ込み思案だった私が、自らすすんでこのような仕事をしたわけではありません。たしか、くじ引きの結果か何かをもとに委員を引き受けることになったように思います。しかし、元陸上部のRさんに「何か一緒にやろう」と誘われたような記憶もあり、定かではありません。

それにしても、このクラスで私を何かに誘ってくれるような人は、Rさんぐらいのものでした。なお、Rさんはチアリーダーを担当したのですが、私は裏方の仕事をしました。

※ Rさんは、夏休み頃に陸上部を引退したので、今回から「陸上部のRさん」と名前を改めます!

遠足では、例によって、いじめっ子A~C君と同じ班にさせられてしまい、もともと楽しくない遠足が、ますます楽しくなくなってしまいました。文化祭ほかについては、特にここで書くことはありません。

■ クラスメイトとの関係

クラスでは、相変わらずいじめっ子A~C君や、不良少年A、B君にいじめられ、「卒業までの我慢」と自分に言い聞かせながら学校に通い続けていました。私のいじめや家庭問題で相談にのっていただいた理科の先生のお話によると、中3は、受験ストレスから、いじめが起りやすいとのことでした。

2年のときに出席番号が同じだったSさんは、相変わらず、なぜか私と距離を置いていました。逆に私から仲良くしようと働きかけることはできず、疎遠な状況が続いていました。2年のときはあんなに仲良かったのに、今やただ同じクラスに籍を置いているだけの間柄になってしまいました。

一方、元陸上部のRさんやPさん・Qさんコンビには、相変わらず親しくしてもらっていました。この時期になると、いじめられっ子の私に優しくしてくれる彼女たちが、神々しくさえ思えてきました。彼女たちが私に具体的にどう親しくしてくれたのか、あまり思い出せないのですが、なんだか申し訳ないほどよくしてもらい、ありがたすぎるという感情を持っていたことだけは覚えています。

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■ 職業体験

この頃、家庭科の授業で、学校近くの保育園へ行って子どもの世話をしました。

しかし、例によって、緘黙の私は子どもとコミュニケーションが全くとれず、強い挫折感を味わいました。他のクラスメイトはうまくやっていたのですが…。

今回の授業は一種の職業体験だったようですが、ひどい有様です。

余談ですが、この頃の私は、私は家庭科の調理実習とか、理科の実験とか、共同で何かをさせると、ほとんど見ているだけしかできませんでした。今回の職場体験のこともあわせて考えると、将来社会に出て仕事をやっていけるかどうか、改めてはなはだ不安に感じました。

■ 晩生富条

この頃にはまた、学校でよく「タバコの害」について教えられました。中3ぐらいになると、トイレに隠れてタバコを吸うなどの行為をする生徒が増えるとのことです。大人への憧れや背伸びしたい気持ちが、彼ら・彼女らをそうさせるという、よくある説明も聞かされました。

私はタバコには、全く興味がありませんでした。それは、学校による啓発活動の影響もあったのかもしれませんが、それだけでなかったのではないかと私は考えています。そもそも大人への憧れや背伸びしたい気持ちが、奇妙なことに私には全くなかったのです。

タバコのことに限らず、私はこの年頃の中学生特有の関心事に、やたらと疎いところがありました。

このことと関係があるかどうかは分かりませんが、私は同年代の若者に比べて、際立って幼いと常々感じていました。もしかすると、私は緘黙状態が長引き、人との交流をあまりとらなかったので、社会性の発達が遅れたことが一因ではないかとも思います。

■ 近づく入試

高校入試は、確実に近づいていました。来年2月の頭には、早くも私立高校の一般入試があります。

学校生活も、受験対策モードに入りつつありました。先生方は、受験対策用の問題集を配布したり、習熟度別授業を行ったりと、新たな対策に乗り出しました。

この時期になると、緘黙を治そうとか、そうしたことは私の頭からほとんど消えていました。とにかく受験のことで頭がいっぱいでした。

しかし、私の成績は下降を続け、学年順位も、これまでにないほど低い水準にまで落ち込んでいました。

■ 今年の入試は厳しくなりそう

10月には、公立高校の来年度募集定員が発表されました。

私たちの地域では、私を含め、公立高校を第一志望としている人が大半でした。私立は公立に落ちた人が行くところとみなされていたのです。それだけに、公立入試の動向は気にかかりました。

ところが発表された公立高校の募集定員は、前年度に比べてかなり削減されていました。先生は、今年の展望をこう示されました。

「昨年以上に厳しくなりそうです」 (つづく)

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◇ [緘黙] 進路について考える [ストーリー]