場面緘黙症と夜尿、遺尿、遺糞症

2009年10月20日(火曜日)

先日、場面緘黙症と夜尿・遺尿症や遺糞症の合併を報告した文献を、「論文情報」のページでまとめました。

まず、夜尿、遺尿、遺糞症とは何かをお話しするために、説明のあるページへリンクを貼っておきます(Google ブックスへのリンクです)。

◇ 夜尿症の説明
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◇ 遺尿症の説明
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◇ 遺糞症の説明
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少なくとも私が目を通した場面緘黙症に関する文献では、夜尿症と遺尿症は特に区別されません。また、これらに遺糞症を加えて「排泄障害」とひとまとめにされる場合もあります。

■ 場面緘黙症と夜尿・遺尿症

場面緘黙症の調査を行うとき、合併する問題として、夜尿・遺尿症の有無が調査されたり報告されたりすることは多いです。ただし、場面緘黙症との関連を深く考察した文献は、なかなか見かけません。合併症として場面緘黙症との関連が注目されているのは、不安障害(特に社会不安障害)です。

夜尿・遺尿症は、場面緘黙症の子どもが合併していることが比較的多い神経症的症状として、取り上げられることがあります。夜尿・遺尿症の有無について、場面緘黙症児とそうでない子を比較対照した数少ない研究の一つであるKristensen(2000)では、夜尿・遺尿症を合併した緘黙症児は29.6%(54人中16人)だったのに対して、緘黙でない子どもの場合は7.4%(108人中8人)という有意な差が報告されています。

夜尿・遺尿症を合併する緘黙症児の割合は、報告によって多少差があります。Kristensen(2000)の29.6%という数字は、かなり高めです。

[合併率の報告]

南ら(1987)14.7%、大井ら(1979)12.5%、一谷ら(1973)15.0%、内山(1959)13.0%

Arieら(2006)11.1%、Bar-Haimら(2004)18.8%、Kristensen(2000)29.6%、Dummitら(1997)4.0%、Steinhausenら(1996)25.0%、Dummitら(1996)4.8%、Blackら(1995)16.7%、Blackら(1994)26.7%、Kolvinら(1981)41.7%

■ 場面緘黙症と遺糞症

遺糞症との合併は、夜尿・遺尿症ほど調査が行われているわけではありません。

報告によると、遺糞症を合併している緘黙症児の割合は、夜尿・遺尿症を合併している緘黙症児よりも少ないようです。

[合併率の報告]

Kristensen(2000)14.8%、Steinhausenら(1996)8.0%、Blackら(1995)6.7%、Blackら(1994)6.7%、Kolvinら(1981)16.7%