日本の緘黙研究を概観した論文

2010年02月16日(火曜日)

矢澤久史氏(東海学院大学)の「場面緘黙児に関する研究の展開」(2008年)が、ようやくネットで無料公開されました。

これは、日本の場面緘黙児に関する研究の展開を、特に初期の研究や、近年の研究に焦点を当てて概観したものです。

場面緘黙児に関する研究の展開
新しいウィンドウで開く

↑ 国立情報学研究所が提供するサービス「CiNii」へのリンクです。ページ中段「本文を読む/探す」の「CiNii PDF」ボタンをクリック。PDFを閲覧するにはAcrobat Readerが必要です。Acrobat Readerはこちら(新しいウィンドウで開く)からダウンロードできます。

最近場面緘黙症を主題にした本の出版が相次いでいますが、いずれも英語圏の本の翻訳や、海外の手法を多く取り入れたものばかりです。日本の研究動向を知りたいという方には、上の論文はおすすめです。

日本の先行研究を積極的に引用した文献として、皆さんがお馴染みのものとしては、故河井芳文氏と河井英子氏による『場面緘黙児の心理と指導』(1994)があります。この本も、日本の研究を概観するのに役立ちますが、近年の研究はどうしてもカバーしていませんし、初期の研究についても弱いです。

もしかするとあまり知られていないかもしれないのでお話しすると、場面緘黙症に関する国内の研究は、最近でもある程度出ています。これらは、緘黙症に関する研究というよりはむしろ、緘黙の子を○△療法で治したという、治療の事例研究が多いです。矢澤氏の論文には近年の国内の事例研究が何件も引用されていますが、これらはごく一部で、おそらく代表的なもののみを取り上げたのだろうと思います。