『緘黙・孤立児』

2010年04月01日(木曜日)

本Amazon.co.jp で「緘黙」と検索すると、十数冊の本がヒットします。その十数冊の一つに、『緘黙・孤立児(情緒障害児の教育1)』があります。1974年に出た少し古い本なのですが、今回はこの本について取り上げてみます。

『緘黙・孤立児』は、全国情緒障害教育研究会が編集した本で、執筆者には、大学教授や学校教諭、教育研究所の研究員などが名を連ねています。およそ200ページの内容のうち、前半100ページほどが緘黙、後半が孤立児を扱っています。1974年当時に、緘黙についてこれだけまとまった書物が出ていたことは特筆すべきです。本書からは、緘黙について、全情研である程度の研究の蓄積が進んでいたことも窺い知れます。

緘黙児に関する内容では、「緘黙児の概念」「緘黙児の指導事例」「緘黙児指導の方法と問題点」の3つの章からなっています。特に指導事例に多くの紙幅が割かれており、およそ100ページのうち70ページ近くを占めています。その指導事例は、相談機関や治療機関での遊戯療法、小学校での指導、情緒障害学級での指導ほか、多様です。このことからも分かるように、臨床場面で緘黙の子と接する専門家や、学校や幼稚園等で緘黙児を指導する立場にある教育者の視点から書かれてあります。

本書は既に絶版になっており、入手がやや難しくなっています。現在でも考えさせられること、勉強になることも書かれてはあるのですが、何しろ古い本ですし、緘黙について、特に遊戯療法などの事例について深く学びたいと思う方でもない限り、無理に入手して読む必要もないだろうと思います。