場面緘黙症の治療体系もどき(1)

2006年04月15日(土曜日)

[ご注意]

この内容は少々古いです。最近の記事をご覧になりたい方はこちらへ(01/06/2007)。

http://smjournal.sakura.ne.jp/kanmoku_kiso_treatment.html

* * * * * * * * * *

場面緘黙症の治療について、これまで薬ばかり強調してしまいましたが、もちろん薬物療法ばかりではありません。

今回は、場面緘黙症の治療体系「もどき」をお示ししたいと思います。専門家はどういう治療を行っているのか、全体像を概観します(個別の治療法については、別の機会に詳しくお話する予定です)。

といっても、場面緘黙症については、まだ治療体系が確立されていません。

今回お話する内容も、「治療体系」と呼ぶに値する内容とは言えないと思います(ですから「もどき」なんて言葉使っているわけです)。お話できる範囲でお話します。

* * * * * * * * * *

繰り返しますが、場面緘黙症の治療体系は、まだ確立されていません。どういう治療が効果的かという研究がまだ進んでいませんし、そもそも、場面緘黙症の原因すらはっきり分かっていないからです。

とはいえ、専門家による治療は、手探り状態ではありますが、ある程度行われています。

子供によって症状等が異なるので、治療の内容は子供によって異なります。色々な治療法を組み合わせて行われる場合もあります。いずれにせよ、早めの治療が効果的のようです。

■ 行動療法(おすすめ度★★★)

英語圏の情報によると、場面緘黙症を治療する際、大抵はまずこの行動療法の可能性を考えるようです。今のところ最も研究が進んでおり、また最も有望なのがこの行動療法なのだそうです。

行動療法では、緘黙のような行動を学習された誤った行動と考えます。そして、そういった行動を正しい方向に持っていこうということです。

内容は、恐怖を感じるような局面にわざと段階的にさらさせることにより、その恐怖を少しずつ克服しようという暴露療法や 系統的脱感作法などがあります。

■ 認知行動療法(おすすめ度★★☆)

行動療法と似た名称ですが、認知行動療法は患者の認知(考え方)を変えることが目的です。例えば、何かの状況に対して極端な恐怖を抱いている子供の場合、そうした不安がかたよったものであることを認知させるわけです。

まだ十分効果があるのかどうか、学術的には分かっていないようです。

■ 遊戯療法(おすすめ度★★☆)

私が研究対象としている英語圏はもちろん、特に日本語圏の緘黙サイトに、よく言及が見られます。治療者が緘黙児と言葉を使わないで一緒に遊びます。「箱庭療法」もこれに含まれます。

しかし、効果のほどは、学術的にはっきり分かっていないようです。

■ 薬物療法(おすすめ度★★☆)

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)型の抗うつ剤などを使います。プロザック、パキシル、ルボックス、ゾロフトなどがあります。こういった薬の多くは、厚労省の認可が下りていません。

※ SSRIの中には、厚労省の認可が既に下りているものもあります。(09/02/2006)

薬の効果や副作用は、やはり十分には明らかにはなっていません。子供がこうした抗うつ剤を服用することは危険という声もあります。ですから、まずは行動療法を試してから、効果がなければ薬物療法を選択肢に入れるようにするべきだという主張もあります。

(つづく)


さっぱりオリジナリティのない記事に、これでいいのかと自問自答する今日この頃です。その上、私のような素人が、こういうのをまとめるのは、なかなか大変です。間違い等あれば、ご指摘ください。

もし「これでいいよ!」とお思いになられたら、人気blogランキングをクリックしてくださると、励みになります。おかげさまで、一時はメンタルヘルスランキング10位に入りました。

人気blogランキングへ

[関連記事]

☆ 場面緘黙症の治療体系もどき(2)

[参考にしたもの]

☆ Garry L, Landreth. Innovations in Play Therapy: Issues, Process, and Special Populations New York: Hemisphere. 2000. pp.303-322.
☆ Tracy L. Morris. John S. March. Anxiety Disorders in Children and Adolescents. 2th ed. New York: Guilford. 2004. pp.280-304.
☆ Angela E. Charles E. Melanie K. Helping Your Child with Selective Mutism: Practical Steps to Overcome a Fear of Speaking. Oakland: New Harbinger. 2005. pp.45-48.

☆ The Selective Mutism Group~Childhood Anxiety Network Frequently Asked Questions. http://www.selectivemutism.org/FAQ.htm (last visited April 15, 2006).