[緘黙] 高校の男女関係 [ストーリー]

2010年07月01日(木曜日)

このブログでは、緘黙とともに歩んできた私の来し方を連載形式で振り返っています。今回は高校生編の第5回です。通算第63話をお届けします。

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■ 共学高校の男女関係

「私たち4人のうち、誰が一番好き?」

いつも私に馴れ馴れしいZさんを中心とするクラスの女子グループから、こんなことを聞かれたことがあります。なにしろ私のような緘黙男は何を考えているのか分かりにくいです。不思議な男だと思う人もいたことでしょう。そんな私がどんな異性が好みなのか、彼女たちには興味津々だったのだろうと思います。いや、私をからかっていたのかもしれません。

その4人の女子の中でも、私が内心一番美人と思っていたXさんという人が、一人私の前に出てきて、

「もしかして、私?」

と聞いてきたものですから、どっきりしました。

このXさんはその後間もなく、なんと「彼氏」を連れ歩くようになりました。クラスメイトが恋仲にある人を連れているのを見たのは、これが初めてでした。以後、こうした光景をちらほら見かけるようになります。中学まではこうしたことを見かけたことは一切なかったのに、高校というのはこういうところなのだろうかと思ったものです。

ですが、私はこの種の色恋沙汰には関心が薄く、独りで禁欲的に勉強ばかりしていました。果たして今後の緘黙ストーリーで、富条に春は来るのでしょうか?乞うご期待!!

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■ みんなが持ってる楽しい高校生活への期待

恋愛のほか、周囲の生徒には高校生活に様々な楽しい期待を持っている人ばかりでした。

しかし、私にはそうした期待はいっさいなく、周りの生徒たちを不思議に思っていました。彼ら彼女らは、そうした高校生活への期待、知識を、いったいどこから得たのだろうか、これが私にとって大きな謎でした。

もしかすると、このギャップは社会性の差によるのではないかと思いました。周りの生徒には友人や先輩がいて、そうした人づてで高校生活について話を聞かされ、様々な期待や知識を持つようになったのではないか、そう考えたのです。ですが、確証はありませんでした。若者向け雑誌か何かの影響かもしれません。

なお、私がそのような期待を持っていなかった理由は、第一に、高校は勉強するところとしか考えていなかったことと、第二に、昔からいじめを受けたり緘黙になったりした自分が華やかな高校生活など送れるはずがないと考えていたことによります。2番目の理由はなんだか寂しいですが、本当にそう考えていたのですから仕方がありません。

■ 先生の眼を見ながらウンウン

高校1年の頃から、私は授業で、先生が話している最中、先生の眼を見ながらウンウンとうなづく習慣がついていました。

一般に、緘黙の人は、人と視線を合わせるのが苦手と聞きます。しかし、私の場合は、このあたりの苦手意識があまりありませんでした。この頃には緘黙が軽快していたからでしょうか。特に授業中は私の席と先生の教卓との間に距離がありますから、もしかしたら先生と視線を合わせることにそれほど抵抗がなかったのかもしれないとも思いますが、定かではありません。

こうしたことを続けるうちに、何人かの先生に、私のことを特に覚えていただくようになり、先生の方から私に積極的に話をしてくださるようになりました。私はほとんど何も話さない生徒だったのですが、授業中にウンウンうなづくだけで、こうなってしまいました。

■ ちょっと潔癖?手をよく洗う癖

緘黙と関係があったかどうかは分からないのですが、この頃、私は手洗いのしすぎで手の甲がボロボロになっていました。若干潔癖、強迫的なところがあったのかもしれません。

その後、さすがに手がボロボロになるまで手を洗うようにはならなくはなったのですが(手が荒れやすい冬を除く)、それでもなお人並み以上に手を丁寧に洗う癖は消えず、現在に至っています。

■ 隣の特進クラスの補習を除いてみたら……

私が入れなかった特進クラスは、私たちのクラスが放課後になった後も補習授業を行っていました。

ある夏の日、私は特進の補習とはどういうものだろうかと興味を持ち、隣の特進クラスの補習風景を廊下から少し覗いてみようとしたことがあります。

すると、びっくりしました。廊下側の窓のすぐそこの席に、小学校の頃の同級生・Mさんが座っているではありませんか。しかもMさんは私に気づいてこちらを振り向き、私と目が合ってしまいました。こっそり覗こうと思っていたのに、なんたることでしょう。私は、その場を立ち去ってしまいました。

[続きの話]

◇ [緘黙] 大学に行って4年間緘黙が治るまで待つ [ストーリー]