緘黙・今年の十大ニュース

2010年12月07日(火曜日)

私の独断と偏見で選ぶ、緘黙関係の今年の十大ニュースです。あくまで、私の独断と偏見で順位付けを行っています。

[第十位 緘黙の研究に、科研費が]

場面緘黙症を主題としたある研究課題が、2010年度の科学研究費補助金(科研費)に採択されたそうです。私の知る限り、これは初めてのことです。

[第九位 絵本『なっちゃんの声』発売決定]

元場面緘黙児の保護者が描いた絵本。発売は来年の2月上旬の予定だそうです(かんもくネットHPによる)。まだ発売が決まっただけなので、とりあえずはこのあたりの順位に。

[第八位 重松清『青い鳥』が文庫化]

場面緘黙症の少女が主人公の短編「ハンカチ」を収めた『青い鳥』が文庫化されました。この本、よく売れているそうで、表題作は映画化もされました。緘黙の認知度向上に役立つといいです。

[第七位 緘黙女子が登場する小説『二人静』が発売]

緘黙の少女が重要な登場人物として描かれています。Twitter でも話題になりました。著者の盛田隆二氏は、場面緘黙症にとても理解のある方です。

[第六位 緘黙児の共同注意に関する研究が発表]

場面緘黙児への支援』でも知られるマクマスター大学らの研究グループが、緘黙症児の共同注意に関する研究を発表しました。これによると、緘黙症児は親との共同注意の回数が有意に少なく、これにより症児は他の coping skill(対処技能)を獲得する機会を逸するだろうとのことです。ですが、私はまだ論文の abstract(抄録)を読んだ程度で、よく分かりません。早く本文を読まないと……。

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[第五位 ひきこもり新ガイドラインに、緘黙が]

5月19日に公表された、厚労省のひきこもり研究班による「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」の中に、緘黙に関する記述が含まれました。ひきこもり支援に携わる専門家の多くは、このガイドラインに目を通すものと思われます。

[第四位 英BBC で緘黙の特集番組]

イギリスの現地時間2月2日午後10時30分から、BBC One(日本で言えばNHK総合?)のテレビ番組 "Being Mum Season" で、"My Child Won't Speak" と題する場面緘黙症の特集が組まれました。この番組は、イギリス全土のうち、イングランドで放送されました。これと前後して、イギリスのメディアで緘黙について立て続けに取り上げられています。

[第三位 Twitter が流行、緘黙に関する話題も]

ミニブログ Twitter の利用者が昨年より増加していますが、ここでは緘黙に関する話題も投稿されています。昔はインターネットで緘黙の話題をする場といえば掲示板が主な場だったのですが、最近は Twitter や SNS、ブログなどもあり、交流の場が多様化しています。

[第二位 オックスフォード大学出版局より、緘黙の本が出る]

今年4月に、アメリカの読者を対象に Helping Children With Selective Mutism and Their Parents と題する新しい緘黙の本が発売されました。専門家が書いたまとまった緘黙の本(英語)としては、Helping Your Child With Selective Mutism
(邦訳『場面緘黙児への支援』)以来5年ぶりです。この新しい本の内容、私は一部に不満もあるのですが、何よりもオックスフォード大学出版局という立派なところから出たことに意義を感じています。緘黙もメジャーになってきたということでしょうか。

[第一位 英緘黙支援団体代表に、大英帝国勲章]

イギリスの緘黙支援団体・SMIRA(Selective Mutism Information & Research Association)代表の Alice Sluckin(アリス・スルーキン)氏が、大英帝国四等勲士(OBE)を受章しました。同氏は長年にわたって緘黙の子どもやその家族の支援に携わっており、そのことが評価されたようです。なお、同氏は、『場面緘黙へのアプローチ』DVDにも登場します。

[むすび]

出版関係のニュースを、結果的に多く選ぶことになりました。

そのほか候補に挙がったのは、国内外の緘黙支援団体が行った緘黙症シンポジウムや講演会、研修会。mixi の人気コミュニティ。緘黙症児の行動機能や社会情緒的機能に関する研究。エリザ・シポンブラム博士の著書の翻訳書が海外で発売などでした。