緘黙の絵本『なっちゃんの声』

2011年02月08日(火曜日)

なっちゃんの声ー学校で話せない子どもたちの理解のために緘黙の子を題材にした絵本『なっちゃんの声ー学校で話せない子どもたちの理解のために』が刊行されました。

作者は、元緘黙児の保護者はやしみこ氏です。場面緘黙症に関する団体「かんもくネット」のメンバーでもあります。同氏は、以前より絵本をホームページ上で公開し、反響を呼んでいました。

本書のメインは絵本の部分ですが、それに加えて、ある緘黙当事者の詩や、金原洋治氏の医学解説も盛り込まれています。金原氏は小児科の院長で、近年、緘黙に関する記事を専門雑誌で発表されたり、かんもくネットの講演に講師として参加されたりするなど、緘黙の啓発活動等に積極的に関わっている方です。

本書の絵本部分は、おそらく主に子どもたちに緘黙を理解してもらう目的で描かれたものだろうと思います(本書の副題も「学校で話せない子どもたちの理解のために」です)。それだけに分かりやすく、小学校低学年ぐらいの子どもが理解のために読むにはちょうどよさそうな内容です。子どもがこの本を読んだ感想を聞いてみたいです。なお、医学解説は、大人向けです。

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場面緘黙症を主題とした絵本では、過去に、私が確認したものでも『バンザイ!なかやまくん』があるほか、写真ドキュメントに『ひびきあうこどもたち(1)りかちゃんがわらった』があります。今回は、元緘黙児の保護者が描き、緘黙支援団体が監修として関わっている点が意義深いと思います。

場面緘黙症についての本では、これまで絵本のほかに、専門的な内容のものや、当事者や教師の体験記など様々なものが出てきました。多様な著作物が出て興味深いですが、これからも出版が続いて欲しいものです。そのためにも、本書は売れてほしいところです。ということもあって、今回ブログで取り上げています。