全緘黙という診断名がないことについて

2011年03月22日(火曜日)

「アニマルセラピーやってます♪」の【エル】さんが、全緘黙という診断名はないと書いていらっしゃいます。

全緘黙って言う診断名は無いんだって!!!
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「アニマルセラピーやってます♪」によると、WHO(世界保健機関)のICD10(国際疾病分類第10版)には、選択性緘黙は載っているものの、全緘黙は載っていないそうです。

ですが、これはICD10だけの話でありません。米国精神医学会のDSM-IV-TR(精神疾患の分類と診断の手引第4版用修正版)についても同様で、選択性緘黙は載っているのですが、全緘黙は載っていません。

ただ、全緘黙症は、学術論文でも稀ではありますが見かけることがある言葉です。英語圏の学術文献でも、total mutism(全緘黙症)という言葉を稀に見ます。

■ 英語圏の緘黙支援団体等の組織名は、どれも場面緘黙症のみ

英語圏の緘黙症支援団体や緘黙症クリニックは、どれも場面緘黙症(selective mutism)という言葉を組織名に含めています。例えば、Selective Mutism Group とか。ですが、少し意地悪な見方をすると、これだと全緘黙症(total mutism)はカバーしていないともとれます(実際は、全緘黙症の子・人も支援しているのでしょうが)。

どうして英語圏ではこうした組織名ばかりなのでしょうか。これは、もしかすると、全緘黙症という診断名がないことが影響しているのではないかと私は思います。

私などは、単に Mutism Group などとしてもよいような気もします。ただ、これだと akinetic mutism(無動無言症)などとの明確な区別はつかないという難点は残ります。

日本の緘黙支援団体は、「かんもくネット」とか「かんもくの会」など、場面緘黙症も全緘黙症も両方カバーしている団体名で、うまいものだと感心します。このサイトは場面緘黙症Journal という名称ですが、これでいいのでしょうか。