『いっしょに遊ぼ、バーモス ブリンカル!』という本に、緘黙少年

2011年04月12日(火曜日)

いっしょに遊ぼ、バーモス ブリンカル! (あかね・新読み物シリーズ)場面緘黙症の小学生が主要人物として登場する本を見つけました。

いっしょに遊ぼ、バーモス ブリンカル!』という本です。作者は山本悦子氏で、あかね書房から2003年(平成15年)に出ています。フィクションのようです。「バーモス ブリンカル」はブラジルの言葉で、「いっしょに遊ぼ」の意味です。対象読者層は、本の内容からして、小学校中学年ぐらいではないかと思います。

下記サイト「『夏の課題図書』読書感想文を書こう!」さんによると、この本は「神奈川県夏のすいせん図書読書感想文コンクール」(神奈川新聞社主催)の平成19年推薦図書に選ばれたそうです。

平成19年 神奈川県 夏のすいせん図書
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物語は、ブラジルからやってきた小学3年生の転校生ジュリアナちゃんと、同級生で「場面性緘黙」の晴也(せいや)君の2人を軸に展開します。

単に海外からの転校で悩んでいる子どもを主題にするのではなく、緘黙の子どもを主題にするのでもなく、2人を絡めて一つのストーリーにした点が独特です。ともに、言葉の問題で困っているという共通点があります。

そういえば、重松清氏の短編「ハンカチ」(『青い鳥』収録)は、吃音の教師と、緘黙の生徒の2人を軸とした話でした。これも、言葉で不自由する、いわばマイノリティの人同士が心を通わせるという展開です。こうした筋立てにはそれぞれ作者の狙いがあり、それは分かるのですが、私としては、言語の壁や吃音と、緘黙とは別の問題なのに、とつい考えてしまいます。

転校先でカルチャーギャップに悩んでいる子や、言葉の問題で困っている子に、手にとってもらいたい本の一つです。タイトルだけでは本の内容は分かりにくいかもしれませんが。