iPhoneアプリを開発した緘黙少年(米)

2011年04月19日(火曜日)

今月8日、あるアメリカの地方ニュースサイトに、場面緘黙症を主題とした記事が掲載されました。

アメリカでもいまだ認知度が低い場面緘黙症について、読者に分かりやすく解説した記事です。一人の緘黙の子どもを実例として交えながら、専門家による説明や取り組みを紹介している、この種の記事としてはオーソドックスな構成です。今回は、SMART Center の Elisa Shipon-Blum 博士(米緘黙支援団体代表としてもおなじみ)が専門家として登場します。

オーソドックスな構成ながらこの記事がユニークだと感じたのは、記事で紹介された緘黙の少年(14)です。彼は数々の賞を受賞するなどした優秀で多才な中学生です。iPhone アプリまで開発していて、 iPhone ストアで発売中なのだそうです。

たしかに緘黙だと対人コミュニケーションを伴う作業には難がありますが、プログラミングや折り紙(これも彼の得意分野)など、一人でこつこつ作業をするものについては、緘動があるなど症状がひどい場合を別とすれば、まだ才能を発揮しやすいかもしれません。

彼の緘黙症状は少しずつ改善していることに加えて、まだ緘黙を完全に克服できていない今の段階でも、彼は才能を発揮し、周囲から認められています。といっても実際はなかなかこの少年のようにはうまくいかないかもしれませんが、こうした緘黙の人もいるという報道は、異国の話とはいえ、希望を感じさせてくれます。

ただ、彼の緘黙症状の改善には母親や Shipon-Blum 博士がかかわっていますし、iPhone アプリの開発販売は、彼のお兄さんと共同で行っています。周囲の力添えも大事なのかなと思えるのですが、このあたりのところは記事を読むだけでは正確なことはよく分かりません。

できれば、彼が開発した iPhone アプリがどういうものか、名前なども知りたかったと思います。緘黙の人が作ったものなら、買ってみたいです。もっとも、その前に、そもそも私は iPhone を持っていないという大きな問題があるのですが……。

[文献]

◇ Bundy, T. (2011, Apr 08). Finding his voice: Local teen continues to work toward overcoming selective mutism. Intelligencer Journal. Retrieved from http://articles.lancasteronline.com/local/4/373077