[緘黙] 心理系の学部は、受けない [ストーリー]

2011年08月02日(火曜日)

このブログでは、私の過去を連載形式で振り返っています。今回は高校生編の第18回です。通算第76話をお届けします。

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■ 心理学関連の学部は受けない

高校の頃、私は、心理学関連の学部に進んでみてはどうかということを、少し考えたことがあります。なぜならば、自分の心に関心があったからです。どうして自分はこんなに内気で引っ込み思案なのか、なぜ自分はこんなに劣等感が強いのか、大学で心理学を勉強すればその謎が解けるかもしれないと思ったのです。当時の私はまだ場面緘黙症を知らず、自分のような人間は、日本中探しても他にいないだろうと思い込んでいたのでした。

ですが、当時の私は、こんな動機で学部を選んでいいのだろうかと考え、心理学関連の学部への進学を本格的に検討するには至りませんでした。

■ 経済学部を志望

私が高校3年の時に志望校として書いていた学部は、経済学部でした。

なにしろ、当時はバブル崩壊の影響で、日本経済が歴史的な転換点を迎えていた時期です。我々大学受験生にしても、国公立志向、地元志向が強まっていて、これもバブル崩壊後の長期不況の影響だろうと説明されていました。こんな時期でしたから、嫌でも経済に関心が向かいました。

「○×大学経済学部経済学科(志望)」などと書いた書類を担任のD先生に提出すると、「たしかにお前は、経営学よりも経済学の方が向いているような気がするよ」と言われました。行動的というよりは分析的な性格で、なんとなく経営というイメージには合わないということだろうと私は解釈しました。

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■ オープンキャンパスには行かない

後年、私よりも若い人の間で、受験生の頃オープンキャンパスに行ったことがあるという話をする人が存外に多く、驚いたことがあります。私は、オープンキャンパスには一度も行ったことがありません。

おそらく、私は内気で引っ込み思案で、人の輪に入っていくことや、人の多い場所に行くことに苦手意識を持っていたからでしょう。また、私のクラスでもオープンキャンパスに行ったという人の話は聞いたことがなかったからでもあります(私が知らないだけで、みな行っていたのかもしれませんが)。

■ 赤本を買いに繁華街へ

高校3年の半ば頃、赤本を買いに繁華街に出たことがあります。繁華街には、このあたりで最も大きな、老舗の書店があります。

書店の赤本コーナーでは、クラスの男子1名とばったり会ってしまいました。「富条、お前もこんな所に来るんだな」と言われてしまいました。言ってる意味が分かりません。もしかしたら私のような内気な男が、繁華街に来るとはイメージできないということでしょうか。繁華街があまり好きな場所ではないのは確かです。

■ 何かを手に入れるには、何かを捨てなければならない

「君は大学受験のために何を犠牲にしているか」

ある著名予備校講師が、受験生にこう問うていました。志望の大学に合格するためには、そこまでのことをしなければならないというのです。

何かを手に入れるには、何かを捨てなければならない、これは私の信条でもあります。私が受験のために捨てたのは、緘黙の克服でした。緘黙の克服を当面の間棚上げして、勉強に没頭していたのでした。(つづく)

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